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「アースルーリンドの騎士」
オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。
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アースルーリンドの騎士『二年目』 40 孤独の縁 15
[★二年目 連載]
2013年5月10日 14時58分の記事
二人の入浴シーンは少しでしたね〜。
でも作ってみました。
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イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)
アースルーリンドについて。国の紹介
「二年目」を最初から読む
そんな話をした後なのに、オーガスタスと一緒に共同浴場に浸かった途端、二人共がその湯の心地良さに浸りきって言葉を無くす。
だれきって部屋へ一緒に戻り、フィンスのところでくすねた夜食分け、果実酒を開けるとつい軽口を叩き合う。
「…あんたも最初は俺を、男にされる奴と見てたのか?」
ギュンターが口開くと、オーガスタスがむっつりと問い返す。
「そんな話がしたいのか?」
「今思い出したが、最初ディングレーも言った。
男に迫られたら俺に言えと。
あれは…俺が困ると思ったから気遣ったんだろう?」
オーガスタスはぷっ…と吹き出す。
そして椅子から瓶を手に持ったまま、寝台に移動する。
どさっ!と腰掛け、瓶を開けてぐびっ!と飲み、その後寝転がって片肘付き、その手で頭支えギュンターに向くと、呟く。
「俺の最初………。
ああ。お前が編入した当日はな。
まあ色眼鏡で見られても無理ないだろう?
大抵の奴はここがどんな場所か知ってる。
大貴族なんざ、ここ目指して鍛錬積んで来るから、ここの事情を知り尽くしてて、行事なんか隅々まで知ってる。
凄い奴なんか、どこにどんな部屋があるか、一年の時から知ってて迷わない」
「………………つまり、俺みたいな顔の奴は、大抵が男に可愛がられる目的でここに来たと思われるのか?」
「三年編入。ってだけで、猛者とは認められるから、講師共はそっちじゃなく、お前が暴れて一人も友達も作れないんじゃ無いかと。
それは心配してたな」
「講師と良く、話すのか?」
「…まあ…ディアヴォロスが居ないんであっちも、俺に知らせときたい情報は教えてくれる」
ギュンターは、頷く。
「俺は最初から問題児だったと?」
オーガスタスは肘外し、どさっ!と枕に頭沈めて言う。
「ここは、問題児だらけだ!」
ギュンターが椅子の上でテーブルに肘付いて瓶持つ手を下げ、見つめるとオーガスタスは続ける。
「つまりその問題児がだな!
お前にちょっかいかけ、お前が暴れまくり周囲を引かせないかと心配してた訳だ!」
「…それで俺に友達が出来ないと?
だから…あんたが気に掛けてくれたのか?」
オーガスタスは腹の上に手を乗せ、ギュンターを見た。
「講師に言われて俺が友達を買って出た?
俺は自分が気に入らなきゃ買って出ない。
…まあ優等生のローランデなんかは、自分の感情は二の次で、責任感から買って出るだろうが」
ギュンターは横向き、瓶を取り上げ口に当て、飲み干す。
「…ローランデはつまり…気に入らない相手でも表情に出さないのか?」
オーガスタスはチラ…とギュンターに視線投げ、呟く。
「いや?
あいつが誰かに嫌悪向けるのは、滅多にない事だ。
害成す奴以外は」
「…つまり万人に…親切か?」
「そうだ…俺には無理だ。
ちゃんとヤな奴にはヤな顔に成るし、言える場面なら『気に入らない』と相手にハッキリ言う」
「…それが普通だろう?」
「そうだな…」
言ってオーガスタスはまた、瓶を持ち上げる。
つづく。
今日も読んでくれてありがとう
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プロフィール
天野音色
さん
「アースルーリンドの騎士」
地域:
愛知県
性別:
女性
ジャンル:
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ブログの説明:
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