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考えられるポイントは明らかに拉致問題ではない
[日本の政治]
2018年8月30日 5時37分の記事

日米関係、米朝関係、日朝関係に関する情報が錯綜しています。あまり情報が多くなく、色々なことが考えられる状況ですが、以下の記事のように7月15・16日にベトナムで日朝の極秘接触が行なわれたと報じられています。そして、その接触を報されなかった米国は不快感を示したとありますが、激高したと表現する記事もあり、実際、激高していたと考えます。

「日朝高官が極秘接触 7月ベトナム 事前連絡なく米不快感」(2018年8月29日 東京新聞)

「政府『真珠湾』発言否定に躍起=揺らぐ日米蜜月」(2018年8月29日 時事通信)

「(朝鮮日報日本語版) 日朝が先月ベトナムで極秘接触、事前連絡なく米が激高=米紙」(2018年8月29日 朝鮮日報)

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上記の時事通信の記事では、日米関係が揺らいでいると書かれていますが、そもそもオバマ大統領時代も、トランプ政権時も安倍政権が米国と良い関係を築けていたかは、甚だ疑問です。これまで日米関係は蜜月ということは散々メディアで言われてきましたが、それはプロパガンダの類いであって、幻想であったと考えます。安倍政権における官僚も含めた言動を見ても、皆、言葉に責任感がなく、嘘のオンパレードです。一事が万事、これらが安倍政権の本質を示すものと考えます。

7月に行なわれたとされる日朝接触の理由は、ほとんどが拉致問題解決のためと報道されていますが、果たして安倍政権が拉致問題のためにこのような動きをするのかと非常に疑問に考えます。
実際、拉致問題を解決するために、記事にあるように北朝鮮との接触を米国に報せないで行なう必要はまずありません。これ、非常におかしなことなのです。このような米国に報せないという日本の行動は、明らかにこれまで安倍政権が進めてきた集団的自衛権などの米国との協調路線と完全に矛盾するものです。このような動きでは安全保障は成り立ちませんし、米国が激高するのも当然でしょう。それを安倍政権自ら行なったというのですから、まあ、常識的にはあり得ない話であるわけで、そろそろ安倍政権を総点検しないといけない時期であるのは何よりも明らかなことです。

いずれにせよ、拉致問題を進展させるためには、当然、米国に通告してやるべきです。その方が交渉力も増すと考えるのが誰の目にも明らかでしょう。

そして、もう一つ明白なことは、拉致問題を解決するには朝鮮戦争を終焉させて、国交を回復し、正常に交渉をする他ないということです。肉親を拉致されたら北朝鮮に対して敵意を持つのは当然ですが、問題の解決のためにはやはり、この平和的な解決しか方法はありません。これ以外のオプションはないのです。仮に米朝など北朝鮮との戦争という武力に訴える事態になれば、当然、真っ先に拉致被害者が人間の盾にされるのは目に見えています。それでは、全くの解決にはなりません。同時に、東アジアを単に不安定にするだけになります。

しかしながら、はっきり言えば、これまで安倍政権はこの唯一の解決方法とは全くの反対方向に動いてきたわけです。つまり、これまで世界において突出して対北朝鮮強硬姿勢で動いてきた安倍政権ですから、拉致問題が解決されない方向に動いてきたことは事実です。そういう意味で非常に時間の無駄をしてきたわけで、安倍政権は明らかに拉致問題を日朝間や東アジアでの不安定要素に仕立て上げてきたと考えます。
このようなこれまでの経緯を考えても、拉致問題が7月の日朝接触のポイントとは考えづらいものがあります。また、拉致問題解決をするために、日朝接触を米国に報せなかったというのも明らかに不自然、おかしなものと考えます。

それでは何が、突然、北朝鮮に接近をした日本のポイントであるのか? それは米国と方向性が違うことです。だから、上記のような齟齬が生じるわけです。そう考えると、恐らく米露首脳会談と重なり日米原子力協定の満期日という時期からして、そして問題の大きさからして、核問題だろうと考えます。ただ、それは北朝鮮ではなく、日本の核ということです。兵器も含めた日本の原子力政策を進めるためには北朝鮮の核及び脅威はなくてはならないものです。そういう意味で、安倍政権は、対北強硬姿勢という日本の核政策(兵器)及び軍事政策にプラスになる方向をずっと取ってきているわけです。その中に拉致問題もあるものと考えますが、北朝鮮の核がなくなり、朝鮮戦争が終わってもらっては困るという安倍政権のスタンスであるのは明白と考えます。このことはずっとザ・フナイで指摘してきました。

さらにザ・フナイ9月号ではこの日本の核のことをかなり詳しく書きました。そのような脈略で考えるのなら、あくまでも可能性としていいますが、7月の日朝接触で日本は北朝鮮の核・脅威を容認している可能性があると考えます。また同じくザ・フナイ9月で書きましたが、日本と北朝鮮の核は同根(日本由来)ということも十分あり得ることで、そもそも日本の核武装などを前提としてこれまで日朝共に動いてきた可能性もあるわけです。そういうことは忘れるべきではないでしょう。
あと、7月の日朝極秘接触で考えられることは、日本側が北朝鮮に偽情報を流して、北朝鮮の動きを変え、朝鮮半島和平の動きを頓挫させる方向をつくっているとも考えられます。このためには、7月の日朝接触は物別れで終われば十分であるわけです。
いずれにせよ、この方向性で北朝鮮の動きなど流れが現状、見えるわけです。それは、そのまま安倍政権のこれまでのスタンスと全く変らず合致するものであるわけです。安倍政権の思惑のままと考えます。
このようなことがあった場合、日本は許されることはないでしょう。現状、日米関係、米朝関係、日朝関係、南北問題は、日本の核への執着が大きなネックになっている可能性はかなりあるものと考えます。

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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