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政党の政策・調査能力?
[日本の政治]
2019年2月9日 23時54分の記事

私が国民新党にいて、予算について党の政策を発表したときのことです。

「統計不正、『キーマン』登場も解明進まず=立憲、ちぐはぐ対応−衆院予算委」(2019年2月9日)

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予算についての概算案をA4ペーパー一枚にまとめ、番記者に配布したのですが、それからほんの10分から20分してある社の番記者が笑いながら近寄ってきました。
「あのー、この概算の合計額があわないんですけどー」とその記者が言うので、よく見てみると確かにあわないのです。
それで、「じゃ、その計算し直してくれた方でやってよ。あとで訂正出すから」と私。もちろん、公式な数字は番記者が計算し直してくれた数字になりました。類似のケースはその一回だけではなかったというのは、正直なところです。
当時、私は広報も担当していましたが、実は政策や選挙も担当していました。それで私に何十人も部下がいたかと言えば、そういうわけではありません。他のスタッフも掛け持ちしているなかで、連携しあってとりまとめて形を作っているにすぎない状況でした。圧倒的な人員不足であるのです。そういう状況で多岐にわたる政策をチェックしたり、対与党向けに政策を吟味したりすることは、不可能な状況で、上記のような番記者との連携も生まれてしまうわけです。
もちろん、国民新党の看板であった郵政民営化反対についてや郵政政策、地域政策、金融政策については十分なサポートの力がありました。また経済政策においてはエコノミストの菊池英博先生がいましたし、中村慶一郎先生もいらして、大変に素晴らしい政策や方向性を示して頂きました。
そして、結党をした綿貫民輔代表、亀井静香代表代行、亀井久興幹事長のお三方は見識も経験も大変に高い政治家でした。今でもそのお三方から学んだ政治への眼差しや哲学は私の中心にあります。
そのようなしっかりとした哲学と人々への眼差しをもった政治家、十分なスタッフ、そしてキーマンとなるブレインがそろうことが、政党の土台となり、そうなって初めて国政に貢献できるものと考えます。
ただ、国民新党の場合は、十分なスタッフとは言えず、能力も高かったとは言えないだろうと思います。実際、予算に関する資料が国会内の控え室に積み上げられていましたが、積み上げれば1メートル以上になるそれらの資料に目を通す時間はスタッフにはありませんでした。

このような状況は、現在の野党においても当たり前の状況ではないかと思います。そもそも、国会の各委員会に対応した十分な人員を配置していることはないでしょう。感覚的には議員数の5倍くらいの政策スタッフが最低限必要と考えますが、そのような金銭的な余裕はありませんし、そもそもそのようにお金を使うことは無駄という考えを持つ政治家は多いでしょう。もちろん、議員の政策担当秘書は各議員に属するので、党の政策立案とはまた別になります。このような状況なので野党の政策・調査能力というのは非常に低いわけです。そして、このような土台がなく、議員が思ったことが政策になってしまうから、野党はいつまで経ってもばらばら、力を持てないのだと考えます。
現状は、現野党の政務調査会や政策審議会のスタッフが、議員の会合をセッティングし、その資料などをつくるので精一杯でしょう。そして、無能な政治家ほどそのようなスタッフを小間使いのようにつかい、議員であることを満喫しますから、さらにスタッフは足を取られます。そして、議員に能力があるかと言えば、そんなものはないわけです。そういうところから野党のふがいなさの批判が出てくるわけです。
自民党も、状況はそれほど変わらないと思います。ただ、自民党は政権担当期間が極めて長く、長年官僚組織と一体化していますし、政調に族議員ならぬ族職員がいて、その政官一体の要になっていたりします。自民党の国防部会から強硬路線が出てくるのはそのような背景があると考えます。自由民主党は政権担当を長年しているので、議員も職員もそれなりの蓄積があるのは間違いありませんが、霞ヶ関との関わりがあって初めて生まれる状態と考えます。

純粋に政党として政策能力があるといえるのは、日本共産党だけだと考えます。共産党との関係は全くありませんが、私が政界に入ったときからこの見立ては変わりません。彼らはよく勉強しているというのが私の変わらぬ印象です。
さて、以下のような記事が出ています。

「統計不正、『キーマン』登場も解明進まず=立憲、ちぐはぐ対応−衆院予算委」(2019年2月9日 )

この記事のポイントは以下の部分です。


ただ、立憲民主党は大西氏の招致を強く要求しながら、同氏への質問が少なく議論は低調なまま推移。対応のちぐはぐさが目立った。


この記事を読んで、国民新党時代のことを思い出しましたし、上述のことを思いました。党に政策能力も調査能力もないので、無理もないと。このことは立憲民主党に限ったことではありませんが、国民からの政党への献金は多くはなく、政党の運営は政党助成金などを中心としている実態では、選挙結果によって議席が多くない政党は、当然、政策能力も調査能力も落ちます。それは国民の選択の結果であるのですが、その選択によって野党の力がどんどん弱まっていくというスパイラルになっていくということは否めません。
一方で、野党のふがいなさを見て、国民が選択をしているとも言えるので、実際のところ、現状は悪循環になっているのです。

とは言え、立憲民主党の場合、結党以来ある程度の議席も増え、支持率も高い状況が1年以上続いている中で、同党は政策能力・調査能力の向上のためにスタッフの拡充を行ってきたのかというそもそもの疑問があります。これまでと何も変わらずスタッフを小間使いのように使い、議員が思ったことが党の政策になるような何も変わらない古い体質があるように思えてなりませんし、その結果がこの記事の示す本質だと思えてなりません。
記事には、立憲民主党が大西前政策統括官への参考人招致を執拗に求めたのに対して、質問が淡泊だったのことの理由として、同党幹部は「官僚をいじめているように見える(ので抑制した)」(同上)と説明したとあります。こんな甘いことを言っていては、将来性は間違いなくゼロでしょう。これではイメージ先行と言われるだけですし、そもそも国民に対する役割の意識も、責任感も全く感じられません。
野党はまず与党のチェックをすることが第一です。与党が無謀な法案を出してきたら対案など出す必要はないのです。それは、無謀な法案や政策に対しては、現状維持という立派な対案があるからです。変えたことによって社会が悪くなった政策や法案はいくらでもあります。だから、対案を出せるのなら出せば良いですが、無理にする必要はないわけです。それに野党には政策実現のイニシアティブはありませんから、対案を出したところで与党案とは水と油、世界観が異なりますので、そもそも対案はあまり意味がありません。むしろ、まずチェック能力、政策・調査能力を磨く必要があるわけです。その上で政策立案能力、政権担当能力へと繋がっていくわけです。今の状況は最初のハードルすら越えられていないということなのです。
「政党の政策・調査能力?」(2019年2月10日)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、爾来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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