12　生け贄の子羊達　１１ - 「アースルーリンドの騎士」

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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12　生け贄の子羊達　１１

[★二年目　連載]

2010年11月5日 21時13分の記事

この絵上げてて遅くなりました。
ってまだ完成じゃありませんが…。

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扉を開けると召使いは居なかった。
その部屋の別の扉を開ける。
下働きの者達が使う、専用の外階段に通じていた。

マレーはこっそり抜け出すと、必死で辺りを窺いながら、走り出した。

　アスランの瞳に、二人の…二年の猛者は猛禽に見えた。
四年は体格良く余裕に溢れ…三年は血気盛ん。
そして二年は…まだまだやんちゃな未熟さを見せそれでも…世間知らずの生意気盛りのような。

その二人は縛られて動けない自分を、確実に食べられる果実のように見つめた。

グーデンが憮然と告げる。
「可愛がってやれ」

「…嫌！…嫌！いやっ！」

もがいても、縛られた身は難なく二人の男に捕らえられ、一人がグーデンの入った秘所に指を滑り込ませ、もう一人が…顔を胸に被せて、胸の突起に喰らい付くともがきながらアスランは泣き叫んだ。
「止めて！」

　マレーは必死で…まだ人気の少ない校庭を見回す。
茂みや木立に覆われた道の先に、人の姿を見付け、駆け寄る。
出た先の広い場所で二年の…群れに行き当たる。
皆剣の講義なのか、講堂に揃って足を運んでいた。

内の一人にしがみつく。
「三年は…?!
三年はどこ…?!」

しがみつかれた彼はびっくりし…横の、落ち着き払った背の高い…武人の風情あり一目で大貴族だと解る、気品ある美男に振り向き、彼がマレーに屈み囁く。
「どうした…？」
「ディングレーはどこ…?!」

直ぐ…後ろからそう尋ねた男目がけ…明るい…濃い栗毛と淡い栗毛の混じった…貴公子、ローランデが姿を見せた。

マレーはその端正で優しげな…けれど凜とした輝きを宿す素晴らしい貴公子を見つめ…が目を、見開く。
彼でも駄目だ…！
王族の私室だ！
「ディングレーじゃないと…！」

ローランデは察し、頷く。
「現場は四年宿舎か？」
マレーが頷くとローランデは直ぐ背を向け、三年宿舎に向かって駆け出して行った。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうチューリップピンク

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『北領地[シェンダー・ラーデン]の恋人』
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『教練校での出来事』
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『ゼイブンの夢。』
　ファントレイユの教練入学でゼイブンがパニック！
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『確かなもの』
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１８禁ＢＬ

「アースルーリンドの騎士」ギュンターとローランデ
『[シェンダー・ラーデン]の恋人』『二年目』
ギュンターとローランデの始まり…。『二年目』
そして終わり『[シェンダー・ラーデン]の恋人』
宝石赤

「アースルーリンドの騎士」ギュンターとローランデ『仮初めの時間』
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ローランデとギュンターのお話。
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「アースルーリンドの騎士」ある日の出来事
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いて座

『キリスト教圏では絶対書けないショート。』
　キリストの、もう一つの物語

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