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くる天
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TALES OF  NIGHTINGALE
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〜〜真実が浮かび上がるのは、夜。見つめるのは、ナイチンゲールの瞳。〜〜
「TALES OF NIGHTINGALE」にお立ち寄りくださいましてありがとうございます。当ブログでは、真実を見つめ続けるナイチンゲールの視点を借りて時事政治経済、フィギュアスケートなど関心のありますことについて硬軟問わずネットの森の片隅で語っております。
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つなぎという要素  〜2010年 バンクーバーの光跡 ?〜
 
2010年10月2日 17時16分の記事

            (掲示板公開分再掲(一部補足改訂))

FPでプルは得点源であるジャンプで点数が伸びなかったのが銀の直接の原因ですが、最大の誤算はぶっちぎりのはずのSPで後続のふたりに食いつかれたことでしょう。そういう意味でSPは彼が自らの戦略を顧みる最後にして唯一のチャンスでした。SPで引き離せなかったからこそ、彼はそこから学んでFPにダメ押しとなるジャンプをもう一本入れるべきだった。しかし彼はそうしなかった。何故そうしなかったのか、おそらくスタミナの問題で入れられなかった、というのが正直なところではないかと個人的には思っていますが、それならば尚更トランザクションをおろそかにすべきではなかった。そこを読み違えたのが彼の最大の誤りだったと思います。
トランザクション----ジャンプの重要性を訴えるためにあえてそうしたのか、あるいは単に現行ルールに対応しきれなかったのか定かではありませんが(個人的には前述したように体力的な問題で捨て駒にするしかなかったのだと考えていますが)、個々の要素はすばらしいのに、それを繋ぐ部分がおろそかになっただけで演技がブツブツ断片化するというか、流れを失うというか、プロ自体がまるで空中分解したようにこうも統一感を欠くのかと驚かざるをえませんでした。”つなぎ”とはよく言ったものです。彼のFPは、静止する場面も多くて、なんだかその度に”え〜と、次なにやるんだっけ?”と思い出しながら滑っているような印象かあってお世辞にも良く練られたプロ、とは思えなかった。むしろ、完成度が低かったとはいえクワドを入れられるほどジャンプスキルが高かっただけに他の要素のお粗末さとのギャップが一層際立つ結果となり、最もつなぎを軽視した彼の演技が、その重要性をはからずも浮き彫りにしてしまったのは、本当に皮肉というしかありません。神には神でいてほしかったけど、こんな演技で勝ってほしくはなかった。誰よりもプル自身のために。
バンクーバーで、彼は”クワドの神”ではあったけれど、”フィギュア男子シングルの神”ではなかった。でも彼はそれをイコールと取り違えてしまった。彼が今回参戦するにあたって、”我は法なり”と思ったとは思わないけれど、クワドを過信するあまり、冷静な状況分析及びそれに基づく戦略の構築ができず、天賦の才能にもかかわらず、というよりその天才がゆえにつなぎという盲点をつかれ、自ら勝利できるチャンスを自ら握りつぶしてしまったというのが、今回の銀という結果ではないかと思っています。

演技全般を通じて、どれほどおちゃらけていてもいざジャンプの助走に入ると、まるでカチッと型取りされた枠にはめ込む音が聞こえそうなほどの踏み切りまでの一連の動作の同一性にはさすが、と舌巻き巻き状態でしたが、願わくばもっと”本気”の彼が見たかった。演技を終えた後、しばらく動けないような渾身の演技が。
個人的には、おそらく全力で取り組めなかったこと自体、彼の限界を指し示していたと考えていますが、あの異次元4−3が見られて満足と思う反面、メダル目指して目の色変えている現役の選手たちを"冷やかしに来た"といった感が最後までぬぐえなかったのもまた事実です。実力が拮抗していればしているほど、最後は精神的な部分が勝負の行方を左右すると常々思っていますが、そういった意味ではライサに敗れたというよりもほかならぬ彼自身の”油断”によっておのが足元をすくわれてしまったのではないかと考えています。



今も、演技終盤、こみ上げる歓喜を必死に押さえ込みながら、まるで”れーせーに れーせーに 最後の1ステップまでれーせーに”とお題目でも唱えていそうな圧力鍋状態のライサの生真面目な顔と、SPを滑り終えて観客の拍手を目を閉じて気持ちよさそうに浴びながら銀盤を横切るプルの顔が時折脳裏に浮かびます。

そして、心の中にはシエラザードのメロディが低く流れ続けています。

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フィギュアについては、個々の選手およびフィギュアというスポーツの特性についても取り上げてみたいと思っておりますが、個々の選手についての記事につきましてはなるべく客観的に捉えて生きたいと考えておりますので、ファンの方にとりまして耳あたりのいい話ばかりにはならないと思いますので、ご贔屓選手については賞賛コメントしか受け付けないという方がおられましたら、その選手についての私の記事はどうかスルーでお願いいたします。文中敬称略にて書かせていただきます。
なお、著作権は”TALES OF  NIGHTGALE”に帰属しております。無断転載等はお控えください。
以上、よろしくお願いします。


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