アースルーリンドの騎士『二年目』38　追随者達　22

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』38　追随者達　22

[★二年目　連載]

2013年3月24日 20時57分の記事

デルアンダーの登場です。

ギュンターってすっかり大貴族の部屋を

見るのが楽しみみたい。

その人によって、装飾が違うので。

しかし意外にもデルアンダーの欠点が…。

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王冠２

アースルーリンドについて。国の紹介

恋の矢

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オーガスタスは果実酒のグラス握り、ギュンター見て溜息吐く。
「…フィンスのところであれだけ食って、たったあれっぽっちの運動で、良く入るな？」

「俺はお前と違ってここで三年間、たらふく食ってない！」

テスアッソンがフォーク握りながら、肩揺らし声殺して笑い、オーガスタスとギュンターに無言で見つめられた。

二人は揃ってテスアッソンに礼を言っていとまを告げる。
ギュンターは背向け、思い出した様に振り向く。
「デルアンダーの部屋は？」
「右横だ」

テスアッソンに頷き、ギュンターは背を向け、右横の扉の前でノックする。

オーガスタスが背後に立ち、開けたデルアンダーに大きく目見開き、驚かれた。

ギュンターは背後のオーガスタスを見、デルアンダーを見る。
「…セシャルは結果、テスアッソンのとこに居る」

そう報告するとデルアンダーは頷き扉開け、横に避けて道を通すから、ギュンターは中へ入る。

柔らかなブルーとグリーンの色調。
カーテンも絨毯もが、淡く明るいパステル調のブルーとグリーン、所々が優しい黄色のアクセントが入る色合いで埋め尽くされていた。

更にテーブルもブルー。
クッションにはシフォンの淡いブルーやグリーンの、フリル迄付いている。
椅子はグリーンの、優しい感じの室内で、ギュンターがつい、横のデルアンダーを凝視する。

「…あんた、俺が思ってるより繊細だったのか？」
「？どうしてそう思う？」

デルアンダーに尋ねられ、ギュンターは室内をぐるりと首回し見回す。
そしてデルアンダーを見ると、彼は怒っていた。

「…それは俺の趣味じゃ無い！
母の！趣味だ!!!」

テーブルで給仕していた召使いが、くすっと囁く。
「お坊ちゃまが配色すると、原色の黄色や紫、赤や緑のどぎつい家具やカーテンをお選びに成ってその…奥様が『趣味が悪い』とお気遣いに成った結果です」

デルアンダーが、途端顔下げる。
ギュンターが俯き、顔背けるデルアンダーを見た。

顔背けてると言うのにいつ迄も察しず自分を見続けるギュンターに、デルアンダーはぼそり。と言い訳る。

「…男は別に室内の配色がヘタでも関係無い。
どうせ結婚したら家の配色は妻がするからな」
ギュンターは即答する。
「…あんたんとこは、そうなんだな？」

召使いはまた、笑った。
「お坊ちゃまは旦那様そっくりです。
衣服から全て、奥様が選んだ物をお使いで。
ご自身に任せると旦那様同様、とんでもない色の、趣味悪い衣服をお召しで。
奥様も結婚された際、お姑様に言われたそうです。
『趣味がとても悪いから、衣服から家具迄全部貴方が選ぶ様に』と」

が即座にデルアンダーが、その年上の物の解った召使いに、気弱な表情で振り向く。
「…幼少の頃から父の趣味が当たり前の環境に居たら、そういう物だと疑問も抱かないだろう？」

けれどギュンターに見つめられてるのに気づいた途端、、しゃきっ！とした表情に戻り、断固として言う。
「子供の頃に刷り込まれた常識覆すには、大変な苦労が要るんだ！」

また、笑い皺の優しい年上の召使いが、ギュンターに言った。
「お坊ちゃまは大層な父親っ子で。
父君も子煩悩なお方で、いつもお二人はご一緒でしたから」

幼少の頃の話をされ、デルアンダーは少し気恥ずかしそうな表情で、ギュンターにぼそりと言った。
「…だが大変紳士で、行儀作法も仕草も洗練されていて、どの場でも注目を集めてたし、尊敬もされていた。
色の趣味が悪いのは、後でこっそり聞いたら色があまり識別できない為だと言われた。
…彼のせいじゃない」

ギュンターが見ると、父親をそう庇うデルアンダーを、召使いは微笑ましげに頷いていた。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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 『幼い頃』

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