アースルーリンドの騎士『二年目』38　追随者達　2

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』38　追随者達　2

[★二年目　連載]

2013年3月4日 17時46分の記事

ただでさえ多い基本メンバー。

しかしこの辺りから更に増えてもう、バタバタ…。

実はテスアッソンはここのシーンの為描いたんですね…。

まだ登場人物用の加工前です。

しかし、シャクナッセルの思い人はデルアンダーで

ラナーンは実はテスアッソンが気になる様子。

モテますね。

ディングレーの取り巻き大貴族。

皆、堅物ですが（笑）

しかし、文書いてた時のイメージは、もっと小顔でつん。とした

女顔だったんですけど…。

描けなかったです…。

でも本人は満足。

デルアンダーは苦笑い。

他の取り巻き達は「絶対あんなに男らしくない！」

但し、小声で。

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　テスアッソンは自分のグループの、ラナーンを見る。
剣は丸で使えない様子で、ヤッケルが相手し、剣の握り方、振り方から教えている。

一方マレーの方は、アイリスが丁寧に色々教えている様子で、時々剣を手放し護身術の講義にも成り、毎度周囲に居るアッサリアやディオネルデス、フィフィルースらが代わる代わる講義に参加し、暴漢役を演じていた。

テスアッソンはヤッケルに寄り肩を引く。
そして、振り向く小柄なヤッケルに告げる。
「…悪いな」

ヤッケルは一つ、頷く。
「大丈夫です！」

そして他の者の様子を見回りに行くテスアッソンの背を見てると、ラナーンも見つめながら囁く。
「…ディングレーは王族だから別格に見えるけど…」

テスアッソンの、姿勢の良い背。
山吹色の高級な上着。
少し明るい栗色の巻き毛を背に流し、グループの者の剣の振り方を注意する、その横顔を見る。

つん。と少し上向いた鼻が生意気そうに見える。
が同時に愛らしくも目に映る。
長い睫。
色白で、どちらかと言えば童顔で女顔。

が、デルアンダーやギュンターよりは低いものの長身。
筋肉が盛り上がって逞しい様子は無いものの、スレンダーでしなるような筋肉の持ち主だった。

彼が一旦剣振ると鞠が跳ねる様にそれは素早く、その切っ先は鋭く、そして剣をブツける様は激しい。

けれど気品がけぶるように彼を覆い、きっと社交界ではそれは、素晴らしい貴公子なんだろうな。
そう思う程、時々見せる仕草は優美。

その癖、さっ！と腕を払うと騎士然としていて、武人の面持ちで気迫ある様子を見せる。

…その、隙の無さ。
ヤッケルはつい、テスアッソンの綺麗なブルーの透ける瞳をじっ…と見てる、ラナーンを見る。

「…ああ凄く、彼は格好いい」
ラナーンはテスアッソンを見つめたまま、頷く。
「…大貴族って………小さい頃から剣と乗馬の習い事を厳しくされると聞いたけど………」

ヤッケルは、頷く。
「行儀作法もな。
フィンスもそうだ。
王族のディングレーやグーデン達よりよっぽど礼儀正しい。
ローランデもお行儀いいしな」

ラナーンは頷く。
「…それでも…俺…も、幼少の頃からしたら、武人に成れたかな………。
でも俺、小柄だし…。
子供の頃散々熱出して………。

それで母様は高い薬を俺の為にいっぱい買って…。
…手持ちの宝石全部売っても足りなくて、体も売った。
俺の…せいで」

が、ヤッケルはぽん。とラナーンの肩叩く。
「…それだけ、お前を愛していたんだ。
だから…きっとお前の薬が買えて喜んださ！」

ラナーンは顔上げる。
そしてくしゃっ！と顔歪めた。
「…どうして…娼婦は汚いと言わない?!
母様は娼婦に身を落とした途端、に…んげん扱いされなくて………。
住んでた貸家で散々言われ…とうとう住む場所を変えなきゃ成らなくなった！

でも移り住んだ場所はひどくて………。
俺より薬が必要だったのに、全部…俺にくれた！
だからもっと悪化して…………！」

ラナーンはもう、涙が止まらなかった。
ヤッケルは暫くぽろぽろと涙流すラナーンを見つめ、そして抱きしめた。
胸に。
泣いてる弟妹を抱きしめる様に。

ラナーンはヤッケルにしがみつく。
あんなに…喧嘩売った相手だったのに…。
顔を見ると、シェイルを庇う嫌なヤツ！
そう睨む相手だったのに………！

その胸はとても…暖かくてラナーンはヤッケルにしがみついて泣いた。

ヤッケルは抱きしめながらラナーンの髪に顔埋め囁く。
「…今からでも遅くない…。
ローランデは、小柄な体格の不利を埋める為、どれだけでも剣振った。
俺だって…体格良くない。
でもそれでも戦い用はある。
俺はそれを教えてやれる」

ラナーンの涙は止まらなかったけれど…でも顔を上げ、ヤッケルを見た。
「………俺……でも、強く…成れる？」

ヤッケルは笑って頷いた。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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