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「アースルーリンドの騎士」
オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。
くる天
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アースルーリンドの騎士
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二年目。 52 第五章 オーガスタスの一日
[★二年目 連載]
2010年7月28日 2時39分の記事
まだこの頃はギュンターも酒場で女を引っかけてられるだけ暇でしたね…。
その内、相手が教練の下級生だらけに成ります。
ギュンターの辞書に“禁欲”の文字は無い…。
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直ぐ、一人の女が寄って来た。
「オーガスタス。貴方の連れ?
見た事無い顔ね?」
「三年の編入の、ギュンターだ」
が、女が腕を絡ませると、ギュンターは気まずい顔を、した。
つい顔を寄せて耳元でささやく。
「食う気で、来たんだろう?」
ギュンターが顔を向ける。
「…あんたの、女じゃないのか?」
俺は笑った。
「俺の女なら、遠慮するか?」
ギュンターは顔を、俯いたまま揺らす。
「…夕食時に、あんたの話を聞いた。
学校一のボスで、皆あんたを頼りにしてる」
俺は言った。
「それは皆だろう?
お前は自分の判断で俺に対せばいい」
「…だから…俺もお前はそうだと思う」
「そう?」
ギュンターは真っ直ぐ俺を、見た。
「助っ人に、入る気だった。そうだろう?
俺が奴らにやられていたら」
…俺はそういうのが、苦手だったから顔を、背ける。
「…まあ…グーデン一味は俺にとっても敵だ」
ギュンターが即答した。
「だが自分の一味に加われと、あんたは一言も言わない」
「それはお前の自由だ」
ギュンターの、眉が寄った。
「助っ人してたら?
配下に成れと言ったか?」
「どうして言う?」
ギュンターはつぶやく。
「あんたは常識外れで変だ」
「どの辺が?」
「普通、体格と腕力にモノ言わせて、勢力を拡大する」
背後で、笑い声が聞こえた。
「顔の綺麗な新入りに、オーガスタスが絡まれてるぜ!」
ギュンターと俺が振り向く。
同学年の悪友共が、集ってた。
一斉に、杯を上げる。
「その様子じゃ、新入りは早速グーデンらに絡まれてたようだな?」
俺は笑った。
「編入生の身上道理、奴一人で全部、蹴散らした!
助っ人は必要無かったぜ!」
「マジかよ?」
「腕が立つって?その面で?」
そして忠告を付け加える。
「自分で確かめようとするなよ!
どうせグーデンの奴らは引っ込んで無いし、こいつも喧嘩っ早いから暴れる姿に直ぐ、お目にかかれる」
どっ!と皆が沸く。
俺は笑う悪友共に言葉を足す。
「だがこの面だ。女は取られる。
取られたく無い奴は今の内に、女を鎖で繋いどけ!」
全員が、あ〜あ!とふて腐れる。
「俺の財布は、空(から)っ欠なのに?」
「贈り物で無く、あっちで満足させりゃ浮気しない」
「こいつにそれは、どだい無理だ!」
どっ!と笑いが一斉に飛ぶ。
ギュンターの、顔に微笑が浮かぶ。
くつろぐような、笑顔だった。
「男の兄弟か?」
つい、尋ねると、奴の眉が寄った。
「上に二人、下にもう二人の、野郎だらけだ」
俺は、道理で…。と頷いた。
「お前と違って少しは…お上品か?」
兄弟のはぐれモノで、鬱憤晴らしに暴れん坊なのか。と思い、尋ねたがギュンターの、眉がもっと寄った。
「冗談だろう?
俺の上を行く、暴れん坊達だ!」
きっぱり言い切られて、俺は不本意に頷いた。
確かに…俺の女だと思って遠慮する辺りは、兄弟からはみ出る、我が儘男に見えなかった。
女に腕を引かれ、ギュンターは彼女を見つめる。
そして俺に振り向く。
「本当に、いいんだな?」
俺は頷く。
「エリーダを満足させられたら、大した物だ」
背後の連れの一人が叫ぶ。
「奴の後は俺だ!
坊やの口直しを、してやるぜ!」
ギュンターは呆れて皆を見つめる。
が腕を絡ませた女は笑う。
「いいわ…!
楽しみにしてる!」
俺は呆けるギュンターに、そう言う事だ。と頷いてウィンクしてやった。
つづく。
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無断転用、記載は
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プロフィール
天野音色
さん
「アースルーリンドの騎士」
地域:
愛知県
性別:
女性
ジャンル:
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¶二年目 13 ギュンターとディングレーの介抱 18R (1)
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