アースルーリンドの騎士『二年目』44　大公家大舞踏会　22

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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『ファントレイユとの出会い』
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アースルーリンドの騎士『二年目』44　大公家大舞踏会　22

[★二年目　連載]

2013年10月5日 18時45分の記事

シェイムがギュンターの面倒見ていますね。

どっちも女性に取り囲まれそうですけど（笑）

新章です。

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イラスト入り登場人物紹介(まだ全部じゃありませんが…)
王冠２

アースルーリンドについて。国の紹介

恋の矢

「二年目」を最初から読む

　そろそろ舞踏会場へ…。と召使いに促され、皆ぞろぞろと移動して行く中、横に来るシェイムに、ギュンターはそっと尋ねた。
「ニーシャはディアヴォロス目当てらしいから、もう安全だろう？」
が、シェイムは憮然。とギュンターを見る。
「あの方を甘く、見過ぎです。
舞踏会終了後に見目いい、浚われても差し支えない身分の男性が、毎年数名消えるんですから」

「………………………」
ギュンターは思い切り言葉に詰まり、厳しい表情のシェイムを見つめた。
「アイリスにきつく、言われている。
自分のご招待した方の中から、行方不明者は出さないように。と」
「…大公家だから、それでもお咎め無しなのか？」
つい聞くと、シェイムはギュンターをじっ…と見た。
「…女性に…しかも大層色っぽい美女に、情事をする為閉じ込められたと…男は名誉に関わるので公言は致しません。
大抵の男は、体調を崩したので別宅で療養していた。と誤魔化します」

それを聞いてギュンターは、思いっきり顔を下げた。

45　華麗なる円舞

　武闘会場はやたら広く、二階分はある高い天井に豪華なシャンデリア。

赤と金が基調の、だが浮つかず重厚な装飾。
調度品も見事で、ギュンターはつい、手の込んだ小テーブルの上の、金の鳥の彫刻の前でただ呆然と見つめ、背後で足止めるシェイムに囁く。
「…こんなに無造作に飾っといて、盗られたりしないのか？
…それともこれはただのメッキか？」
シェイムは微笑った。
「本物ですよ」
目だけ見開き振り向くギュンターに、シェイムは苦笑した。
「…大公家の舞踏会で盗む者は限られ、警護がさりげなく控えてますから、目を光らせ盗った者から奪還します」
「…どうやって？」
シェイムはまた、微笑む。
「警護の皆は招待客全員の顔を知っています。
万が一招待客の中から盗人が出れば、大変不名誉な事に成る。と皆、知っているので致しませんが、それでも盗む、若く物知らずで傲慢な男が居れば…その上の者へ、通達が走ります。
取引材料に使われ、品物は帰って来ない場合もございますが」
「取引？」
素で尋ねるギュンターに、シェイムは悪戯っぽく微笑った。
「…盗品を贈り物とし、大公家のお力に成って頂く取引です」

ギュンターは暫く、その年上の美男を見た。
ほんの少し…自分より背が高かった。
丁重な物言いと物腰だったが明らかに…自分より迫力があった。
「…なる程」

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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 『幼い頃』

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