アースルーリンドの騎士『二年目』 40　孤独の縁 16

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』 40　孤独の縁 16

[★二年目　連載]

2013年5月12日 19時40分の記事

さて。

いつも元気な四年の登場。

もうほぼ大人？で、オーガスタスが統べてるだけあって

陽気で元気で荒っぽく

スケベで口が悪い愉快な仲間達。

四年も居るとこうなる…んじゃなくて。

唯一、大貴族で無く、平貴族の

オーガスタスが統べてる学年なので。

それは、粗雑で奔放です。

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イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)
王冠２

アースルーリンドについて。国の紹介

恋の矢

「二年目」を最初から読む

　シェイルが四年宿舎の扉を開けると、大食堂の中は大騒ぎだった。
シェイルはぎょっ！として口々に怒鳴り合う皆を見つめる。

リーラスが気づき、顎をしゃくるので、ローランデはそっ…とシェイルの背を押す。

シェイルは押されてローランデに振り返り、その優しい微笑みに促され、大食堂横の、各部屋に続く廊下へとリーラスの背を追った。

リーラスが二人に振り向く。
「…オーガスタスが“俺に暴れさせろ”と言って皆を引き留めてる。
なんで皆、オーガスタス一人を退学にするなと言い張り、グーデン一味襲撃計画を立てる派と、オーガスタスの指示を仰げと言う一派とで、言い争ってる。

…まあ課題漬けで、鬱憤晴らしも兼ねてるが」

リーラスがローフィスの部屋の扉開け、中へ怒鳴る。
「麗しの義弟(おとうと)君のお越しだ！」

中から凄まじいブーイングが飛ぶ。
思わずシェイルとローランデは顔見合わせ、横向いて場所開けてくれるリーラスの横を通り、中を覗くが、ローフィスに加え三人の四年が書き机の周囲に詰めていて、広い机の上は羊皮紙で埋め尽くされていた。

ローフィスが羊皮紙の山の中、顔上げると、三人はジロリ…！とローフィスを睨む。

「いいか！幾らお前の義弟が美形だろうが、今は見とれてる間も無い！」
「分かってるな?!
もう次は受け取らないと講師に言われてる！
これが駄目だと一課題落とす事になる!!!」
「俺はもう8連続突っ返された!!!」

ローランデは横のリーラスが思い切り深く俯き、長い吐息吐き出すのを聞いた。

「ローフィス！
お前が頼みの綱だ！
席立つ事は許さんぞ!!!」
「そうだ！
大体どうして…義兄の調教時に呼ばない！
呼ばれた奴らは全員まだ余裕だ！」

ローフィスは咄嗟、怒鳴り返す。
「声かけても“勃たない”と断ったのは、どこのどいつだ！」
「糞！」

リーラスは戸口で呻く。
「…ほんのちょっとだけ、余裕なだけだ。
全然余裕なんかじゃ無いぞ」

「嘘付け！」
「ふざけるな!!!」
「酒場に遊びに出られるくらい余裕じゃ無いか!!!」

見つめて来るローランデとシェイルに、リーラスは肩竦める。
「…出す課題全部突っ返されて、殺気立ってる」
ローランデとシェイルは呆れた。

ローフィスは顔を上げ、義弟シェイルの背後にローランデの姿を見つけた途端、にっこり、笑う。

それを見てローランデは怖気、心から逃げ出したいのを我慢し、苦しいながらも笑い返した。
ローフィスは三人に怒鳴り返す。
「シェイルに見とれなくてもいい。
助っ人が二人来たと思えば。
ローランデ。
来てこいつとこいつ。
ああそれからこいつを見て、問題点を書き出してくれ！」
ローフィスが机の上に丸まった羊皮紙を放り投げる。
ばさばさばさっ！

シェイルがつい、背後のローランデを見てすまなそうに呟いた。
「…ごめん…」

が、一人が唸る。
「二年に添削させる気か?!」
ローフィスは怒鳴り返す。
「奴はとっくにこの課題を提出し、済み貰ってる」

ローフィスの言葉に、三人は目を剥く。
「…剣だけで無く、頭もいいのか?!」
「くそっ！優等生なんて、大嫌いだ!!!」
「四年に成ったら遊んで暮らせるじゃ無いか!!!」

「…だろうが、大事な助っ人だ」
リーラスの言葉に三人は一斉に顔上げ吠える。

「助っ人置いて、てめぇは消えろ！」
「目障りだ！」
「とっとと失せろ!!!」

シェイルとローランデは言われるリーラスを見るが、リーラスは処置無し。と肩竦め、二人に背を向け歩き去る。

「…ありがとう！」
ローランデがその背に礼を投げかけるが、リーラスは振り向かぬまま、右手を持ち上げひらひらさせて、返答に代えた。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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 『幼い頃』

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