アースルーリンドの騎士『二年目』　36　一触即発　10

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』　36　一触即発　10

2013年1月12日 11時47分の記事

ある意味、大型台風のようなギュンター。

しかし王族と言う立場から自由に動けない

ディングレーにとって、好ましいヤツのようです…。

まあディングレーの本音は

立場忘れ好き勝手に暴れたい。ですからね…。

つまり中身はギュンターと同じ…（笑）

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ローランデはギュンターにもカップを手渡し、告げる。
「彼を…保護して下すって、感謝いたします」

ギュンターはそう言った…剣の講義とはかけはなれてたおやかな、ローランデを見つめる。

濃い栗毛と明るい色の栗毛の混じる、珍しい髪色。
背に流し、優しげに微笑む、それは色白な…。

ギュンターはカップを持ち上げ、つい聞いた。
「北領地[シェンダー・ラーデン]だっけ…？
育った土地は？」

ローランデは振り向き、頷く。
「冬は雪の深い…山岳部が近くにあります。
幸い私の屋敷は、雪の少ない平地ですが」

「北領地[シェンダー・ラーデン]の民は…みんな君みたいに真っ白い肌をしてるのか？」

聞かれてローランデは、気づいたように顔を上げ、そして呟く。
「確かに色白の民は多いのですが、雪焼けで色黒の者もおります。
私の肌はあまり…強く無いので…。
焼けずに赤く成ります」

そして顔を上げ、ギュンターをその澄んだ青の瞳で見つめる。
「けど私程白い者は…少ないかも知れません」

ギュンターは、頷く。
彼が茶を入れようと屈む度、項が覗い見えるが、そんな所も息を飲むほど真っ白だった。

こんなに近くにゆっくり彼を、眺めた事が無いと思い当たって、ギュンターはカップから茶をすすりながら囁く。
「…いつも…どさくさ紛れにしか、しゃべった事無かったな」

ローランデが顔を、上げる。
「貴方は勇敢だ。
幾ら編入したてで何も知らないとはいえ。
グーデンを表だって敵に回すものは少ない」

ギュンターは俯く。
「…彼は…もう限界だ」

言うとローランデはラナーンに振り向き、再びギュンターに視線を戻す。
そして少し俯いて、囁く。
「グーデンが彼に…飽きたから？」

ギュンターは頷く。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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 『幼い頃』

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