【年末特集】ジュニアNISA運用で必要な「マイナンバー」――子供や孫には考える余地はありません! | |
[マイナンバー制度] | |
2015年12月28日 9時30分の記事 | |
投資やファイナンシャル・プランニングの世界ではすっかりおなじみになった「NISA」(ニーサ)。正式名称は「少額投資非課税制度」です。 金融機関にNISA専用口座を開設した場合、その口座内で購入した株や投資信託などから得られる利益に税金がかからないという仕組みです。 NISA口座で購入できるのは1年間に100万円までで、口座を作ることができるのは20歳以上の人でしたが、2016年4月からは20歳未満の人も利用できる「ジュニアNISA」の制度ができました。 若い世代の人たちの長期的な資産づくりを支援し、NISAを通じた投資市場への資金流入により、株式市場の活性化も期待しているわけです。 併せて金融資産の多くを高齢者が保有しているわけですが、贈与という形で若い人たちに移転させる目的もジュニアNISAは持っています。 祖父・母が孫にお金を生前贈与し、孫がジュニアNISAで運用する――お金はいずれ消費に回ります。NISAで運用した資金が大学の進学費用となれば、親世代は教育費の負担が減り、家計にゆとりが生まれ、消費につながるかもしれません。 「ジュニアNISAっていい事づくめではないですか?」というような声が聞こえてきますが、実際には同制度を活用するには、「ジュニア=子どもまたは孫のマイナンバー」が必要になります。 成人であれば、自分でマイナンバーの通知を受けても、カードを作成するかしないか、金融機関に教えるか教えないかなどを、自分で考えて行動できます。 しかし、ジュニアNISAの相手が未成年で、親の世代や祖父母の世代が判断して同制度を活用するに当たり、ジュニアのマイナンバーを金融機関などに提供するわけです。 つまり、子どもや孫が物心着いた頃には「マイナンバーがあらゆる機関にヒモづけされていた」というような事態になることは十分に予想できる事態です。 ジュニアNISAという制度の普及に水を差すつもりは全くありませんが、熟慮が必要だということを事前に知っておく必要はあるでしょう。「表があれば、裏もある」ということです。
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