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[日本の政治] | |
2019年2月11日 23時55分の記事 | |
レオパレス21問題は非常に問題ある事案であることは誰もが認めることでしょう。 「『もはや詐欺的だ』語気強めるオーナー レオパレス問題」(2019年2月8日 毎日新聞) 「建築不備で1.4万人転居 レオパレス21“悪質経営”の実態」(2019年2月10日 日刊ゲンダイ)
11日のTBS『Nスタ』を観ていたら、この大規模な建築不備問題について解説していて、仕切り壁、外壁、天井とそれぞれの建築不備についてのレオパレス21側の説明が流れていました。しかし、どの説明も最終的には意図的に利益追求のために行われたものではないということにポイントがあると思わざるを得ません。恐らく多くの方々がそのように思ったでしょう。 このレオパレス21の件は、2月5日放送をはじめ、これまでのテレビ東京『ガイアの夜明け』での報道がその発端にあるわけです。とてもよい報道をしたと思います。この番組を観ると、レオパレス21の経営陣が昨年5月29日に行った記者会見で、界壁問題を知ったのは昨年3月・4月と答えていますが、そのことに番組は鋭く切り込んでいます。もちろん、そこには嘘があると普通に思いますし、番組でもレオパレス関係者の証言を流し、証言では嘘と断言をしています。また昨年の同社株主総会でも界壁問題を経営陣が以前から知っていたのではないかと株主からも疑問の声が上がったと番組では報じていました。 上記2番目の日刊ゲンダイの記事でも同社の経営体質が問題視されていますから、会社の経営体質に問題があると考えるのは普通です。そうでなければこのような大規模な問題はそもそも起きません。 それにしても、知らなかったという台詞は、最近、国会の答弁でも同じように聞いた覚えがあります。最近だけではなく、ここ数年という方が正しいでしょう。保身とごまかし、自己都合優先は表裏一体、三位一体なのです。 このレオパレス21の件を観ていると、昨年、ある不動産会社が除菌スプレーを大量に噴射して大爆発を起こした事件を思い出しました。基本的に構造は同じではないかと考えます。 ここ数年、問題の大小はありますが、日本の企業によるごまかしや不正は、枚挙に暇がありません。安心の日本製などと言っていられない状況ですが、これは企業の問題と言うよりも、日本人そのものレベルが落ちてきたために生じていることでしょう。保身とごまかし、自己都合優先は表裏一体、三位一体で、そういうものが社会に目立ってくるのは劣化の証左と考えます。 もちろん、このことは日本人の劣化の問題ですから、当然、経済界だけではなく、政界や官界も同じであるわけです。統計不正問題、森友・加計問題、すべてに同じような構造を見いだします。 このように人間の質が劣化しているときは、歴史の常として亡びていきます。まさに内部崩壊ということです。昨今のニュースを見ていると、そのことを示す徴候が溢れていますし、劣化が社会全体に蔓延しています。 政治の状況を中心に考えれば、現在の政治の状況はそのような社会全体の実像を移す鏡だと考えます。そして、このことは、問題が指摘されているのに安倍政権への支持が高い理由だろうと考えます。要するに問題を問題と考えないという劣化が背景にあり、そのような支持基盤の上に、安倍政権がなり立っていると言うことと考えます。単に野党の非力さだけが問題ではないでしょう。日本の社会の崩壊や凋落は、いずれ必ず生じると考えます。 このような劣化し、道徳観がなくなった社会で気をつけなければならないのが道徳を掲げた不道徳な集団が現われることです。もう現われているかもしれません。社会が道徳のなさに疲れてくると、道徳の重視を掲げれば当然、支持が集まります。つまり、そのような支持を目的に道徳を掲げるわけですが、そういうことによって、独裁的な状況が生まれ、強化されるという滅びのスパイラルに陥っていきます。もう始まっているのかもしれません。新興宗教によくこのようなことが生じますが、過去のナチスや戦前の日本の軍国主義体制もまた同じでしょう。 このような危険性を踏まえて、道徳や社会常識と言うことを見つめ直すことが、今の日本には確実に必要なことです。 | |
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