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テロとの闘いに関する一つの見方
[世界の読み方]
2015年12月6日 23時52分の記事

昨日からケーブルテレビで米国TVドラマ「24(Twenty Four)」全シーズンを一挙放送していて、一度、見始めるとついつい引き込まれてしまいます。


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この「24」のシーズン2は、ロサンゼルスに核爆弾が中東のテロリストによって仕掛けられるということから始まります。その核爆弾は発見され、ロサンゼルスから離れたところで爆発させることができ、最悪の事態は避けることが出来ましたが、しかし、その報復ということで米国はこのテロに関与する中東諸国を攻撃しようとします。しかし、実はそのテロは中東のテロリストによるものではなく米国人による陰謀で、その陰謀の目的は戦争を起こすためというストーリーです。この陰謀に石油資本の利益独占の思惑が絡んでいたり、状況が揺れ動く中で黒人大統領が解任されるなど様々な要素が絡み合ってドラマが展開していきます。
このシーズン2が米国で放送されたのは2002年から2003年にかけてですが、見ていて今の状況を彷彿とさせると思わざるを得ません。
このドラマでは、核爆弾を発見してロサンゼルスから離れた場所で爆発させた後、このテロを首謀したことを裏付ける「捏造された」会話が証拠になり、中東諸国への「報復」という動きが政権内部で一挙に加速していきます。正に陰謀の目的はテロではなくここにあるのですが、主人公の捜査官がこの捏造の証拠を見つけるために動き出します。この陰謀に疑問をもった大統領はこの捜査官の動きを重視し、中東諸国への攻撃を中止しますが、そのことによって閣僚らによって大統領職を罷免されてしまいます。
この罷免された大統領が「戦争のためにテロが起こされた」と言うのですが、現実においても非常に意味深長な言葉です。テロリズムが国内で起これば、そのことに対して強硬な態度で報復にでないと弱腰やテロを温存するなどという言葉でその国のリーダーは迫られていきます。それはほぼ感情的な強迫ですが、そういう状況にリーダーは直面します。最近の例で言えば、フランス、ロシア、米国のリーダーは皆、このような状況に直面しているでしょう。
このドラマの中で大統領が、陰謀の可能性を感じ、非常に慎重に理性的になりましたが、上記のリーダーたちも同じように様々なことを考えただろうと思います。
時として、何も考えずにテロとの闘いと拳をふりあげる馬鹿な指導者はいますが、そういう指導者は今の世界では相手にはされません。
いずれにせよ、自国でテロが発生すれば感情的な報復の圧力に指導者は迫らること、そしてテロには戦争拡大のための装置という側面があることは忘れるべきではないでしょう。そして、この二つの要素によって大きな戦争はつくり出せるのです。このつくり出された戦争によって人類のほぼ全ては利益を得ませんが、しかし一部には利益を確実に得るものがいることは忘れるべきではないでしょう。

今回の米国でのテロ事件
今回の米国で発生したテロ事件の犯人像は、報道されている情報しか知りませんが、そこにはテロの犯人に自分は死なないという感覚があること、そして他人の命に対して優越感を持っている、つまり他人の命へ価値を見いだしていないことを感じます。この二つの要素は、極端に肥大化した自我、全能感、そして極端な快楽主義が共通項としてあるものと考えます。日本で生じたオウム真理教の信者と似ているものを感じます。
この種の人間性には宗教性というものは実は皆無だろうと考えます。むしろ、そこにあるのは消費主義・快楽主義なのだろうと推測します。ホーム・グロウン・テロがこのような人間性を背景にしている場合が多いのではないかと考え、ここがポイントと考えます。そして、ここが洗脳の一番のポイントとも考えられます。
今回の米国のテロのようなホーム・グロウン・テロは、20年前、日本でも生じています。このようなテロに対する対処を知るのは、実は世界で日本が先駆けではないかと考えます。



最終編集日時:2015年12月7日 23時27分

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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