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「アースルーリンドの騎士」
オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。
くる天
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作品りんく
アースルーリンドの騎士
『ファントレイユとの出会い』
『野獣のうぶな恋心』
『幼い頃』
『シェンダー・ラーデンの恋人』
『仮初めの時間』
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ギュンターの来訪 8
[★ある日の出来事]
2010年5月16日 1時23分の記事
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お休み。をローランデに優しく告げられ、マリーエルは嬉しそうに頬をほんのり染め、父親からの口づけをその額に受け、顔を上げるローランデを見上げささやく。
「まだあいつは、当分居る?」
ローランデの眉間が寄り、マリーエルははっ!として言葉を正す。
「ローランデのお友達は暫く、居るの?」
ギュンターは椅子でその様子を眺め、くすくすくす。と忍び笑いを漏らし、マリーエルはきっ!と睨むように彼に振り向く。
が、ギュンターは睨み据える猛獣の子供につぶやく。
「デルアンネがそう、言ったのか?
ローランデは上品だから、下品な言葉使いはするなと」
ローランデが見ていると、マリーエルは途端俯き、そっと言った。
「…それは言われてるけど…」
「けど…?」
尋ねるローランデの言葉に、マリーエルは顔を上げる。
「だって…ローランデはがっかりするでしょう?
そんな言葉使いの、私に」
嫌われはしないか。と気遣うように見つめられて、ローランデは微笑んでマリーエルの不安を打ち消す。
「君はそのままで、私の『天使』なんだ」
『天使』のくだりで、マリーエルは全開で微笑み、ギュンターのくすくす笑いは大きく成った。
ローランデは扉越しに自分に笑みを向け、次いで椅子に座す金髪の男に、舌を出しかねないようなきつい青紫の瞳で一瞥(いちべつ)をくべて出て行くマリーエルを見送り、扉が閉まると同時に、背後のギュンターに尋ねる。
「…どうして『天使』で君は笑うんだ?」
ギュンターはますますくすくす笑いながら、つぶやく。
「『天使』なんかにゃ程遠い。あれは俺と同類の『猛獣』だ」
ローランデが、笑い続けるギュンターに振り向く。
「同類?」
ギュンターは頷く。
「…他に何も、怖いものが無い…。
お前に、嫌われる以外は何も」
ローランデはそう言ったギュンターを、切なげに見つめた。
「…君は私に嫌われる事が、怖いのか?」
ギュンターは真顔でつぶやく。
「…そうだ」
だから………。
“死”だけが両手広げているような戦場へ赴く時ですら…あれ程颯爽と…何げ無く背を向け、出かけられるのか…?
そう…尋ねたかった。が、ギュンターの視線は“マリーエルの話だろう?”と言っていて、ローランデはそっと俯き、つぶやく。
「家庭教師に言わせると、マリーエルは随分早熟で聡明だと」
「何でも直感で、解るんだろうな。
野生に長けているとまどろっこしい事は抜きで、迷い無く真実を掴める」
“同類”から離れないそう言うギュンターの顔を見つめ、ローランデはそっ…と俯く。
「どうした?」
「…私はもう一週間近く一緒に居るのに…君はほんの数時間で彼の本音を、引き出した」
ギュンターは肩をすくめる。
「だってあいつはお前の前じゃ、お前の息子で居ようと必死だからな!」
「必死?」
「下品な奴だと思われて、嫌われたくないんだろう?
デルアンネの本性も同じだからな」
ローランデは俯く。
「…つまり…私がデルアンネに好意を持ってないから…自分も同様に振る舞って、デルアンネのように嫌われたくない。と…自分を偽ってる。って事か?」
ギュンターは今度は首を、すくめた。
「あの何も聞かない小さな猛獣が、お前のように成りたい。と願い、家庭教師相手に態度を改めるんだ。
自分の影響力は凄い。と思っとけ」
ローランデは顔を揺らす。
「けどそれは………。
ある意味、脅されてるからなんだろう?
大人しくしないと、資格を剥奪される。と………」
ギュンターがつぶやく。
「俺がデルアンネを、脅したように?
が…マリーエルの方が動機は純粋だ。
大公子息の地位や護衛連隊長の地位の為じゃない。
お前に憧れて…お前が父親で誇らしくて、お前が大好きだから脅しに屈し、自分を改めてる」
ローランデは吐息混じりに、ギュンターの向かいの椅子に、掛ける。
「…つまり、君とマリーエルが同類だと言う事は…抜き差しならない事態に追い込まれない限り、自分の意志は曲げない。と言う事か?」
「抜き差しならない?」
「ギュンター。もし私に出入り禁止にされても、私が君を嫌いになったりしないとしたら………」
ギュンターがぼそり。とつぶやく。
「だが俺との事がここでバレたら、お前、困るんだろう?
あいつもお前を困らせたくなんか無い。
だからお前の息子として恥ずかしく無いよう、大嫌いで堅苦しい社交辞令も覚える。
そういう所が、似てる。と言ってるんだ」
ローランデは俯く。
「どうした?」
「じゃ、君やマリーエル相手は、懇願よりも脅しが利くのか?」
ギュンターは厄介な相手に自分を殺す武器を渡しちまった。と肩をすくめ、だが言った。
「そうだな。多分」
顔を上げて自分を見つめるローランデに、ギュンターはそっと言った。
「デルアンネも同類だ。だから、処し方が俺には解る」
ローランデは俯いたまま、ささやく。
「そういう輩の扱いは、知っている…。
けどデルアンネは女性だし、君の事は…とても尊敬している。
マリーエルは可愛い大好きな小さな子供だし………」
ギュンターは吐息混じりに、ぼそり。と言った。
「そういう枠から外せば、名を上げた全員の手綱を取れる。
が…それをする気が無いから、振り回される。
だが…………」
「だが?」
ギュンターは俯いたままささやく。
「お前のそれは…出来れば枠内に入れといて、それ以上の付き合いはしたくない。と言う事でこっちにとっちゃそれは……えらく他人行儀で、寂しい事なんだ」
言われてローランデは、顔を揺らす。
がギュンターは途端、思い出すようにつぶやく。
「……………………尊敬してる?
俺のどこを?」
今頃その言葉に引っかかるギュンターに、ローランデは吐息混じりに告げる。
「…ずっと…その、君の私生活はとても私の理解を超えていて、付いて行ける範囲なんかじゃないし…粗野で乱暴で…平気ですぐ相手を殴る。だけどいつもそれは正義の為に使われてる。
君は“正義”だなんて、絶対認めないだろうけれど…。
けど、本人の自由意志を阻害したり…害を成す相手といつも…戦っていた。
その背に庇い……いつも、自分の拳で敵を退けていた。
近衛に入ってからは、剣で」
ギュンターはつい、俯くローランデを向かい合う椅子から覗き込んだ。
「…それが…尊敬出来るのか?」
ローランデは溜息混じりに顔を、上げる。
「君はいつも、当然の事をしていて、尊敬される事じゃない。って顔をしてるけど。
でも誰もがなかなか出来ない事だと、私は知っている」
「誰もがなかなか出来ない事だから、尊敬してるのか?」
ローランデは頷くとつぶやく。
「君はどれだけ困難な状況に置かれても自分を決して曲げない。
それは…凄い事だと思う」
ギュンターは途端、顔を上げた。
「だがそれが結局、お前を困らせてるだろう?
つまり…絶対曲げずにお前を欲してるから」
ローランデは顔を揺らすと、そっと俯く顔を上げて、尊敬出来る先輩の筈の男の、優美に整った顔と肩の上で揺れる金髪を見つめた。
「…私をただの…下級生の一人にどうしても…見られないのか?」
ギュンターは素っ気なく言った。
「問題外だ」
ローランデは顔を揺らし、それでも続けた。
「私も…君に認められたいと思ってる。今でも。
マリーエルのように。
いっぱしの男だと」
ギュンターは吐息混じりにつぶやく。
「戦場で誰より頼りに成る奴だと?
それはとっくだ。
俺だけで無く、近衛中の男達が思ってる。
だからお前を下劣な愉しみに使おうとするムストレス派の奴らから庇う俺を、皆心の底では応援してる。
…まあ最初に手出ししたのは俺だから、皆大層複雑な気分だろうが」
ローランデは忘れていたい自分の置かれた立場をつい思い出して顔を揺らしたものの、そっと告げる。
「意地で…自分を曲げないんじゃないんだろう?」
ギュンターは素っ気なく言った。
「動機は当然、お前を愛してるからだ。と、しつこくそう告げてある筈だ」
ローランデは顔を下げると途端、深い、吐息を吐いた。
そして…小声でつぶやく。
「私を…困らせたくないんだろう?
私を困らせてるその気持ちを…思い切れないのか?」
ギュンターは瞬間、手の上に乗せていた顔を振って呻く。
「愛して欲しいと…そう願うのは贅沢か?!」
が、ローランデがますます俯き、ギュンターは失言だ。とばかり短く舌打って呻く。
「だから…望まないから………。
………ただ俺を、嫌いにならないでくれ」
ローランデは瞬間、顔を揺らした。
出来たら…!
シェイルに言われ続けているように…それが出来たら…!
彼を、嫌いな振りをし…。
二度と顔も見たく無い程嫌いだと…そう言えたら…!
そしたら…………。
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性別:
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