アースルーリンドの騎士『二年目』38　追随者達　12

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』38　追随者達　12

[★二年目　連載]

2013年3月14日 14時55分の記事

さてオーガスタスが全速力。

ここ数回毎度逃げられてちゃ

オーガスタスも走るわね。

瞬足のギュンター置いて行くんだから

オーガスタスは本気ですね。

今日は切れ目無くて長いです。

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イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)
王冠２

アースルーリンドについて。国の紹介

恋の矢

「二年目」を最初から読む

ローランデが真っ直ぐオーガスタスを感謝する様に見つめ、オーガスタスはローランデに
「二人を頼む」
と告げ、ギュンターに鋭い視線投げる。

フィンスがローランデの横で、二人に安心するように微笑みかけるのを目に、ギュンターは扉閉めると、オーガスタスの大股に慌てて追いつく。

横に並ぶと、オーガスタスが前を見つめたまま唸った。
「…食った物全部、消化しちまうな…」

ギュンターが、俯く。
「…夜食食うには、どうしたらいい？」

オーガスタスが歩を止めぬまま、横を振り向く。
ギュンターの情けない表情に呆れて呟く。
「…四年相手なのに、夜食の心配か？」

ギュンターは歯を剥いた。
「…四年相手だから！
心配してるんだ！」

が、オーガスタスは後にしろ。と言う顔で囁く。
「お前は囮だ。
俺が隠れてりゃ奴ら、姿見せるからな」

「………一人で全部、殴る気じゃないよな？」
ギュンターの言葉に、オーガスタスは目を見開く。
「そうなったら夜食の心配は、要らないだろう？」

「…………………正直この所、奴ら殴って気分が良い」
が、オーガスタスは素っ気無く言った。
「喧嘩は俺に任せて、夜食の心配はするな」

ギュンターはオーガスタスの横に必死で付いて、睨み付けた。

が、二年宿舎を出、暗い夜道をだかだか進んでいると、三年宿舎からこちら目がけ、駆ける男の姿を目にする。

テスアッソンが、二人の姿見つけ駆け寄って来る。
「ディングレー殿が！
ギュンター、お前を呼んで来いと！」

そして歩止めぬオーガスタスの横を必死で付いて歩くギュンターの横で、オーガスタスに遠慮しながら囁く。
「…グーデン愛玩の少年が、お前に助けて欲しいと…！
彼はデルアンダーの元を訪れ、デルアンダーはディングレー殿にそれを告げた…！」

オーガスタスが途端、大股で歩きながら顔上げて笑う。
「…三年迄もか！」

ギュンターが咄嗟にテスアッソンに顔向ける。
「…今二年で二人、グーデンから逃げ出して来た子らをローランデに預けた所だ。
この所ローランデに奴ら、続け様に脅しかけてるから、これからこいつと絞めに行く」

テスアッソンが目を、見開く。
オーガスタスがぼそり…と注釈入れる。
「絞めるのは俺。
囮で奴らおびき出すのはお前。
それを忘れるな」

「だから！
囮までやってどうしてお前の喧嘩、指咥えて見てなきゃならない！」
「…だって腹減っても夜食の当てが、無いんだろう？お前」

ギュンターが、ぐっ…と詰まりオーガスタスを睨め付ける。
テスアッソンが思い切り呆れ、呟く。
「…絞めに行くのに、夜食の心配？」

オーガスタスが即座に同意を示す。
「…全くだ！
フィンスの所であれ程食ったのに！」

ギュンターはぶつぶつ言う。
「…暴れたらとっくの昔に消化して、真夜中腹減りで目覚める。
そんなの、最悪なんだぞ?!
取り置きの干し肉だって草々無い上、干し肉じゃ全然腹の足しに成らない…！」

「…ともかく、ディングレー殿の所へ…！」
「後だ！」
咄嗟にオーガスタスが言い、その歩止め長い手振り、ギュンターと、テスアッソンを制す。

向かい、三年宿舎目がけ四年大貴族二人が、配下四人引き連れ進む姿を目にする。
途端、オーガスタスが猛ダッシュ始め、ギュンターはその背に追い縋る。
「抜け駆けだぞ！
あんたが姿見せたら奴ら、逃げるだろう！」

が、足の速いギュンター背後に置いて行き、その長い足でオーガスタスは更に速度上げ、突進して行く。

「糞！
逃がす前に殴る気だな！」
ギュンターが必死に速度上げる。
テスアッソンも、ギュンターに少し遅れ横に走り付く。

が、二人がどれだけ必死に走っても、オーガスタスの背に追いつかない。

ギュンターが雄叫ぶ。
「…畜生！」

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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 『幼い頃』

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