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ギュンターの来訪 9
[★ある日の出来事]
2010年5月17日 2時33分の記事







次回からはいよいよ18Kに成ります…。

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 ローランデが、俯いたまま固く自分の手を握りしめ、ギュンターはそんな彼に切なげに視線を投げ、静かにつぶやいた。
「尊敬出来る先輩。
…それで構わない」
労るような暖かい響きのその言葉に、ローランデは泣き出しそうな感情を、何とか必死で抑えた。
どうして………出来ないんだろう?
この問題に成ると自分は一歩も、動けない。
ギュンターの気持ちは固まっていて、自分がいつも彼を、身動き取れなくする。
自分がそうだから。
愛する事も出来ず…突き放す事すら怖くて出来ない。
どうしてこんな意気地なしの自分を、ギュンターは嫌いに成らず、飽きずに付き合いそして…労るのか、解らなかった。
とっくに…呆れて去って行っていい筈だ…。
彼を心から望む、それは多くの男女に囲まれ、彼は幾らでも選べたから。
なのに…一度も見せた事が無い。彼からは自分を突き放すような態度は。
厄介がる様子すら。一度も。
どうしてそんな風に…誰かを愛する事が出来るのかすら…ローランデには解らなかった。
だから…………。
ギュンターを愛せば、自分にもそれが解るのか。と思った事すらあった。
けど………。突き放す事同様、ギュンターを、愛する事すら出来なかった…………。

 ギュンターは思い詰めるローランデの様子に、それでも労りを滲ませささやく。
「お前は真面目過ぎるんだ。
いいから忘れろ」
ローランデは髪を振って顔を上げる。
「だって…!良く無いじゃないか!
君は………………!
知ってるんだ!
シェイルに、手紙で教えて貰った。
近衛中の男達に…“命迄掛けて庇った相手に振られた”と陰口叩かれてるんだろう?!
君程、誇り高い男が…よりに寄って恋愛に関して、そんな不名誉を被って…!
なのにどうして!
私を一言も責めないんだ?
責められて当然なのに!」
そう叫びギュンターを覗うが、ギュンターは瞬間横を向き、ちっ!と舌を鳴らす。
丸でシェイルに『余計な事を…!』と言わんばかりに。
が、眉を寄せて見つめるローランデに振り向くと、素っ気なくささやく。
「たかが陰口だろう?
俺に面と向かって言える奴が居たら、顔が腫れるか顎が割れるから、滅多な奴は口にしない」
だが、ローランデは震えていた。誰からの非難中傷等全てその拳で跳ね除け、歯牙にもかけなかった筈のギュンターが、並み居る皆に、馬鹿にされたように一斉に叩かれる陰口に、耐える姿を思い描いて。
「だって…君は平気なのか?」
問うが彼は何でもないように肩をすくめる。
「お前の姿が見られない辛さに比べれば、別に」
そう言い切るギュンターを、ローランデは切なげに見つめる。
「だって…みっともない事は大嫌いだろう?」
ギュンターは真顔で言った。
「お前に真剣に惚れた時点でとっくに無様(ぶざま)だから、今更だ」
ローランデが泣き出しそうで、ギュンターは吐息を短く吐くとささやく。
「ちゃんと…もう、解ってる筈だ。
あの…再会の口づけで。俺の気持ちは。
恨んでて責めてやろうとする男が、あんなキスをするか?」
「だ…いじょうぶ…なのか?
ムストレスの男達は、面と向かって言うだろう?
君を挑発して…!
今は戦闘が無いから…もしかして、投獄されないか?
…それとも、決闘を…?」
身を引き離れて尚、自分の身を心配するローランデにギュンターがそっとささやく。
「それも…シェイルが手紙で告げて来たのか?」
ローランデは顔を揺らしてギュンターを喰い入るように見つめる。
「君が…随分気落ちしている。と…。
それで…自暴自棄に成って無茶をしないか、アイリスやローフィス迄が心配していると………。
本当に………。本当に、大丈夫なのか?
いくら母の容態が悪かったとはいえ、私は君の事を何も…!
去った後どうなるかなんて丸で考えて無かった。
どれだけ君に謝罪しても足りない。
自分勝手に突然君の前から消えてしまった事を…!」
ギュンターは何か、言いだけだった。
が、躊躇った後それを言った。
「お前の自分勝手じゃない。
体の弱い母親の事だ。気遣うのは当然だろう?」
が……そう言った後、ギュンターは青冷めて俯く。
まるで声にならない悲鳴が、聞こえるようだった。
有るべき姿が突然消え…狂ったように探し求める、野獣の悲しげな咆吼が。
ローランデは喰い入るように見つめた。
金髪で美貌の…その表情には微塵もそんな様子を覗かせない青冷めた、優美なその男の顔を。
ギュンターはやっと顔を上げて掠れた声でささやく。
「…他は…?
シェイルは笑えるネタは何も…書いて寄越さなかったのか?」
ローランデは外されて一瞬顔を揺らし、俯きつぶやく。
「君がいつも、本気のシェイルの短剣を軽く避ける…。
だから…ムストレス派の男に殺されるなんて自分の名折れだから、それ位ならその前に、シェイルが自ら君を仕留めるそうだ………」
そう告げてそっ…と顔を上げる。
がギュンターは笑わず、親友のシェイルに自分が殺されるとローランデがひどく心を痛めるだろう。
そう…労るように柔らかく見つめ…そして言葉は相変わらず素っ気なく言った。
「シェイルの短剣で殺される程、俺は腑抜けて無い」
ローランデは、暫く離れていた期間見失った彼の心を探すように、ギュンターを見つめ続けた。
が、見つめ返すギュンターの紫の瞳に迷いが無く、途端安心したように短い吐息を吐く。
ギュンターはほっとし…そして少し、嬉しそうに笑った。
「俺の事はいい。
お前はだが、元気そうに見える。
近衛の時より、ずっと顔色もいい」
ローランデは顔を揺らし、そっとささやく。
「マリーエルと時を過ごせて、楽しいからかな?」
「デルアンネは?親子三人一緒じゃないのか?」
ローランデは俯く。
「毎晩、舞踏会だ」
ギュンターは肩を、竦めた………。
「ラウンデル?世は、アースルーリンド侵攻を諦めたのかな?」
独り言のようにそう尋ねると、ギュンターはまた肩をすくめる。
「甥のヨーデッツが失脚を狙って反乱を始め、自国の鎮圧に手一杯でこっちに攻め込めない」
ローランデは俯いたまま、社交辞令のように何げ無い会話を進める。
「じゃあ…近衛の皆は今、平和で安心だろう?」
ギュンターの、思い詰めた、張り詰めた“気"が解けたように、気楽に言葉を紬出す。
「戦闘続きで…いきなり暇になってもな…。
ムストレス派の猛獣共も…ディングレーも、皆元気を持てあましてる」
ローランデはつい、ほっとして顔を、上げ尋ねた。
「君も…?」

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天野音色 さん
「アースルーリンドの騎士」
地域:愛知県
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ジャンル:趣味 漫画・小説
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オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
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