アースルーリンドの騎士『二年目』 63　拉致　1

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』 63　拉致　1

[★二年目　連載]

2015年6月7日 16時0分の記事

セシャルを連れ去ったコルスティン配下を

たった一人追うローランデ…。

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63　拉致

　ディングレーはアイリスが道を外れ、丘を駆け下りて行く様を横目で睨み、教練宿舎に馬の首を向けてひた走る。

林の中に入ったその時、突然木の横から突っ込んで来る一騎に気づく。

咄嗟手綱を引いて間一髪、衝突回避し、顔上げて見るが銀色の髪が靡き、その馬は再び、突進しようと馬の首をこちらに回す。

二メートル程の距離で手綱繰り、正面きって見据える、長いサラリとした銀髪の主を馬上に見つけ、ディングレーは顔が揺れるのを自覚した。

「(…アルシャノン！)」
今は卒業した、グーデン配下の凶暴な男…！

アルシャノンはディングレーの瞳が驚愕に見開かれたのを見ると、ニヤリ…！と笑って馬の首を再び回し、背を向けて駆け去る。

「…待て!!!」
咄嗟、ディングレーは吠えていた。

そして黒光りする愛馬にあいつを追え！
と“気”を向けると、愛馬は一瞬にして前足振り上げ向きを逃げ去る馬へと変え、誇り高き主乗せ一気に、駆け出した。

　ローランデが目前、走り去る三騎に追い縋る。
三人のコルスティン配下は、ローランデの馬が斜め右横に併走するのに気づく。

一人が遮二無二飛ばしてローランデの横に来、剣を、抜いて振る。

すかっ！
振った男はすかされ、ローランデが身を前に低く倒してるのを見た。

どかっ！
瞬間ローランデがその男の胴目がけ、素早く上へ飛び上がり右足を鞍の上に乗せ軸にし、左足で蹴り飛ばした。

馬上の男は横に吹っ飛び、そのまま馬から落ちてもんどりうって気絶する。

もう一人が、手綱を繰ってローランデの馬の前へと、邪魔しに進路へ左から飛び出して来る。
ローランデはしなやかに馬の首横に回し、邪魔しに来た男と反対。
右へと馬の首回し避け、気絶したセシャルを鞍に乗せる男の真後ろに付く。

外へと大きく膨らむ、ローランデを邪魔しようとした男は、慌てて手綱を引き戻し、ローランデの背後へと拍車かける。

ばっ！
斜め後ろに付いたその男目がけ、ローランデは咄嗟砂を投げる。
砂粒が目に入り、男は目を瞑った途端、馬は蛇行して隊列から大きく遅れ、置いて行かれた。

セシャルを乗せた男は背後に振り向く。
がもう、ローランデは横に併走していた。

男は咄嗟、手綱引き馬を、止める。
そして馬から降りて怒鳴る。
「お前が生徒に、訓練以外剣が振れないのは知ってるぞ！
喧嘩なら、お前なんか伸せる!!!」

ローランデも咄嗟、手綱引いて馬を止め、瞬時に飛び降り怒鳴る男へと、突進して行く。
男はローランデめがけ、待ち構え拳振りきる。

どっ…!!!
拳に当たらないばかりか、胴に肩で激突され、男は後ろにつんのめった。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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 『幼い頃』

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