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星になれ
[単体]
2010年7月9日 23時44分の記事

■シド単体:SERIOUS■
久々の単体、今回はシドです!
密かに「死んだら星になる〜」シリーズ第二弾です(笑)

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どうしてパイロットになったの?
いつか自分にガキができたら、奴はきっと俺にこう聞きやがる。だから俺はそういう時がきてもしっかり答えられるように、粋な答えを用意するのさ。



「おい、お前等、死んだら人は星になるんだぜ」

道中、あるバーで酒に酔った勢いでロマン談義を勝手に繰り広げたシドは唐突にそんなことを言い出した。
メンバーは、クラウド、シド、ティファ、バレットの四人。
他の仲間はすっかり宿屋に戻ってしまった。

シドとバレットが熱く語っている脇で、クラウドはただ黙って酒を浴びていたが、シドのその一言を受けたときだけは表情を明るくさせた。
 
「いいな、それ。俺もそれには賛成だ」

「おっ、珍しいな。いつも陰気なお前さんがそこまで食いつくとは」

ちょっとした嫌味・・まあこれも仲が良いからできることなのだが、そんなジャブを繰り出しつつシドが笑うと、クラウドは少し優しい顔になって、

「それと同じことを、昔、大切な人が言ってたんだ。だから俺は、そう信じてる」

そんなふうに言った。

「っか〜!聞いたか、ティファ!こいつ、こんなこと言ってやがるぜ。どんだけロマンチスト野郎だよ!」

「それシドも一緒だし」

ティファにそうつっこまれながらも、シドは未だに寒い男だぜとか熱い男だぜとか、まったく逆のことを意味不明に叫んでいる。相当酔っているらしい。

そんなシドのロマンチスト論を聞いていたもう一人のバレットは、シドとはまた違ったふうにグチを口にしていたが、彼も彼でやはりロマンチストに違いなかった。

こうして今ともに戦う仲間は、何かしらの目的をもち、それに向かって邁進している。その時点でおそらくは、みんながみんなロマンチストではあるのだろう。

「しかしよ、シド。もし死んだ人間が本当に星になるとすりゃ、星の数はからきし足りねえんじゃねえか。どんだけの人間が今までお陀仏になったと思ってんだ」

バレットがもっともらしいことを口にする。
確かに、今まで死んだ人間を思うと、星の数は足りない気がする。

しかしシドは、目に見える星と目に見えない星があるんだから、宇宙には全員分の星があるんだ、などと口にした。なるほど、全員分が確保されているかはともかくとしても
、目に見えるものがすべてというのは確かに間違っているかもしれない。というか、そうなのだろう。

「だけど変なの。だって、ふつうは土に帰る、って言い方をするわ。それにこの星では、ライフストリームになるといわれているのよ。もし星になるとすれば・・そうね、空に帰る、ってことになるのかな」

ティファはほろ酔い顔でそんなことを言った。

「星に帰る!おお、いいフレーズだ!俺様は星に帰るぜ」

「おいおい、まだまだ死んでもらっちゃ困るぜ」

苦笑するバレットの隣で、シドは「星になるぜ〜」とさらに勢い込み始める。もう無茶苦茶だ。

しかし、そういうロマンチスト論を聞くのは、みんな嫌いではなかった。シドの熱いい・・・というよりもう暑苦しい感じの語りは、それでも人を悪い気にはさせない。そこには何か夢があり、叶うとか叶わないとかじゃなくて、ともかく心がほんわりとするのだ。だから、シドがどんなに喚いても、それはグチではないから、いやがられたりはしない。

それこそが、空にロマンを求める男の純粋な気持ちがなせる技なのだ。
そしてその男の最高にかっこいいところは、こう言うところにこそある。

「ねえねえ、シド。シドはどうしてパイロットになろうと思ったの?」

ティファのその素朴な質問に、今まで散々がなっていたシドは急に静かになる。そして、よいどれ状態だというのに、すっと顎をひいて、そしてにっと笑って、こう答えるのだ。
それは空に思いをはせ、空を愛する、一人の精悍な男の顔に違いなかった。

「そりゃよ、お前。空には仲間がいるからさ」
 
 
 

死んだら人は星になるのさ。
そっからぴかぴかに輝いて、そりゃもう綺麗に命の光を放つんだ。

え、なぜかって?

そりゃおまえ、仲間と会うためさ。
俺はここにいるぞ、って。

そうやって光るからこそ、おれは仲間を見つけられる。そして会いにいける。
そうさ、空にいけばそいつ等にあえるんだ。

悲しいことなんてない。
悲しいことなんて何もないんだよ。




どうしてパイロットになったの?
いつか自分にガキができたら、奴はきっと俺にこう聞きやがる。だから俺はそういう時がきてもしっかり答えられるように、粋な答えを用意するのさ。

「そりゃな、お前。そこに仲間がいるからさ」

俺がそういったら、ガキはきっとこう聞きやがる。
じゃあお父さんも死んだら星になるの?ってな。
だから俺はこう言ってやるのよ。

「そりゃそうさ。俺は死んだら空に帰るんだ。星になってぴっかぴかに光ってやるのさ。そしたらお前、いつだって俺がわかるだろ?」

え?どの星が俺だかわからないって?
バカいえ、わかるだろ。

一番でっかいやつだよ。
お前が一番ぴっかぴかだと思う星が俺さ。

悲しいことなんて何もないだろ。
だからさ、いつも空を見上げとけ。

そしたら星があるから。
大切なやつも、仲間も、みんなちゃんとそこにいっから。



一人ぼっちなんかじゃないんだよ。

――――な?




END

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