13　ギュンターとディングレーの介抱７ - 「アースルーリンドの騎士」

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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13　ギュンターとディングレーの介抱７

[★二年目　連載]

2010年11月24日 14時14分の記事

ディングレーってホント、内情がバレると絶対王族の権威、保てませんね…。

そういう所が可愛い。と、モテるんですけどね…。

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追加更新情報とかつぶやきますので
良ければこちらでチェックしてやって下さい！

　ディングレーはマレーを見た。
小柄な彼は必死で、自分の横に付いて歩く。

つい…歩を、小さく進める。
マレーが小走りで、自分に遅れまい。とするのを目にして。

医療室に行くと、栗毛の若い療養師が振り向く。
「…どうしたんだ？」

ディングレーはムッ。として唸る。
「…顔の腫れが、見えないのか?!」

「だってお前…その程度は怪我じゃないと豪語してるだろう？
さては、頭を打ったんだな？」

マレーが呆けてるので、ディングレーが怒鳴る。
「いいから、腫れを引く薬を出してくれ！」

療養師サッテスは、ディングレーが素早く隣の小柄な…どう見ても一年生に視線をくべるのを見て、つぶやく。
「…グーデンか？」

ディングレーはもう一度マレーを、見る。
マレーが俯くのを目にし、囁く。
「…どこも…痛めてないか？」
マレーは俯いた、顔を上げない。

サッテスは小柄なマレーに寄り…屈んで俯くマレーの顔を覗き込む。
「…頼むから…診察させてくれ…。
これは…君の為だ。

怪我でここを…去りたくないだろう？」
がマレーは突然顔を、上げる。
「ディングレーを…診て！
明日は大事な学年無差別試合なのに…僕が呼び出したりしたから！」

サッテスは大きな吐息を吐くと、立ち上がる。
「…頬が腫れようが…こいつには関係無い…。
それ程強い男だが事…教練ルールの、剣の試合じゃな」

そしてディングレーに顎を、しゃくる。
ディングレーは察し、診察用の椅子にどかっ！と掛けて唸る。
「どのみち、ローランデに負ける。と言いたいんだろう?!」

サッテスは、大きな吐息を吐くと、薬瓶のずらり。と並んだ棚から一つ、取り出しディングレーに屈む。

瓶の蓋を開け、布に浸しその布で…腫れた、ディングレーの頬に当てる。
ディングレーは一瞬顔を、しかめた。

「まあ…俺もここには七年居るが…ローランデは逸材だ。
最も…北領地[シェンダー・ラーデン]の領主の息子であの見目じゃ、父親が幼い頃からあれだけの腕前に成る程鍛え上げても、無理は無い。

三年前東領地ギルムダーゼンの領主の息子が卒業したが…下品で獰猛で…そりゃ、手に負えない暴れん坊だったぞ」

ディングレーは布を当てたまま俯く。
「…確かに…地方領主の息子にしちゃ、俺なんかよりよっぽど品がある」

サッテスは薬草の粉末に何かを混ぜ、不気味なオレンジ色の飲み物をディングレーに手渡す。

ディングレーはうっ！と喉を詰まらせそれを見つめ、サッテスを睨んで言った。
「…だから、ここは嫌なんだ！
得体の知れないモノを、飲まされるからな！」

サッテスは治療を見守るマレーに、微笑んでディングレーに顎をしゃくる。
「ひどい二日酔いで後頭部を打った時に処方した薬を飲んで以来、高熱でふらふらでもここに来るのを嫌がるんだ」

そしてマレーに屈み、こっそり告げる。
「王族だ。なんて威張ってても、結構だらしないだろう？」

ディングレーはサッテスに怒鳴る。
「それは俺が入学したての話だろう！
大昔の話を蒸し返すな！」

マレーはサッテスの笑顔に釣られて、笑う。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうチューリップピンク

応援してね♪

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もしくはカテゴリをご覧下さい。

この連載をまとめて読む。
『北領地[シェンダー・ラーデン]の恋人』
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『二年目』のタイトルからお読み下さい。

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１８禁ＢＬ

「アースルーリンドの騎士」ギュンターとローランデ
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