2者JVで契約金額が6億円の建設工事。出資比率は主幹事の建設業者が70%、ご相談の建設業者が30%の割合です。収益の分配も出資比率に応じて受け取る契約になっているようです。
この場合、JV各社は損益分配割合に応じて、JV事業に関わる資産の譲渡や課税仕入れを行ったものとして、JV各社が消費税を納税することになります。
課税期間、つまり決算期に完成引き渡しがあれば、会社単独の課税売上高や課税仕入れのほかに、JV工事の課税売上高と課税仕入れを出資割合で配分したものを加算して申告、納税することになります。
たとえば、6億円で受注した建設工事でJV比率が30%、全体の課税仕入れ額が5億円であれば、課税売上は「6億円×30%=1億8,000万円」、課税仕入れは「5億円×30%=1億5,000万円」をそれぞれ加算して申告することになります。
今後は重機のリースを来年早々に予定しており、ご相談の建設業者が持ち分の比率を超えてリース料を支払うことになっているおり、その分を主幹事の建設業者から費用相当額として150万円を受け取ることになっているそうです。
この場合は、主幹事の建設業者に対する資産の譲渡の対価となり、課税売上高に加算して消費税額を計算することになります。リース重機は最盛期には頻繁に入れ替わりますから、特に気を付けたい部分です。
課税仕入れで税額控除を受けることも考えているようでした。子の控除を受ける場合は、帳簿や請求書などの保存が必要で、通常は主幹事の建設業者の名義で支払われているケースが一般的です。主幹事の建設業者が請求書を一括で保存する条件になっているようです。
完成引き渡し後の精算時に、主幹事の建設業者から精算書が送付されてくると思います。精算書が請求書に該当するので、きちんと保管することが必要になります。
JVで受注する機会が少ない建設業者の場合、なかなか慣れない部分が多いようです。迷ったら税務署に相談してみるのも、一つの方法です。
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JV会計は、利益の配分から経費の精算まですべて出資比率に応じた対応になります。持ち分を超えた分の受け取りは資産の譲渡に相当し、課税売上になるので注意が必要です。
最近は地元同士で組ませる建設工事も少なくなりました。全国大手と地元大手がJV工事が中心です。「主幹事の建設業者に全部お任せみたいになっている」(大手建設業者)のも実態で、公的発注機関も実態を指摘をしないまでも知っています。
JV編成の目的の一つは技術力の向上にありますが、「大手の下に付いて技術を習得するのに何年掛かっているのやら。施工能力が向上しているのかな」という本音も漏れてきます。
税のことで不明なことがあったら、税務署に直接尋ねてみることをお勧めします。時間を取って懇切丁寧に教えてくれます。予約が必要ですが、分かるまで教えてくれるのがいいところです。尋ねるのに余計な経費が掛かりません。
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