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くる天
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四国デマ新聞に見るデマ師の系譜 〜岩見隆夫の場合〜
[”民主主義はタダでは手に入らない!”政治・経済・デタラメディア]
2012年10月28日 18時21分の記事

常々、党利党略しか頭になく、口を開けば解散の二文字しか言わず、ねじれをいい事にゴリ押し醜態の限りを尽くしている自民ほか野党だが、腐っているのは何も野党ばかりではない。本来その厳正なるチェック機関であるべき自称メディアもまた、デマゴーグとしての醜態の限りを晒すに暇がない。そのいくつかを、普段デマ紙ぶりを遺憾なく発揮している四国新聞から拾ってみる。

まず、岩見隆夫 「漂流政治」(2012年10月3日1面) 。

この御仁は再登板を目論む安倍氏に、

「「5年早い」と言ってきた。」

そうだ。その理由は要約すれば、

”安倍氏が悪い例を作ったかのように以来、以降政治が甚だしく劣化したから。”

しかし、その失敗に終わった前回に鑑み、

「再びの登板は自重すべき。」

とならずに

「「5年早い」と言ってきた。」

になるのがこの自称専門家ならではだろう。
仮に政治が「安倍以降政治が甚だしく劣化した」のならば、質的変化を伴わない限り、当然安倍氏もその劣化の責任の一端は問われて自重するのが自然の流れであり、代表候補・首相候補から彼を除外する理由にこそなれ、担ぐ理由にはならないはずだが、この岩見某は、担ぐ理由としてそれを上げ、他方本来説明が要求される質的変化には一切言及がない。
完全に提起と結論の齟齬であり、その倒錯は覆うべくもないが、そんな事にはいっかなお構いなしで話は進む。

少し詳しく見ていくが、何故あと5年なのかと言えば、「自粛・充電のため」(笑)だそうだ。
安倍氏以降、政治が甚だしく劣化したにもかかわらず、その原因の検証や前回首相時と安倍氏がどう変わったのかの根拠にあたる部分も一切を脱落させたまま、何故かあと5年経てば担ぎ出し可能だとこの岩見某は訴える。
充電と自粛、いかにももっともらしい言葉を連ねてはいるが、そこに”ほとぼりが覚めるまで待つ”(笑)以上の意味はおそらくない。
どんな会社でも不祥事あらば組織のヘッドである社長は責任を取って辞め、返り咲くのは余程の変革あるか、あるいは、日本社会に深く浸透している、なあなあのなれあい体質かそれに類する腐りきった組織の場合に限る。
そして安倍氏における、その”余程の変革”について何らの言及もない以上、再登板の理由は後者と取られても文句は言えまい。

このデマ師の迷走はそれだけに止まらない。

岩見某はまた言う。

入院した町村氏を除く候補のなかで阿倍氏が最も代表に適任だと思うのは、それ以外の候補が、

「まだ首相をイメージしにくい。」

からだそうだ(笑)。

イメージは所詮イメージに過ぎず、実体を伴っているとは必ずしも限らない。実体から大きく乖離していることすらあるのが、イメージだ。
ここでそのイメージという言葉が出てくること自体、この岩見某の主張が、客観的な整合性や説得力を悉く欠いているのまさに象徴とも思えるが、噛み砕いて言えば、「イメージしにくい。」というのは、評論家や専門家にあるまじきロジックの抜け落ちたこの岩見某の単なる主観・印象の域を出るものでは決してなく、それらが、万人の納得や検証に耐えうる説得力のある論理性・合理性を持つ論述とは対岸にある物であることはもはや論を待たない。
お店の売り場で居並ぶ商品をざっと見渡して、店員に詳しい説明を聞くでも取説でスペックを確認するでもなく、なんとなく直感でこれが一番立派そう!という基準で冷蔵庫や洗濯機を購入するのとあまり変わらない判断という事だ。

冷蔵庫や洗濯機でもイメージだけで選ぶのは大きな賭けになる場合もあろうだろうが、まして首相という国のトップを、そんなイメージ先行で選ばれたらたまったもんではないと思うのは私だけか。

しかるにこのバカは、キョンキョンの歌ではないが、「イメージが大切よ!」と言って憚らない。これがバカでなくて何がバカ?

そのイメージ先行の補強として更にこの岩見某はのうのうと続ける。

「政策通とか、話術にたけているとか、世間受けがいいとか、そんなことも軽視はできないが、肝心なのは人間的な成熟度だ。そろそろいいかなぁ、と思わせるものがないと、首相候補として及第点は出せない。」

おそらくこの輩にとっては、前回アメリカ大統領で、オバマ氏ではなくマケイン氏が一押しだったのだろう、それが”成熟”と呼べるかどうかは別にして、単に年を食ってる分、見かけ上の成熟度でいけば、年若いオバマ氏がマケイン氏に及ぶ道理はない。が、それが大統領を選ぶ基準として適当か否かは全く別の話である。

そしてその理性的な判断欠落は次の文章で決定的なものになる。

「そろそろいいかなぁ、と思わせるものがないと、首相候補として及第点は出せない。」

念のため断っておくが、別に文芸コラム(笑)やガーデニング欄(笑笑)での記事ではない、れっきとした地方紙一面を飾る、政経に関連しての記事である(笑)。
私はこの一文を読んで目が点になったクチだが、おそらくこの御仁に取って首相の選択というものは、リンゴやミカンの収穫と(笑)さほど変わらないのだろう、大笑いではある。

この御仁の人間の成熟度を見極める能力がいかほどのものか、勿論知る由もないが、この記事のお粗末な話の展開から見てそれほどの炯眼があるようにはとても思えない。
また、「首相とはイメージだ!」(笑)という、深い信念をお持ちの岩見某には申し訳ないが、およそ理性とは縁遠い(笑)、セールスで駆使されるイメージ戦略や、果物の収穫で駆使される見た目の成熟度で首相を選ぶべきでない事は、社会科学的には論を待たない。そんなものはロジカルな理性的判断とは全く相容れないものだからだ。

上記岩見某の主張とは反対に、首相選出においては、成熟度なる個人の主観や趣向に左右されがちなあいまいなものよりも、政策を知悉している事や説得力がはるかに重要だ。なぜならば、それらは論理的で理性的な判断基準であり、また首相の資質として当然要求されてくるものだからだ。

百歩譲って、仮に「成熟度」(笑)なるもので首相選出の指標になるとして安倍氏は「成熟」しているのか。

今回の自民総裁選のどの候補も似たり寄ったり、政権投げ出しという失態を演じていないだけまだ安倍氏以外の候補のほうがマシ、「成熟度」という尺度を用いても真っ先に脱落すべきは安倍氏に他ならない、というのが個人的見解だが、なぜか、この御仁にはよりによって、政権投げ出しという失態を演じ、領土問題でぎくしゃくしがちな近隣諸国との関係もものかは、それらの状況を一切斟酌せず、単に大衆受けしそうな威勢がいいだけの主張を繰り出す安倍氏が最も成熟していると見えるらしい。
そして、その「成熟度」が指標になるというなら、そう考える具体例根拠を示す必要があると思うが、岩見某の印象以外にそんなものはどこにも見あたらない。

「その点、安倍さんは難点はあっても、首相経験者としての安定感がある。」

安定感(笑)。首相経験を重視するというなら、何も好き好んであんなお粗末な顛末に終わった安倍氏を担がず、それこそあの修羅場でも倒れず踏ん張った菅氏を推挙したらよさそうなものだ。
少なくともおぼっちゃま君な阿倍氏よりは余程ホネがあるうえ、自民に必定の利権との癒合がない分、遥かにこの岩見某の理想に合致する。

参考までに、個人的には、安倍氏は、小沢氏ではなくその小沢氏を陥れようと画策した本当の黒幕が操縦する傀儡にはもってこいではあっても、大局を見据え断を下すには全く適任ではない、その全く”使えない”部類に属する。

5年経とうが100年経とうが使えないものは使えない。

しかるにこれら全ての矛盾を投げ打って(笑)、この自称専門家のイチオシは安倍氏である(笑)。実体を必ずしも忠実に反映しているとは限らない、イメージのイメージたる所以に依拠する文章展開を憚らないデマ師ならではの物言いではある。
一応、「ポピュリズムの匂いもする。」との一文はあるものの、要するにこの文章の目的は、安倍氏再登板を最優先で企図し、安倍氏の資質を冷静に吟味することなく、読み手に安倍氏を

「そろそろいいかなぁ」(大笑い)

と思ってもらうための、根拠なき印象操作に他ならない。
いかに尤もらしい言葉を書き連ねようと、そこに某かの恣意または魂胆が最初に存在していれば、特に政治の場合、それは格式ある評論などではなく、単なる大衆煽動を目論むデマに堕する。

そもそもこの記事は、

「再登板がおかしいのではない。」

という文章から始まる。この、多選については、その弊害から、法律等で制限・禁止している国も多いが、その牽制から始めているところに、この自称政治評論家の恣意が滲み出ているのであり、眉に唾は必須だ。

「国民本位の有為な人材なら、三度でも四度でもやってもらいたい。」

で決定的だが、

「再登板がおかしいのではない。国民本位の有為な人材なら、三度でも四度でもやってもらいたいが、安倍氏は果たしてその器だろうか。」

とあるなら、まだ幾ばくかの思慮やフェアネスは期待できる。しかし、「国民本位の有為な人材なら、三度でも四度でもやってもらいたい。」とある以上、今回の総裁選においてこの条件に合致する唯一である安倍氏が、「その有為な人材に他ならない。」以外の着地は事実上不可能だ。

その意味で、このイントロは「私はある特定の意図を持ってこの文章を書いています。」という宣言に等しく、その宣言に違わない内容に鑑みれば一種象徴的ですらある。
最初に安倍氏推挙の結論ありきで起点し、ある特定の目論見のもとに書かれている以上、安倍氏という結論が何の整合も見せず乖離しているのも当たり前といえば当たり前だ。
言うまでもなくこのコラムはそのまぎれもないサンプルであり、秋の夜長の無聊を慰める余興には向いていても、政治を判断する材料としては読むには全く不適だ。
要するにこの文章は、安倍氏は総理に相応しいという刷り込みを企図したものに他ならず、この文章を読んだ人間が、なんとなく(笑)安倍氏が成熟しているように思ってもらえればこのデマ師の目的は達せられる事になろうが、あまりにも文章が矛盾と稚拙を極めているがために、この岩見某の思惑とは裏腹に、安倍氏が総理としての資質に足りてない、少なくとも説得力のある説明になっていない(笑)のは今見たとおりである。

「早晩選挙になる。」

と自称専門家のご他聞に漏れず、この岩見某も解散に色めき立つことしきりだが、自民や公明が取る解散一点張りに対するそれが妥当か否かの問題意識はかけらもない。
それだけでもこのデマ師が如何に本来評論家や専門家にあるべき問題意識が欠落しているかのこれ以上ない証左であろう。

「本当に〈強い〉とは何か。6年前、安倍さんは〈美しい日本〉を掲げたが、それとどう調和するのか。しっかり語ってほしい。」

でこの迷文は締めくくられるが、語るも何も、本当に安倍氏が美しい日本を目指すならば、総裁選や総理の器がどうのよりも真っ先に問われなければならないのは、本当に美しかったかどうかは別にして、まがりなりにも山海の恵みに溢れたこの国を、安倍氏の主張とは全く裏腹に、放射能によって致命的なまでに汚してしまった張本人の筆頭である安倍氏らの属する自民一党独裁長期政権の責任である。
しかるにそんな事はあたかもなかったかの如くの書き連ねられているのが岩見デマ師のこの記事だ。
実際、もし昨年の原発破綻を知らない人間がこの文章を読んでも、その深刻な事故があった事を認識する事はおそらく難しい。
そんな現状認識の偏った文章が公正を実現している事はまずない。自民だけでなく、このデマ師の頭もまた、皮相で屈曲した言論の海を漂流し続けて止まる事がない。

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