アースルーリンドの騎士『二年目』 63　拉致　13

オリジナル小説「アースルーリンドの騎士」
「二年目」のミラーサイトに成っちゃいました。
昔はこっちが本家だったんですが………。

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アースルーリンドの騎士『二年目』 63　拉致　13

[★二年目　連載]

2015年6月22日 23時20分の記事

皆が襲われていた、その時。

実はシャクナッセルもが…。

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　シャクナッセルは、その足音を聞いた。
乱暴に踏み込む、無数の足音…。
「お前ら…!!!」

デルアンダーの召使いの叫び声がした後、直ぐにどっ!!!
と物に当たる激しい音がし、その後…扉が開いた。

「よう…。
こんな所でいい思いしてたのか…？」

四年グーデン配下筆頭、竜のようにごつい男、ダランドステ！

シャクナッセルは椅子にかけたまま固まり、喉をごくり…と音立てて鳴らす。

直ぐに入ってた来たその大きな四年の男に腕を引かれ、シャクナッセルは椅子から腰を浮かす。

そのまま凄い力で引っ張られ、シャクナッセルはヨロめきながらダランドステに腕を掴まれたまま部屋を出る…。

その室内には、彼を護ろうとし殴られた、デルアンダーの召使い達が二人…。
顔を腫らし倒れ込み、それでも顔を上げ、シャクナッセルを連れ去ろうとする男の足に、縋り付き止めようとしていた。

ダランドステは足に巻き付く力無い腕を、笑い、足を浮かせそして…蹴りつけようとする。

「！駄目です！私は貴方に従います！
だからもう、彼を傷付けないで…!!!」

シャクナッセルの叫びにダランドステは振り返る。
シャクナッセルの濃紺の…痛みに溢れた瞳を憮然。と見、足を激しく振って絡む腕を振り払うに止め、そのまま…シャクナッセルを、引き立てる。

「シャクナッセル様!!!」
デルアンダーに忠実な…その召使いはそれでも立ち上がろうと床に手を付き…けれどシャクナッセルは、振り返り首を横に、振った。
「私は、大丈夫ですから…」

召使いの瞳が、みるみる内に潤む。
その涙にシャクナッセルは心打たれた。
「(優しい…あの方(デルアンダー)同様、私に気遣いを見せ…いつも…柔らかな態度で世話をしてくれた…。
それだけで、十分ですから…)」

だが、ダランドステが腕を引き、シャクナッセルは彼が軽傷である事を祈り、その、部屋を出る。
安全で安心で…優しい人達に囲まれ…そして憧れの、デルアンダーを毎日…身近で見つめることの出来た………。

心暖まる特別な…空間…。

だが共通の居間に出ると…殴られた三年大貴族一人とその召使いニ・三名が倒れ、ダランドステの…10人は超える仲間達は、シャクナッセルを憮然。
と見つめ、頷いてダランドステに続き、退出し始める。

シャクナッセルは引っ張られながら、自分を拉致されない為に戦ってくれた…男達に、すまなげに視線を投げ…三年大貴族宿舎を、後にした。

つづく。

今日も読んでくれてありがとう

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