賃貸アパート1棟で孤独死事件が発生すると、8室あれば事件部屋の両隣と上下階の部屋の入居者は気味悪がって退去する可能性が高いのが実態です。
特に、1階部分の部屋事件が発生した場合は、臭気は上昇する特徴があるので、押し入れやクローゼットの空間を通じて上階に臭いがする可能性があります。それで「おかしい」ということになり、オーナーや管理会社に一報が入り、発見される場合もあります。
オーナーにとって最も困るのは、噂が周辺に出回り、借り手が付かなくなることです。また現入居者が退去してしまうことです。事件のあった隣の入居者や上(または下)階の入居者には退去防止対策として細心のフォローが必要になります。
一方で、自分が買った物件の売主や仲介に入った不動産会社に対する対策です。まずは不動産会社が仲介に入っていれば、「重要事項説明書」で確認し、「瑕疵物件である事実」を強く訴えます。不動産会社が事実を知っていて説明していなければ、説明違反を問うことができます。
ただ、売主側から的確に告知書を取り付け、孤独死や自殺などの事件はなかったことを重要事項説明書と合わせて添付していれば、不動産会社は説明義務を果たしたことになり、瑕疵担保責任は売主側に移ります。
つまり、売主が不動産会社に孤独死事件があった部屋がある1棟アパートである重要事項を告げずに取引手続きに入ってしまったケースです。この場合は、不動産会社は免責になる可能性はあります。
通常は、孤独死や自殺者が出た部屋があれば、見た目には問題がなくても、住み心地の良くない心理的欠陥のある賃貸部屋という位置づけになります。そういう部屋を含んだ物件の売買ですから、売主の責任を追及できます。
売主側への損害賠償請求に当たっては、今後、売りに出しても大きく買い叩かれる可能性があるので、購入価額を全額返還してほしいと考えるのが新オーナー側の心境ですが、全額は難しいのが判例でもあります。
孤独死や自殺があった部屋の賃料収入の損失額だけを認める判決でした。つまり、損害の範囲を賃料収入の損失に限定しているというのが一般的になります。
小さなアパートだと、周辺に噂が広まるのは早いし、影響は非常に大きいですね。事件が沈静化した後の対処方法としては、投資用マンションで自殺事件があった時とほぼ同じなので、参考にしてください。
物置として貸す分には、重要事項説明はあえて要りません。物置として貸すことは、駐車場を貸す時と同じ扱いになりますから。通常賃料の半値位で物置として貸すことをお勧めしています。
物置で使った後に全面リフォームで綺麗にしてしまえば、既に1者が間に入ったことになりますから、賃貸住宅として貸し出す場合でも、重要事項説明項目に「孤独死があった部屋だ」と説明する義務はなくなります。
手練れの不動産会社に管理費を支払って、客付から依頼することになりますが、空室にしておくよりはマシだと考えることができるかどうかです。
ここで指摘できることは、?売主との相対取引を避けること?仲介手数料を決してケチらないこと(?に関連して)――です。
不動産会社側は、業者講習の際に瑕疵物件について耳にタコができるくらいに教わっているので、何かあった際には法的措置を回避できるように「重要事項説明書」だけでなく「売主告知書」で「もしもの時を考えて」手を打っています。
「売主側が申告しない方が不誠実なので、当社に言わないでほしい。告知書も添付しており、当社では個人情報保護法の壁もあり、知り得ない事実。損害賠償の請求については売主に直接行ってほしい」ということになるのがオチかな。
買う前に、入居者たちに聞き回るのも一つの方法ですが、空き室を見学した段階でどういう状況になっているのかを自らの目で確認するとともに、入居者や隣接建物の居住者にも自らの耳で聞いてみることをお勧めします。
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このトラブルは、なかなか減らないようです。これから高齢者化社会の足早な到来で、「おひとり様」の孤独死は増えるかもしれません。賃貸アパートだけでなく、分譲マンション、分譲一戸建住宅――すべてで当てはまるケースです。
瑕疵物件を未然に見分けることができれば、ストレスにはならないので、不動産会社の調査力にも左右されます。「大きい会社だから安心」というわけではないのが、この業界ですから、仲介に入る不動産会社の選択眼も必要になります。
「そういう不動産会社を教えてほしい」というリクエストにはお答えできかねます。調査力抜群の不動産会社を知ってはいますが、ご紹介は出来かねます。悪しからず。。
「それでも、どうしても!」という方は、内緒でご連絡をください。ご紹介はしますが、引き受けてくれるかどうかはお約束できません、笑。「分かったよ!」という方は、下のリンクボタンをポチッと押してください。
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