アースルーリンドの騎士『二年目』　37　警戒　14

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』　37　警戒　14

[★二年目　連載]

2013年2月15日 18時32分の記事

ディングレーってこの、素の部分が

正直可愛い。

しかし可愛い。なんて言うと

作者でも睨まれます（笑）

あ、下の絵にはハウリィもギュンターも居ない…。

でもディングレーとアスランとマレーは居る…。

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王冠２

アースルーリンドについて。国の紹介

恋の矢

「二年目」を最初から読む

　朝食のごった返しが収まり、皆が自室に授業の用意を取りに戻り始めた頃…ディングレーが階上から一年を伴って姿を現す。

ギュンターが空になった皿と盆を戻しに置き場に立っていると、ディングレーが目線合わせ顎しゃくるから、ギュンターは盆と皿を置いてその場を離れ、ディングレーの元へと歩み寄る。

アスランとハウリィが嬉しそうに笑い、マレーが会釈する。
ギュンターは彼らに一つ、笑顔で頷くと、ディングレーが横から顔を寄せて来て耳元で囁く。
「シャクナッセルは今後デルアンダーが面倒見る。
彼に、任せとけ」

ギュンターは頷く。
そして礼を言おうと口開くと、ディングレーは手の平向けて差し止める。
「…俺に礼は無用だと散々言った筈だ。
どうしても言いたいんなら、デルアンダーに言え」

ギュンターはディングレーを軽く睨むとぼやいた。
「…あんたも王族なら、俺みたいな平貴族の礼なんてただ、頷いて受けてくれてもよさそうだ」

ディングレーは眉間寄せてギュンターを見る。
「…お前のような男からそうそう感謝を素直に受けられるか！
他の奴なら俺だって王族の仮面被って偉そうに頷くくらい、出来る」
「…俺ならなんで出来ない？」
「だってもう、今更だろう？」

ギュンターは何となく解ったものの、言った。
「今更だろうが俺は、オーガスタスにだって有り難い時はちゃんと礼を言う」
ディングレーは嫌そうにギュンターを見た。
「オーガスタスは俺より懐が広い」

ギュンターは呆れた。
「単なる礼儀の問題だと思うが？」
が、ディングレーはまだ言った。
「俺はそういう育ち方はしなかった」

「いつも威張ってろと言われて育ったのか？」
聞くとディングレーが顔を寄せるから、ギュンターも耳を寄せる。
「…お前みたいに地を知られてる男に今更素直に礼言われると、こそばゆくて勘弁だ」

ギュンターは顔上げて、ディングレーの男らしい顔を真顔で見つめる。
「…照れ屋なんだな」

途端ディングレーは顔背け背を、向けた。
だからその背に呟いた。
「…凄く、照れ屋なんだな」

ディングレーはとうとうスタスタとギュンターから離れ、三人の一年達の背を押して、その場を後にした。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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 『幼い頃』

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