アースルーリンドの騎士『二年目』 40　孤独の縁 20

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』 40　孤独の縁 20

[★二年目　連載]

2013年5月15日 19時53分の記事

この辺りは丁度、『光の王』が没し

次の『光の王』の降臨待つてる時辺りのようで

『光の王』が在命中だと

庶民も結構、『光の民』を意識するものなんですが

しかも降臨直後だと

結界の張り直しであちこちで拝めるもんですが

丁度一番、アースルーリンドの住民が

『光の民』と縁遠い時期みたいで

ギュンター、見た事も無いでしょう…。

『光の民』？それ、なに？

って感じかも。

ローフィスの父ちゃんみたいに

神聖神殿隊付き連隊とか

光の塔付き連隊なんかだと

まだ割と身近なんだと思います。

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イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)
王冠２

アースルーリンドについて。国の紹介

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「二年目」を最初から読む

が、オーガスタスが横を通る度食堂に詰めかけた三年達は振り向き、一人が
「オーガスタス！」

そう叫んだ時一斉だった。

ぅおおおおおおおおおおおぉっっっっっっっ!!!

凄まじい声が上がり、見送るギュンターはぎょっ！としたが、オーガスタスは横で叫ぶ皆に振り向き、落ち着いた態度で笑う。

一人が叫ぶ。
「グーデン一味を壊滅させられるか?!」
オーガスタスは歩を止めぬまま、叫び返す。
「多分な！」

ぅおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ！

凄まじい歓声の中、始めは小声だった。
その名を呼ぶ声。
が次第に一つに揃い、大きくなる。
「オーガスタス！」
「オーガスタス!!」
「オーガスタス!!!」

揃った声は讃える様に、戸口に足運ぶオーガスタスの背を押す。

オーガスタスは出口迄来ると、開いた戸の前で一瞬、足を止める。
振り向かぬまま、名を呼ぶ声に応える様にすっ！と左拳真上に、振り上げる。

途端、その返礼のように、凄まじい歓声が声高に沸き起こる。

ぅおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！

その声の中、オーガスタスは戸口から姿消し、が歓声だけはいつ迄もオーガスタスを見送る様に、轟き響く。

ギュンターが惚けてその光景を見つめる。
ダベンデスタが拳振り上げ叫びながら横に来て、拳下ろしギュンターに告げる。

「皆、オーガスタスに期待してるんだ！
グーデンの奴らと来たら！
平貴族だととことん、馬鹿にしてかかる。
オーガスタスは俺達同様平(ひら)だ！」

「…奴は平貴族の、期待の星か？」
ギュンターの問いに、ダベンデスタは嬉しそうに笑った。
「超特大のな！」

そして、オーガスタスが消え去った、開いた扉見つめ再び腕振り上げて雄叫ぶ。
「オーガスタス！」

ダベンデスタの叫びに続き、幾人もがその名を吠える。
「オーガスタス!!」
「オーガスタス!!!」

ギュンターがふ…と見ると、食堂の隅でシーネスデス一味が、顔腫らしたシャリアンを背に庇う様に隠し、項垂れていた。

シーネスデスの…テーブルの上に置かれた握り拳が、微かに震っている。
そして…配下の男達は皆、怪我人のようだった。

シーネスデスは気づいた様に顔上げ、視線の主、ギュンターを真っ直ぐ、見る。
がふい。と顔逸らした。

ギュンター相手なら喧嘩は出来る。
が…オーガスタスは余程、怖いらしかった。

シャリアンが背後からシーネスデスに何か、囁いている。
シーネスデスはシャリアンと早口で話し、頷いていた。

オーガスタスはどうやらほぼ一通り、叩いたようだ。
奴らに殆ど、打つ手は無い筈だ。

が、シャリアンは顔腫らしながら見つめるギュンターに視線振ると、にやり…！と笑って見せた。

ギュンターはほっ。と吐息吐く。
奴らの『グーデン様』
は切り札の『退校』を持っている。

お前やオーガスタスのような平貴族を処分するのは、訳無いぞ。
そんな笑みだと、ギュンターは悟った。

ダベンデスタが気づいて、ギュンターに振り向く。
「…気にするな…！
いざとなれば、卒業したディアヴォロスが絶対！
何とかしてくれる!!!」

ギュンターはその希望的観測に吐息吐いた。
「…オーガスタスはそうかもな。
だが俺はディアヴォロスとは、一面識も無い。
顔すら浮かばない」

ダベンデスタはそれでも、笑った。
「あっちは多分、知ってる。
なんたって“光竜”身の内に宿す、千里眼だ!!!」

「…………………………」
『光の民』にすら会った事の無いギュンターは、おとぎ話に近い『光の国』の光竜が、どれだけの力があるかも見当付かず、再び長い吐息を吐き出した。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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 『幼い頃』

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