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2018年10月16日 19時0分
第9話「木々を避ける道」
 
祈りのカタログ・完全版
第9話「木々を避ける道」



 前回は、「我が国は、神国である」と書きました。
 
 
 誤解があると、いけませんので……この「神国」のことを、もう少し、書いてみようと思います。
 
 われわれの国のことを「神国」と呼ぶと……何やら、傲慢な感じを受ける人も、いるかと思います。
 
 また、戦時中の「自国を称した言葉」としてしか、認識しない人も、いるのかも知れません。
 
 しかし、そうではありません。
 
 
 この「神国」の本当の意味は、
「神が開き、守護してくれている国土」と言う意味です。
 
 国開きの神々が、我が国の国土を開き……人が住める土地に、してくれました。
 
 そして、国を守る神々が、国土そのものを……守ってくれているのです。
 
 ですので、国土をいじる時には、必ず「地鎮祭」と呼ぶ「挨拶の儀式」が行われます。
 
 
 国土は、元々、神々のものです。
 
 個人が所有して、勝手なことをするなど、とんでもないことです。
 その理由があって……そこら中に、祠《ほこら》があり……様々な神が、祭られているのです。
 
 
 山の神さんやら、川の神さんやら……あちこちに、色々な神々がいるのだから、
 
「失礼があっても、許しておくれ」と、気持ちを込めて、
 
 
「山の神さん、のいとくれ……川の神さん、のいとくれ」と、子供達が、祈るのです。
 
 
 祠や木々の中には、祟りのあるものも多く……道路の方で、それらを避けることがあります。
 
 大阪の北区神山町には、道の端に木が、残されています。
 
 
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後半には、
「神事の基本」「ビルの上の祠」「神々が救う人と、救わない人の違い」などが紹介されています。
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2018年10月9日 19時0分
第8話「辞書はループする」
 
祈りのカタログ・完全版
第8話「辞書はループする」



 呪文の「ちちんぷいぷい」と、言うのが、「祈りの一種」であることを……前回に、少し、書きました。
 
 
 ここで、辞書で「呪文」の項目を引いてみましょう。
 
 辞書には「 一定の呪術的行為の元に、それを唱えると、神秘的な力が現れると言う言葉文句。まじない、のろいの文句。密教・修験道・陰陽道などで唱える、まじない」と書いてあります。
 
 ここでは、「まじない」と言う言葉が印象的なので……その「まじない」について……さらに、辞書で調べると、「神仏や霊力を持つものに祈って、災いを逃れようとしたり、また、他人に災いを及ぼすようにしたりすること。また、その術。呪術」と書いてありました。
 
 さて、どうでしょうねぇ?
 
 私の心の中には、「祈って」と言う言葉や、「呪術」と言う言葉が、印象的に残ります。
 
 ここで言う「祈って」は、「祈り」のことなので……その「祈り」についてを、またまた、辞書で引くと、「神仏に、加護救済などを、請い願うこと」とあります。
 
 これらの辞書で引いた言葉を、ちょいとそこらに、並べてみて……それらを、ゆっくりと眺めていると……なんだか意味が、分からなくなって来ます。
 
 どの言葉について、辞書で引いても……同じような内容の物事を、別な言葉に言い変えて……説明しているような、感じがします。
 
 言葉が、まるで、ループしているように……感じるのです。
 
 
 これらの辞書の意味を、総合して、さらに分析すると……「呪文」とは、「密教・修験道・陰陽道などで唱える、神仏や霊力を持つものに対する祈りの一種で……災いを逃れようとしたり……また、他人に災いを及ぼすようにしたりする文言」と言うような表現になりますか?
 

 長くて面倒なので、少し、省略して……言葉を「陰陽道」に限定し、さらに「神」に限定すると、「神に対する祈りの一種で……災いを逃れようとしたり……また、他人に災いを及ぼすようにしたりする文言のこと」と、なると思います。
 
 少しは、簡潔になりましたか?
 
 この「文言《もんごん》」のことを……われわれは、「呪《しゅ》」と呼びます。
 
 
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2018年10月2日 19時0分
第7話「ちょっと歴史的なこと」
 
祈りのカタログ・完全版
第7話「ちょっと歴史的なこと」



 とても怪しい人物……小幡勘兵衛は、その著書「甲陽軍鑑」で有名な人です。
 
 この本は、江戸時代初期の軍学書で、この中に……山本勘助と言う人物が、「軍師」として登場します。
 
 それ以外の記録には……山本勘助の実在の証拠は……ほとんど載っていないようです。
 
 最近、山本勘助の実在の証拠とされるものが……発見されたようですが……まだ、真相は、闇の中です。
 
 小幡勘兵衛は……「甲州流軍学の祖」として、後の世に知られ……なんと、91歳まで生きました。
 
 
 
 彼が、31歳の時に……江戸時代が、始まっています。
 
 ちなみにこの時……黒田官兵衛は57歳で江戸時代を迎え……翌年に、亡くなっています。
 
 
 われわれの伝える「播磨陰陽道」では、戦略を扱います。
 
 その戦略は、なんと、この「甲州流軍学」の流れをくんでいるのです。
 
 それは、なぜかと、尋ねれば……ご存知ですか? 芝居の忠臣蔵の中に、「どんどんと鳴り響く、山鹿流の陣太鼓……」と言うセリフが、あることを……。
 
 山鹿流の陣太鼓……美しい響きですね……聞いているだけで、わくわくしますねぇ。
 
「いざ、戦うぞ」と言った感じすら、します。
 
 
 
 この陣太鼓は……山鹿流軍学を学んだ赤穂浪士たちが……宿敵、吉良邸の前で、打ち鳴らすのです。
 
 映画の忠臣蔵の中では、雪が、シンシンと降っています。
 
 実際に、その時……雪が降っていたかどうかは、分かりません。
 
 まぁ、お芝居のお話なので、ドラマチックな方が感動します。
 
 
 素行先生が、亡くなってから18年後……吉良邸の前に集結した、赤穂浪士達は「素行先生、ご覧下さい……敵《かたき》は、目の前ですぞ」と、言ったかどうかは、知りませんが…… 
「敵討ち」と称する戦争を、太鼓を打ち鳴らしながら、はじめるのです。
 
 さて、この、赤穂浪士たちが尊敬してやまない素行先生は……小幡勘兵衛の、弟子なのでした。
 
 
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後半には、
「尾畑勘兵衛」「謎の尾畑城」「ちちんぷいぷい?」
子供に対して唱えて……親が心から祈る言葉などが紹介されています。
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2018年9月25日 19時0分
第6話「祈りの力とエネルギー」
 
祈りのカタログ・完全版
第6話「祈りの力とエネルギー」



 生きているとは、言えない生き方を続けると……次第に、脳が不必要だと判断した機能が、停止します。
 
 使わないのなら、いっそのこと、停止した方が……「脳の保護」と言う意味においては、良いことのようです。
 
 ですが、いくつかの機能を停止すると……脳、その物の老化が始まって……やがて、永遠に、夢の世界に入るのです。
 これは、「夢を見ないようにすると、夢の世界の方が、近づいて来る」と言う現象です。
 
 
 さて、霊現象のことを、まとめると、「霊現象は、感情の持つエネルギーで、現実世界に実体化する」と、言うことになります。
 
 そして、いったん、実体化すると……本人の意思では、どうすることも出来なくなります。
 
 しかし、ここで、「感情が持つエネルギーで、幻想すら実体化するのならば……そのエネルギーをコントロールすれば、使役出来るのでは?」と、陰陽師の祖先達が考えたのです。
 
 
 そして、様々な祈りの技法を、生み出して行くのです。
 
 
 祈りの技法の根底をなす理論は、「人の心が作り出すエネルギーを、いかに、自在にコントロールするのか?」と言う部分です。
 
 すべての祈りは、心が生み出す力(エネルギー)によって……現実世界で、叶えられるのです。
 
 心が持つ力とは……「意識が持つ力」とか、念の力である「念力」とも言える力のことです。
 
 
 ここで、「念力」と呼べば、なにやら怪しげな超能力者の……セリフのような、印象があります。
 
 しかし、単に、念じる力を、「念力」と呼んでいるだけです。
 この「念力」と言う言葉の正確な意味は、「一心に思い込むと、湧いて来る力」のことです。
 
 ちなみに、仏教用語では、単に、「記憶している能力」を意味しているようです。
 
 
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2018年9月18日 19時0分
第5話「魔物は幻覚ですが」
 
祈りのカタログ・完全版
第5話「魔物は幻覚ですが」



 「魔物」と言うものは……人の心の中で生まれて……やがて、人の心の外へ出て……外界に投影される、種類のものです。
 
 例えば、誰かが……恐怖や、不安や、その他のネガティブな感情を……強く、心の中に、想い描いたとします。
 すると、その誰か……の、心の中にだけ……「魔物」が、棲み始めるのです。
 
 ただ、棲《す》んでいるだけなら、良いですが……しばらくすると、魔物の方も、退屈するのか……それとも、そう言う生態を持つモノなのか……その人の心の中から、外の世界へ出ようと努力します。
 いったん、人の心の外に出た「魔物」は……他の人の心に、自らの姿を「幻」として見せようとするのです。
 
 こうなると……誰にでも、見えるようになりますので……立派な霊現象の、ひとつになります。
 まだ、その「魔物」が……誰かの「心の中」から出られない時は……ただの「幻覚」の、一種です。
 
 魔物が、外に出たばかりの時は……ぼんやりとした、幻のような姿であったり、また、感じるだけの存在です。
 この時は、まだ、人に悪さをすることが難しいので……やはり、妄想やら、勘違いの域を出ません。
 
 
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 しかし、その幻覚を見る人や、感じる人が多くなって行くにつれ……
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はじめまして、播磨陰陽師の尾畑雁多《おばた・かりんど》です。

 陰陽師には京都系統の「都《みやこ》陰陽師」と、播磨の国の「播磨陰陽師」の二種類の系統があります。  播磨陰陽師は、応仁の乱の時に京の都から播磨に戻った陰陽師達の子孫のことですが、播磨の国はもともとの陰陽師達のふるさとでした。

 播磨陰陽師には、夢に関してや、武術のことなど様々な伝承を持ちますが、今回はその中から「不幸のすべて」に関するお話と私が体験した不思議な体験「近世百物語」をお届けさせていただいております。



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