アースルーリンドの騎士『二年目』 40　孤独の縁　11

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』 40　孤独の縁　11

[★二年目　連載]

2013年5月6日 19時4分の記事

ギュンターは幸せかも知れません。

なぜって自分が、実は真の孤独を抱えている事を

知っているからです。

例え事実を認める事が辛くても

自分がどんな状態にあるのか知っていれば

必ずそれを何とかする

方法が見つかるからです………。

知らなければ………。

気づくまで、永遠に彷徨わなくては成らない。

しかも言葉で例え言われようと

気づかなければそれでお終い…。

自分を本当に救う事が出来るのは

他ならない、自分自身だからです…。

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王冠２

アースルーリンドについて。国の紹介

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荒い息を吐き二度目を終え…夢中で脱ぎ捨てた衣服が散らばる床を見つめ、ギュンターはそれでもまだ、両腕を寝台に付きその間に顔を埋め、息を整えていた。

ミーシャはようやく…疲労を感じた様に、仰向けで…息を吐きそして…首を振り向ける。

ギュンターは寝台脇の瓶を取り上げ、彼に手渡す。
ミーシャは手に取ると億劫そうに身を肘を付いて起こし、そしてそれを飲み干した。

口の端に垂れた液体を手の甲で掬い…そして返す。

ギュンターは瓶を受け取り、ミーシャを見つめる。
「良く…眠れそうか？」
ミーシャが頷くのを見て、ギュンターは瓶を煽る。

寝台を、出ようとすると華奢な腕が腕を握り、ふ…とギュンターは振り返る。

ミーシャの瞳が、熱烈に抱き合った後でもまだ、『孤独だ』と告げていて、ギュンターはそっと言った。

「ここにはお前一人じゃない。
それに、ここを出れば他も居る」

ミーシャは、きょとん。とした。
そんな事、解ってる。

そんな…表情（かお）だった。
ギュンターはふっ…と寂しく笑った。

ミーシャはその微笑を、惚けた様に見守った。
ギュンターが寝台を出る。

ミーシャの力の抜けた手はもうギュンターを、引き留めなかった。

ギュンターが何か囁き、部屋を出た後も暫く、ミーシャは彼の…寂しげな微笑を、思い返した。

ずっとそれは頭の中に浮かび続け、何かを確かに、告げていた。
けれど寝台に横になった途端訪れる眠気に…ミーシャは抗えなかった。

彼（ギュンター）を、掴まえたかった。
自分一人のものに、したかった。
それが、無理だと知っていた。

それでも…………。

けれど眠気はやさしい邪魔者のように間を裂き、ミーシャはその抗いがたい休息に引き込まれ、考えるのを止めた。

ただギュンターの、寂しげな微笑だけが、頭の中に浮かび続けていた…………。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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 『幼い頃』

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