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二年目。 19 第二章 三年宿舎
[★二年目 連載]
2010年6月24日 1時14分の記事



ディングレーさんって…ホント、不器用…。

そこが可愛いんだけどね。

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顔を上げて正面の、酒を飲むその優美な美貌を見た。
確かに群を抜いて綺麗だ。
が、ディングレーは顔の善し悪しは結局第一印象でしか無い。と知っていた。
気品はどれだけ崩れた顔からでも滲み出るものだし、逆にどれだけ綺麗でも、醜悪な性根は隠せない。

この男は柔っちろい面に見える。
が、拳を振っている時のこいつは、全然柔には見えずむしろ…水を得た魚のように見えた。

ディングレーはぼそり。と漏らす。
「早々に、学年無差別の剣の練習試合が恒例である。
学校一の剣士を決める試合だ」
ギュンターは美味い酒に舌鼓を打って気のない返事を返す。
「…どうせ四年の奴が一番だろう?」
ディングレーはもう一つ、吐息を吐いた。
「今年はそうだと、四年の連中も面子が保てるがな」
「?」
ギュンターは顔を上げた。が、ディングレーは
「試合に、出れば解る」
と言って言葉を濁した。

出がけに戸口でディングレーに告げる。
「味わった事の無い程美味い酒だった。
相当高い酒なんだろう?」
ディングレーは吐息混じりに俯く。
「俺が身分に似合う好みは、酒くらいだ」
ギュンターはつい、その王族を見つめた。
衣服も仕立てが良く、素晴らしい金刺繍が縫い込まれていた。
「……他は趣味じゃないのか?」
ディングレーはつい、ぼやく。
「お前の顔と一緒だ。
チャラチャラしたものは、面倒なだけだろう?」

言って、はっ。とディングレーは顔を上げる。
顔を侮辱された。と睨むその男の表情を想定したが以外にもギュンターは、笑っていた。

「だが俺の顔は、鏡を見ない限り俺の目には触れない。
あんたは毎日そこら中自分の趣味で無い物を目にしてる。
あんたの方が不幸だ」
ディングレーはその理屈が、すとん。と腹に収まり、つい頷く。
「確かに、そうだ」

「馳走に成った。
俺が奢れるのは、安酒だぞ?」
ギュンターの言葉に、ディングレーは頷く。
「酒なら何でも好きだ。
高級酒じゃなきゃ口に合わない。なんて贅沢は言わない」
ギュンターはまた、笑った。
「高級酒じゃなきゃ、奢られないと言ってくれりゃ
『金がない』と断れるのにな。
だが代わりに『尻を貸せ』と言われたらきっぱり断るぞ?」

ディングレーはほぼ同じくらいの身長の、その綺麗な面の男を一瞬呆けて見つめ、だがぼやいた。
「安心しろ。
俺の好みは小柄で可憐で、可愛らしい奴だ。
間違っても面だけは綺麗だが、全然愛らしくも可愛げも無い喧嘩っ早い背の高い奴は好みじゃない」

ディングレーはまたしても、言った後、はっ。とした。
これも、聞きように寄っては侮蔑の言葉か。
どうも言葉は苦手だ。
奴を侮辱する気は毛頭無いが、奴が言葉道理取れば喧嘩に成る。

がギュンターは肩を竦めた。
「それは凄く、有り難い。
あんたに迫られてもやっぱり、拳を握ると思う」
ディングレーは頷く。
そして礼代わりに頷き、廊下へ消えて行く奴の背を呆然と見送った。

自分は言葉が、苦手だった。
世辞も丁寧ないい回しも駄目で、ヘタをすると相手と意思疎通が困難だったりするし、とんでも無い誤解を与え、しなくてもいい諍いや相手に不快な感情を与えたりする。

が…ギュンターはちゃんと自分の意図をくみ取るどころか、先を行く。
喧嘩同様剣も使えるとしたら、いずれ雌雄を剣で決する事に成る相手だったが、ディングレーはどうやらあの男が気に入ってる自分に気づく。
殆ど初対面に近い相手に言いたい放題言って、意思疎通の出来た試しが、今迄一度だって無かったからだ。


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