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四国デマ新聞に見るデマ師の系譜 〜田勢康弘の場合〜
[”民主主義はタダでは手に入らない!”政治・経済・デタラメディア]
2012年11月11日 17時57分の記事

さて岩見某に続いて今回は、政局専門デマ師筆頭後藤謙次と並んで、この押しも押されもしないデマ紙である四国新聞における自称政治評論家、その実日和見御用物書き田勢康弘氏による代表選コラム(2012年9月17日1面(引用部分全て同じ))を取り上げてみたい。

最初に氏は、自民・民主両党の代表選を比較して、

「民主党も代表選を行っているはずなのに、テレビで見る機会は自民党の半分もない。」

とするが、それはメディアの偏向の問題であって別に民主の問題ではない。しかるにこの田勢某はその原因を、

「民主党はもっと知恵を絞るべきだったと思う」。

とし、より具体的には、

「野田首相の再選が確実だから、テレビ局は飛びつかない。〜(中略)〜民主党に少しでも関心を持ってもらいたいと思うなら、あるいは、選挙で少しでも議席減を食い止めたいと思うなら、なぜ、人気のある細野豪志環境相を対抗馬にしなかったのか。」

果たして新聞とあわせ今や自称メディアの極みと成り果てているていたらくテレビ局の取り上げ方を物事の価値判断の指標としていいか、というそもそもの疑問については後述するとして、まずこれを、この田勢某が、細野氏が真に総理候補に相応しいので立候補すべきと考えていると見るべきか、あるいは、相応しいかどうかは別にして選挙向けのパンダとして立候補すべきだったと見るべきか。

「選挙で少しでも議席減を食い止めたいと思うなら」

とあるし、仮に、細野氏擁立が、その資質に基づくものであるなら、「人気があるから」(笑)という文脈はありえないのでおそらく後者だろう。

その論理は正しいのか。

答えは否だ。

娯楽興行なら客の入りを気にしなければならないが、政党の代表選は、公開であるとは言え、第一義的には党の代表を選ぶための党内人事であり、別に顔見世興行でもなければ、呼び込みのチンドン屋のパフォーマンスでもない。

与党にある場合その代表選が、国のトップである総理の選出に直結するが、であればなおさら、人気取りや耳目集めのためでなく、国のトップとして要求される資質を備えた者が立候補し、その思い描く国のあり方を主張し、論戦を戦わせるための場として代表選があるべきであり、決して耳目集めやまして票集めに目的化して行うべきではないと私は考えるが、この田勢某にとっては客寄せ興行の意味合いのほうがそれらの本来的な目的よりもはるかに大きいらしい。
そして、上記の意味では小策を弄してデマゴーグに走らなかった民主は、本分を弁えているとして評価すべきであると私は考えるが、この田勢某は耳目が集まらなかったという理由でそれを批判しているのである。

間違っているのはどっちか。

言うまでもなく田勢某のほうだ。

人気さえあるなら例え総理の器でもない人物だろうがなりふりかまうことはない、それを引っ張り出して耳目を集めろという事は、この国のトップの選出を兼ねる選挙を、客集めのための面白おかしい一種の見世物にしろと言っているに等しく、枝と幹の転倒に他ならない。
それが更に内容のある代表選に結びつくなら意味もあろうが、政治において人気や耳目の多寡と資質の深浅は基本的に何の因果関係もない。むしろ、耳目を集める事を目的化すれば、政治はたちまち衆愚に堕するのは、今更言うまでもない。それでなくとも、凡人にはできない問題の本質的を見極める素質に優れているがゆえにそれらを理解できない凡人の感情的な反発を食らってしまう事さえあるのがこの国だ。

耳目を集める政治が必ずしも賢明な政治とは限らないということだ。

自称メディアに煽られて仮に国民が代表選に目新しさやサプライズを求めているのであれば、おかしいのは、代表選にそんなものを求める国民のほうである。

そもそも冒頭に書いたように、デタラメの極みにあるこの国の自称メディアにおける露出の多寡が、問題の重要性やその価値の高低とは全く無関係であり、そこにおける取り扱いは、物事の価値判断を損ないかねないまるであてにならない道具でありこそすれ、信頼に足る明快な羅針盤にはなりえず、真っ当な評価を下そうと思うならば、決してその物差しを用いるべきでない、ほとんど禁忌である事は、大震災後一年以上が経過した今、ある程度この国の報道を知る者ならば、ほとんど周知の事実であるが、井の中のデマ師はそんな事は知る由もないらしい。
この人間の民主代表選への批判は、その代表選の欠陥ではなく単にこの自称専門家の資質のお粗末さをこそ露呈しているに過ぎない。

仮に、最初に排除した選択肢、この自称専門家が細野氏が総理に適任だと思うのであれば、その根拠について言及しなければならないが、さすがは類は友と言うべきか(笑)、先の岩見デマ師同様、そんなものはどこにも見当たらない。
あるのはただ、細野氏が「人気者だから。」(笑)という、デマゴーグの王道をゆくお粗末な理由のみなのである。

ちなみに細野氏の資質についてこの機会に一言だけ付け加えるとするならば、私は彼が総理の器に相応しいと思った事はこれまで一度もない。
国民受けがいい事や上意下達で命令を忠実に実行する手足としての能力と、国のトップとして大局を見据え、最善の判断を下す頭(かしら)としての能力は全く別物であり、細野氏が前者には長けていても後者は全く未知数であり、少なくとも現段階で細野氏に彼でなくては語れない国家ビジョンがあるようにはとても思えない。
その意味では、党内の融和を慮って出馬を踏みとどまった細野氏の判断もまた評価されるべきである。

だいたいこうデマ師に限って、仮に細野氏が立候補して党内を二分するような事にでもなればにここぞとばかりに亀裂だ分裂だ、と騒ぎ立てると相場は決まっている。もともとそういう政局についての思考しか持たず、それを政治の本分とする過ちを平気で犯しているからだ。これらの自称政治専門家を政局専門家と私が呼ぶ所以である。
この自称専門家にとっては、おそらく人気=器なのだろう(笑)し、あるべき代表選よりも耳目を集めて注目を浴びている代表選のほうが立派な代表選ということなのだろう(笑笑)が、政治というものは本来地味だ。批判されるべきは、そんな面白くもない政治に辛抱できず、スキャンダラスな展開や目新しさを求める国民であるのに、田勢が吠えているのは、本来やるべき代表選を履行したに過ぎない民主のほうである。

これがポピュリズムでなくて何がポピュリズム?

いかにこの自称専門家が目的と手段、そして正誤を取り違えたデタラメ論者か、ここの部分をかいつまんだだけでも知れようというものである。
そもそもこの田勢某は、反原発を指向する政治家を大衆迎合と言って憚らなかった人間だ。
反原発への理解をポピュリズムと嘲ったこの人間の、この思考がポピュリズムでなくて何か。

「勝敗に無縁の消化試合のようだ。」

消化試合、大いに結構。勝敗や観衆の多寡にこだわる必要がどこにあろうか。そんなものを求める輩のほうがおかしいのだ。

与党たる民主が今最も力を傾注しなければならない事は、わざわざ人気者を対抗馬に仕立てていたずらにメディアや大衆を賑わわせる事ではなく、粛々と代表選を行い、そのもとで山積の懸案をひとつでも片付けていくことにこそある。
その意味で民主代表選は、本来あるべき代表選という意味では極めて妥当だった。党内対立が深刻化してこれ以上の亀裂回避と言う意味でも評価していい。

話を進める。

次に自民へのこの自称専門家(何の専門家かは不明(笑))の評価だが、

「自民党5候補の話を聞いていて、さすがに自民党には首相が務まりそうな人材がかなりいるな、と思わせる。」

この度のハリケーンサンディの襲来において、アメリカ民主・共和両党は一時休戦し、バージニアの共和党州知事は宿敵ともいうべき民主のオバマ氏の努力を率直に評価し、必要とあらば党派を超えて挙国結束できるアメリカの懐の深さ示した。
翻ってこの日本において、そのハリケーンとは被害の甚大さにおいて比較にならない千年に一度の大震災において、与党に全面的な協力を申し出るどころか、ここぞとばかりにその自然災害をさえ党利党略の具とし、徹底的な与党糾弾の口実としてそれに終始し、それだけに飽き足らず、ほとんど強請りのような手口で総理に解散を確約させ、以降、口を開けば解散の二文字しか言わず、尖閣にかこつけて、韓国がこんな安倍氏よりはまだマシだろうと野田政権との関係修復を急ぐような、いたずらにナショナリズムを煽る、徹底して党利党略を至上とした自民の、どこが「さすがに」なのか、私にはさっぱり分からないが、耳目を集めるためならデマゴーグを駆使せよと考える人間には、賑わっていればそれだけで随分と立派に見えるのだろう、大笑いである(笑)。

自民が事あれかしとばかりに、過去との整合性や行動の妥当性は放り投げて、盗人猛々しい論法を繰り出し続けるのも、こういう思考停止した人間が存在すればこそだろう。

「いかなる問題もきちんと理解して分かりやすく答えているように見える。」

確かに自民の論述は単純だ。「あの人は嘘つき」(笑)とか「あの人は悪い人」(笑笑)と言う、”悪者探し”とそのラベリングという人格攻撃に専心特化する、自民が古今東西を通じて駆使している究極の大衆煽動論は、分かりやすいには違いない。
しかしそれが国政政党としてあるべき主張かどうかはまた話が全く別である。
およそ一国の国政政党の中枢とも思えないようなこれらの幼稚極まりない自民の論法は、お粗末を通り越してうそ寒くさえある。あるのはつまるところ、政治の本質とは完全に乖離した善悪二元論だけなのだから。

ちなみにこの「分かりやすく答えているように見える。」についても根拠・類例の記述は見られない。

「(田勢某の自分の番組にも)出てもらったが、本番前にはスタジオで冗談を言い合ったりして和気あいあいだ。プラモデルが趣味の石破茂氏と安倍晋三氏が、子供のころ作った戦車の話で盛り上がっていた。昔の総裁選とはずいぶん違うな、と思わせる。」

「いかなる問題もきちんと理解して分かりやすく答えているように見える。」とあるので、次にそう考える理由なり根拠の話が続くのかと思いきや、田勢某が続けたのが上記である。
分かりやすく答えている事と本番前の和気あいあいやプラモデル話(笑)に本来、何の因果関係もないはずであり、まして親しみやすさのコンテストというならともかく、それらが首相の資質を測る指標になるとも到底思えない(笑)が、それともこの自称専門家にとっては、本番前のこれらの挙動が話の分かりやすさや首相の資質と密接に連関(笑)するのだろうか?(笑)吉本そこのけのナンセンスギャグとしか思えない(笑)話ではあるが、それならそれで、この田勢某以外には如何に荒唐無稽に思えようとも、その因果の根拠をつまびらかにしなければなるまいが、それも例によってどこにも見当たらない。ま、そんな証明自体、土台無理なので当たり前といえば当たり前だが、ギャグならしかるべき娯楽欄にすべきと思うが、本人も四国デマ紙も至って真面目に政経欄展開だ(笑笑)。

本番前にいくら朗らかだろうと、プラモデルの戦車作りで盛り上がろうと、そんな事は、「いかなる問題もきちんと理解して分かりやすく答えている」事とは、縁もゆかりもない話であり、ましてやその根拠には決してなりはしない。
そんな理屈にもならない理屈を持ち出して、そこには密接な因果関係(笑)があると信じて疑わないのはこの自称専門家やそれを堂々一面政経として掲載する四国デマ紙くらいだろう。まさにデマ師の面目躍如、見事な連携プレーと言ったところか(笑)。
先の岩見某と同じく、こんなデマゴーガーに民主代表選がおかしく、そして自民のそれが正しくみえても別におかしくはない。判断能力がそもそも本来要求されるレベルに足りてないのだから。

話の分かりやすさとは、本来難しい話を平易な表現で簡潔に噛み砕いて説明できる能力だと個人的には思うが、自民が現在駆使しているものがそんな大層なものでない事はこれまで見てきた通りである。
この国賊政局党の頭にあるのは、如何に話を政局という横道に逸らし、党利党略に結びつけるか、それだけだ。
こんな政局政党が性懲りもなく政党でございと大手を振っている現状については、じっくり腰を据えて頭を使わなければならないところを、とりあえず手っ取り早く結論だけを求め感情任せに判断して省みない、国民の側にもこれらの跋扈を許した責任は当然ある。

更にデマ師のヨタ話は続く。

「印象的だったのは、「原発2030年代にゼロ」という民主党政権の方針に全員が「×」をつけたことと、「自民党が政権復帰したら株価が一万円を超える」に全員が「○」と答えたことだ。」

如何にもデマゴーガーがしつらえそうな、そのサンプルと言っていいような文面ではあるが、質問項目に○×つける事自体は別にこの五人でなくとも誰にでも可能な簡単な質疑応答に過ぎない。
問題は、それが妥当か否か、あるいは実現可能か否かは全く別の話であるのに、そこにこの田尾某の言及は例によって全く及んでいない。

あたかも、自民の言うことなら何でも無批判に正しいと見ているかのごとくに、だ。

このデマ文章の最大のポイントはここである。

「昔の総裁選とはずいぶん違うな、と思わせる。」に続けて、この文脈を持ち出すのがそもそも印象操作以外の何物でもないが、「原発ゼロに×」する事や「株価が一万円を超える」が正しいか否か、あるいは実行可能かどうかは全く分からない。それらが妥当か実現可能かの客観的検証等からは全く乖離して、この自称専門家の皮相デマ師にとって印象的だった、というただそれだけの事である。
ではこの御仁の印象の深浅と客観的な妥当性はリンクするのか?

答えは否だ。

印象というのは、客観的根拠を持たないロジックとは対極の場所に位置するからだ。
ちなみに何故にこの田勢某にとってそれらが印象深かったかと想像すれば、それらの選択が、福島第一破綻の後にあってなお原発再稼動を何の躊躇もなく嗜好する未だ右肩上がり成長の幻惑に囚われたままのこの田勢某にとって最も合致するという、それ以上の理由があるとはとても思えないし、実際それらの推測を覆す何の記述も見当たらない。
しかるに、わざわざこれらの文に印象的と言ったような極めて主観的に過ぎない言葉を紛れ込ませるという手法は、あたかも自民が政権を取りさえすれば、全てがうまくいくかのような、こういった種類の文章に本来あるべき客観性や公平性に鑑みて決して存在してはならない予断を与えるような類の文章でこのコラムは構成されている何よりの証左である。
そして、このようなデマ師たちの目的が、概して政治を読み解く事それ自体よりも、特定の意見に読者を誘導する事が目的化している場合が非常に多いのもまた事実である。
実際そのような文章を書き連ねるデマ師の主張たちが、秋の夜長の余興になりこそすれ、政治を読み解く上での客観的な判断材料となる事はまずない。
特定の主観や思惑で書かれている以上、最初に結論ありきでその結論に合致するよう、いきおい、事実の歪曲さえ躊躇しないからである。

要するにこのコラムから分かる事は、民主の代表選が自民の代表選より劣っていたという田勢某の主張が厳正な事実であるという事ではなく、これら自称専門家が、印象操作・意見誘導を確信的に企図し現実を読み解くよすがには決して値しないこれらの詭弁を書き連ねたか、あるいは、その詭弁の異常にさえ気づかない、政治を読み解き語るには全く足りてないボンクラのどちらかであるという事、それだけである。

「日本の「顔」が必要なのにいつも選ぶ基準は選挙の「顔」だ。」

とこのデマ師は嘯くが、書かれてあるのは、これまで見てきたように徹頭徹尾選挙の「顔」についての話である(笑)。
日本の「顔」に関する記述は一切ない。あるのは極めて皮相な代表選の所感と、深度の欠落したそれらの解釈、これあるのみだ。ロジカルな思考とは無関係な単なる感傷といわれても仕方のない一文ではある。
必要なのが選挙の顔でなく日本の顔だと本当にこのデマ師が考えるのならば、少なくとも、その直前の「野田氏や谷垣氏が選挙の顔としてはなかなかに厳しい。」云々という章は不要だ。
また、先の細野氏擁立の話は日本の「顔」が必要という話と完全に齟齬しているが、そんな事はこのデマ師にとってはいっかなお構いなしだ。おそらくそんなバッテイングは日常茶飯でいちいち気にしていられないのだろう(笑)。
これのどこが論理的な解説なのか(笑)、私にはさっぱり分からなかったが、おそらく氏も自民候補にならって論理性や思考性を投げ打ってでも親しみやすさや分かりやすさに腐心しているのだろう、大爆笑ではある(笑)。
政経欄でわけの分からない文章を連ねて恥を連ねるよりも己が資質に鑑み、コメディアンにでも転身したほうがずっと大成するように思うのは私だけか(笑)。

「年内、遅くとも数ヶ月以内には行われるであろう衆議院選挙。」

先の岩見同様、そこに選挙に明け暮れるこの国の政治に対する問題意識はかけらも見られない。

このコラムのタイトルは、

「自民まずまず 民主消化試合」。

なにがまずまずなのか、読めば読むほどに理解不能だったが、おそらく本人にとっては余人には理解しがたくともロジカルを寄せ付けない特殊な思考こそが本分なのだろう、まずまずの文章が書けたと悦に入っているだろう田勢某の姿が浮かぶ(笑)。


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