FOMCが本年9月利上げに踏み切らないことは、弊事務所が予想した通りの理由で、時期的には17年度の予算教書の発表時期と重なるのではないかと予想した通りです。
予算編成と歳入は表裏一体であり、歳入規模の裏付けなしに、予算編成を行えないからです。歳入とは税収がメーンであるわけで、税収規模のさじ加減は予算の編成にも影響を及ぼします。
その意味で、税収に大きな影響を与える利上げは様子見の見送りとなったと予想するのが一般的でしょう。世界の景気減速懸念や市場の不安定さが利上げを押し留めたようです。
現段階では、中国の景気減速懸念は相変わらず払拭できていませんし、市場の安定化には程遠い状況です。「次の時期は12月か」という予想も一部出ていますが、本年内の利上げはないと予想する理由は前述の通りです。
また、米ドルは米経済指標だけでなく、中国の株価や景気動向に左右されてしまうような状況であり、中国の政策対応で大きく振れているのが現実です。
今週は日本は「秋の大型連休中」ですが、国際金融を左右する指標は各国で動いています。23日には中国の9月財新製造業PMIやユーロ圏の9月PMIのほかに、24日には米の8月耐久財受注などが控えています。
中国のPMIが改善値を示せば、米ドル/円や米ドル/豪ドルにとって好材料となりますが、ユーロ圏のPMIには悪化リスクとなり、ユーロの上値を抑える一要因になるかもしれません。
◆米ドル/円の予測レンジ ドル/円の具体的な予想としては「119.0〜121.0円/米ドル」(9/14〜9/18:119.40〜120.99円、同期間の当事務所予想:118.00〜122.50、予想に比べ上値が上振れ)。
米FOMC後の経済指標の発表としては、21日に中古住宅販売、24日にミシガン大消費者信頼感確報値などがあります。市場の予想を上回らない限り、10月開催のFOMCでの利上げは考えにくい状況です。
米金融当局が中国を含む世界景気の減速リスクの影響を懸念する中で、23日に中国の財新製造業PMIが改善値を示せば、米ドル/円の下支えになる可能性はあるでしょう。
◆ユーロ/米ドル、ユーロ/円の予測レンジ ユーロ/米ドルは「1.120〜1.148米ドル/ユーロ」(9/14〜9/18:米ドル/ユーロ1.1214〜1.1441米ドル、同期間の当事務所予想:1.1150〜1.1350米ドル、予想に比べやや上振れ)、ユーロ/円は「135.0〜137.85円/ユーロ」(9/14〜9/18:135.00〜137.45円、同期間の当事務所予想:133.0〜136.7円、予想に比べやや下振れ)とそれぞれ予測します。
ユーロ圏の材料は、米の利上げ見送りで高止まりしているのが現状です。中国の株価が下落すれば、一層上昇する可能性はあります。23日にドラギ総裁の議会証言もあり、追加緩和の可能性や時期、方法にまで踏み込んだ発言を行う可能性もあります。
ユーロ圏PMIは、これまで回復基調できていますが、世界の金融市場の不安定化のあおりで、悪化リスクも否めず、ユーロが上昇する余地は限定的になるかもしれません。
◆豪ドル/米ドル、豪ドル/円の予測レンジ 豪ドル/米ドルの予測レンジは「0.705〜0.725米ドル/豪ドル」(9/14〜9/18:0.7063〜0.7276米ドル/豪ドル、同期間の当事務所予想:0.6950〜0.7250米ドル、下限がやや下振れ)、豪ドル/円の予測レンジは「84.8〜87.8円/豪ドル」(9/14〜9/18:84.94〜97.51円、同期間の当事務所予想:82.3〜87.5円、予想に比べ全体的にやや下振れ)と予測します。
米FOMC後の方向性が定まらない中で、中国の株価の動きやコモディティ価格の動向に左右されやすい週となりそうです。豪ドル自体は9月7日に安値を付けた後に反発していますが、中国の株価の不安定さ、ひいては景気減速懸念につながりやすく、コモディティ価格の下落が再び始まると、リスクが高まることになります。
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