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アースルーリンドの騎士『二年目』38 追随者達 1
 
2013年3月3日 18時54分の記事



新しい章に無理矢理しちゃいました。

何か、省かず全部書くとやはし長い…。

これでもかなりのエピソード溢してるんですが…。

ギュンターが監督生する前の

女性達との時間とか、オーガスタスとの会話とか。

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王冠2 イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)
王冠2 アースルーリンドについて。国の紹介

恋の矢「二年目」を最初から読む恋の矢

38 追随者達

 授業後の補習の剣の講義中、アスランは横で剣振るサリアスを見た。
シュルツ相手にかなりの迫力で、打ち合ってる。
…最もシュルツの方は、かなり加減していたようだが。

アスランは、余所見してる間に振って来たシェイルの剣を叩き落とし、シェイルのとても綺麗な笑顔を見た。

スフォルツァ迄が、寄って来て笑う。
「…いいぞ!」
シェイルもにこにこ笑う。
「避けられないかと思った!」

ギュンターが気づいて寄って来て、アスランの頭に手を置く。
「上達したな」
アスランは嬉しげに皆を見た。

が、顔を下げる。
皆がおや?と見ると、アスランはぼそっ。と言った。
「…乗馬ももう少し上達するといいんだけど…」

が、スフォルツァが苦しいフォローする。
「上下に、跳ねなくなっただけでも大したものだ」
ギュンターも言った。
「…大体お前、基本体力が無いだろう?
筋力もまるで無い。
馬上で姿勢保つのに、筋肉は必要だ。
それが無いから姿勢が崩れ、暫く達つと上下にぴょんぴょん跳ねるんだ」

「…………じゃ、乗馬の技術より筋肉付けないと駄目って事ですか?」
「…………………お前、志望は文官だっけ?」
アスランは即座に笑った。
「字を書くのも、計算も得意です!」

周囲は皆、ここでは重要視されず評価されない能力に、項垂れ切る。
ギュンターがアスランを見つめる。
「…だとしても、体力はあった方がいい。
病気に成っても回復が早い」

アスランが素直に頷き、皆はほっとした。

ギュンターがシェイルに向くと、シェイルは報告を始める。
「…素だと結構負けん気が強くて。
カンもいいんですが、腕力無いから…腕が付いて来れないですけど…。
もう少し腕力付けば、もっと振れる様に成るはずです」

そして、見上げる程長身のギュンターをじっ…と見る。
「貴方の影響かな?」

ギュンターは吐息吐く。
「…最近毎日、素振りをしてると聞いた。
お前に相手して貰えるのが、嬉しい様だ。
それに最近は毎度機会を逃し、寝てない。
だから俺と言うより、お前の影響じゃないのか?」

シェイルが心配げにギュンターを、見る。
「アスランと…過ごせなくて、寂しいですか?」
ギュンターは肩竦める。

スフォルツァも…そしてサリアスと打ち合ってるシュルツでさえ、聞き耳立てていた。

「…俺は慰めていただけで、恋愛関係とは違う。
だから、俺が必要無くなったら喜ぶべきだろう?」

言うと…シェイルは俯く。
「ローフィスと…ハウリィもそう、成る?」

途端、シュルツとスフォルツァは顔外向け、聞くのを止めた。

ギュンターは項垂れるシェイル見てまた、吐息吐く。
「そりゃ、今は与えてくれる相手しか目に、入らないだろうが…。
多分正常に戻れば、ちゃんと恋愛出来る相手に対象を移すだろう?
…ローフィスとは、話したのか?」

シェイルは、頷く。
そして再び俯く。
「…ラナーンは…僕の時に、ローフィスが助けてくれたから…だから自分も僕の様に、ローフィスが助けてくれる事をずっと思い描いたって…」

ギュンターはそっと囁く。
「それは…空想だろう?
現実とは違う」

シェイルは、一度顔上げそう言ったギュンターを見つめ…が、また目を伏せた。
「…みんな…ローフィスを好きになるんです」

ギュンターは吐息吐いた。
「…まあ…彼は教練ではやさ男に見えるが…酒場ではそれが粋だと、女達に受けてるしな…」

シェイルはまたギュンターを見上げ、言う。
「…貴方を想うよりは、うんとマシですけど………」
シェイルは素直に感想を述べたが、ギュンターはひっかかりまくった。
「…どうして俺よりマシだ?」

シェイルがぼそり…と呟く。
「だって貴方はローフィスよりもの凄く、モテるし女性が放って置かないから…。
ローフィスが貴方みたいにモテたら…きっと俺、嫉妬で胸が張り裂けてしまう………」
そう言って、項垂れる。

シェイルの視界にはローフィスしか居ない。
そう、ギュンターには解ったものの…。。
思い切り肩落とし項垂れるシェイルに、だがギュンターは言葉を控えるしか無かった。
本当は
『俺を真剣に想うと、嫉妬で気か狂うのか?』
と聞きたかったが。



つづく。




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