アースルーリンドの騎士『二年目』43　学年無差別剣の練習試合、表彰式 35

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』43　学年無差別剣の練習試合、表彰式 35

[★二年目　連載]

2013年8月30日 16時12分の記事

ギュンターとオーガスタスの

二人きり入浴シーンですが…。

この二人では絶対、色っぽい展開は

望めません…。

世間では…昔なら絶対色々妄想したでしょうね…。

実情知ってるので、作者、爆笑物で

妄想も出来ません…。

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王冠２

アースルーリンドについて。国の紹介

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「二年目」を最初から読む

　
　オーガスタスがギュンターの部屋の扉開ける。
途端、剣がびゅっ！と音立てて首を襲い、オーガスタスは瞬間頭下げた。

ギュンターが、剣振りきったまま目見開いて固まり、オーガスタスは頭思いっきり下げて、そんなギュンター凝視した。

「……………………………」
「……………………………」

ギュンターは構えといて剣下げ、オーガスタスは頭上げ、のそり、と室内へ歩運ぶ。

そして互いを見ると、二人同時に口開いた。
「まさか戸が開くと思って無くて…」
「ノックせず突然入って、悪かったな」

二人は互いを顔上げて見、そして同時に、やれやれと吐息吐き出し、かつてディングレーのものだったでっかい寝台に、やはり同時にかけた。

直ぐ、オーガスタスが唸る。
「無茶するなと、言ったろう？」

ギュンターは俯く顔揺らし、ぼそりと言った。
「どの程度痛まないか、つい試してたら…」
「大振りになった？」

オーガスタスの問いに、ギュンターは頷く。
「今夜は、でどうする？」
ギュンターは顔上げて、横のオーガスタスを見る。

「あの後、スフォルツァが来て明日は舞踏会に出るから、今夜はいいとアスランが言ってた。と告げられて…」
「振られたか」
「…酒場に行きたい。と言ったら、どうせあんた、止めるだろう？」

オーガスタスに、ジロリ…！と見つめられ、ギュンターは咄嗟、顔下げる。
「明日の舞踏会に、出なくて良いなら付き合うが」

ギュンターが顔上げる。
「今夜動いたら明日は駄目か？」
当然だ。とオーガスタスがたっぷり頷くから、ギュンターは吐息交じりに寝台の下のチェストから、銭湯用の布を引っ張り出した。

「風呂の後、また薬塗ってやるから、大人しく寝てろ」
「夕飯は、三年宿舎で取るか？」
聞いてやると、オーガスタスはたっぷり笑って
「宛てがある」
と言うから、二人は同時に寝台から尻持ち上げて、戸口へと歩いた。

チャプン…。
湯船の中でオーガスタスは
「まだ腫れてるな…」
と肩揉んで来るから、ギュンターはひどく痛んだ右腿を揉んだ。

「…ローランデ相手に…牙剥いてたって、同様だろう？」
ギュンターの声が掠れていて、オーガスタスは呆れた。
「もっと受け身が間に合ってた。
お前…迷いまくってただろう？
試合、終わらそうかどうか。
ローランデ相手に、あんな中途半端な気持ちで、受け身が間に合うだけ奇跡だ。
これだけ筋肉痛がひどくて、当然だ」

ギュンターは襲いかかる度、がつん…！と手首に衝撃走る、重い一撃思い浮かべた。
が、直ぐ横で肩揉んでくれるオーガスタスの体が間近で、風呂場でこれ程近寄った事無くてつい、オーガスタスの肩や胸の古傷見つめる。

「…傷だらけだな…あんた。
間近で良く見ると」
が、オーガスタスもギュンターの、湯から出てる上半身見つめた。
「…お前だって、消えかかってる古傷だらけだ」

二人はまた、顔を見交わした。

ギュンターが、俯くとぼそり…と言う。
「やっぱ傷負っても、ロクに手当て出来ず
『痛い』とか呑気に、休んでられなかったか？」

聞かれてオーガスタスは、立て続けに訓練と称し、滅茶苦茶に打たれ、傷負い続けた奴隷宿舎思い浮かべ、当然だ。と頷く。

ギュンターは領地襲った盗賊や、旅先で出会った盗賊思い浮かべた。
怪我で済めばめっけもの。
命があるだけ、御の字だった。

殺された者らの死体集め、弔いの準備に明け暮れ…兄貴はもっと深手負ってても…死んだ仲間の死体引きずり、弔う為に働いていた…。

痛い。なんて…言ってられなかった…。

オーガスタスは気づいて、そっと囁く。
「…だからと言って、傷の手当ておろそかにして、良いという言い訳にはならない」
ギュンターは俯いて、あいまいに首、揺らした。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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 『幼い頃』

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