アースルーリンドの騎士『二年目』 40　孤独の縁 3

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』 40　孤独の縁 3

[★二年目　連載]

2013年4月28日 22時44分の記事

ヤッケルと一緒だと

フィンス、したくもないギャグ？

をする羽目に。

…痛かったんでしょうね。やっぱり…。

あ、すいません。イラスト、フィンスは成人してます…。

なんで実際はもっと細い…。

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ヤッケルも言う。
「お前が“武人の癖していかにも重傷そうでみっともない”
くらい言ったら、フィンスだって思い切り
“凄く痛いんだぞ！”
って言えるんだ」

ラナーンはびっくりして目大きく見開き、シェイルはくすり…と笑う。

ローランデは俯いたまま頬染めて謝罪する。
「済まない…私に配慮が足りなかった」

ラナーンが見ていると、気品の塊。貴人。と、上級生ですら遠慮する貴公子ローランデに、ヤッケルは寄って行ってポン！と肩叩いて言った。
「俺は許してやる。
フィンスはどうかは知らないが」

ローランデがチラ…とフィンス見ると、フィンスは苦笑した。
「私を非力な女性扱いせず、武人として扱うなら…許せるけど」

ヤッケルは今度、フィンスに寄って行く。
「そうとも！奴はこの年でちゃんとした武人だから…」
言って、ポン！と腕を叩く。

フィンスが叩かれて一瞬顔歪め、衣服に隠れてはいるけれど、傷を負った場所なんだ。と、ラナーンにもシェイルにも、ローランデにも解った。

「…こんな位なんでも無いし、多少枝で叩かれたくらいで…」
また背の辺りをポン！と叩き、フィンスは思い切り顔しかめる。
「痛いだなんて、誇り高いこの男が絶対言う訳が無い。
第一…」

次にヤッケルが手を振り上げた時、フィンスがヤッケルから体、思い切り背け怒鳴った。
「もうよせ！
傷負い立てのほやほやなんだぞ！」

ヤッケルは持ち上げた手、宙で止めたまま、自分から体傾け避ける、フィンスを見た。

「…痛いのか？」
「痛い！
オーガスタスが抱き上げてやると言ったが、それですら痛そうで遠慮した位だ！」

とうとうシェイルがくすくす笑い出し、ラナーンはますます目をまん丸にし、ローランデもつられてくすり…！と笑った。

が、ヤッケルは取り澄まし、ローランデに向いてフィンスを手で差し示し、言った。
「…見ろ。
俺だと奴だって本音吐く」

ラナーンが見てると、ローランデは苦笑して言った。
「…見習うよ」

その返答にやっぱりラナーンはもっと目をまん丸に見開いた。
フィンスはヤッケルに叩かれた腕をさすりながら、笑うシェイルを睨んだ。
が、睨まれて余計シェイルはくすくす笑う。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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