アースルーリンドの騎士『二年目』 40　孤独の縁

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』 40　孤独の縁

[★二年目　連載]

2013年4月26日 21時8分の記事

前回忘れたので

今回、続く、襲撃の最後の部分を付け足しです。

それにしても、オーガスタスが積極的に動き出したら

物見がわんさか。

流石、教練の有名人。

みんな、オーガスタスの活躍にわくわくしてるみたい。

その気持ちは、凄く解るけど。

今日はラナーンです。

すっかり、以前喧嘩相手だったヤッケルにぞっこん。

ヤッケルも兄弟多いから、喧嘩相手だろうが平気みたい。

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イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)
王冠２

アースルーリンドについて。国の紹介

恋の矢

「二年目」を最初から読む

　結果その日、オーガスタスはスフォルツァを一年宿舎に送り、ギュンターはフィンスと共に二年宿舎、フィンスの部屋へと出向く。

スフォルツァは二年宿舎からも一年宿舎からも、物見が扉付近で群れでいるのを目にした。

先にギュンターとフィンスが二年宿舎へ入っていくと、フィンスは二年達に質問を声高に浴びせられていた。

「…大事に成ってますね…」
スフォルツァが呟くと、オーガスタスは溜息付く。
「まあ…俺が動くとそれは目立つ」
スフォルツァは、頷く。
「貴方が動くと教練中が動く」
言われてオーガスタスは、ぽりぽりと頬を掻いた。

40　孤独の縁

　ギュンターはフィンスの部屋に通された後、ラナーンが居る部屋の横の客間の扉を開けられ、中へと足を踏み入れる。

フィンスはその背を見送り、ラナーンの居室の扉を開けた。

ヤッケルとシェイルがラナーンに剣を教えていたが、二人共顔に擦り傷作り、ぎこちない動作のフィンスに目を、見開く。

ラナーンが…呆然と見つめ、静かに言った。
「…俺の…せい？」

フィンスがそれでも微笑浮かべ、囁く。
「君だけじゃなく…」

ラナーンが俯く。
フィンスがそれを見てそっと告げる。
「今、ミーシャの所にギュンターが来ている。
後で…ここにも顔を出すと言っていたけど…」

そして俯くラナーンを優しく見つめる。
「君は…構わない？」

シェイルとヤッケルが揃ってラナーンを見つめていると、ラナーンは一つ、大きな溜息を吐いた。

そしてぼそりと言う。
「俺…やシャクーンが抜けたから…。
とばっちりでひどかったろうなと想像付く…。
ミーシャは…特に甘ちゃんだから…」

言って顔をさっ！と上げる。
「ギュンターなら救える！
俺…もそうだから！」

シェイルとヤッケルが、ラナーンのその言葉に微笑んだ。
が、ラナーンはちょっと顔赤らめてまた俯く。
「でもまだ…ギュンターが欲しいけど」

フィンスが溜息交じりに告げる。
「私がギュンターを呼びに行って襲撃を受けたから、これからギュンターが曜日決めて通ってくる。
ディングレー殿がそう決めた。
君は月曜に成ったから…次は来週になるけど」

ラナーンは顔を上げる。
「…それ迄、我慢か………」

が、ヤッケルが肩竦める。
「…だって…ギュンターってあれだけの女性と平気で寝室でも付き合えるんだ。
この後顔出してくれるんなら、ミーシャかレナルアンのとこに来たついでに、相手して貰えないか交渉しろよ」

シェイルも、フィンスもひどく冷静なヤッケルの意見に顔上げて彼を見る。
ヤッケルが怪訝に問う。
「…何だよ」

シェイルとフィンスが目を見交わして譲り合い、結果フィンスが言った。
「いや。
まるで普通の交渉事みたいだなと。
でも情事の交渉なんだよな？」

ヤッケルが肩竦める。
「だって…ギュンターだぜ？
あれだけの女性達は皆、彼としたくて教練迄押しかけて、皆交渉し、ギュンターは全部受け入れてる」

フィンスとシェイルが、妙に説得力有り頷く。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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