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ひどい政治とは、良い政治とは?
[日本の政治]
2020年2月25日 3時26分の記事

昨日の本ブログ「ひどい政治とは、良い政治とは?」(2020年2月24日)の続きです。

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新型コロナに対する安倍政権のあまりにも杜撰な対応
さて、前川さんが指摘する人を大切にしない悪しき政治の現象は、子どもたちの境遇だけではなく、まさに現在の新型コロナに対する政府・政権の対応に如実に出ています。安倍政権のそれはまさに杜撰という一語に尽きます。
政府による新型コロナウイルス感染症対策の基本方針が出るとのことですが、いくら何でも遅すぎるでしょう。普通に最低でも三週間前に出ていてしかるべきことと考えます。ブログに「オリンピックのための棄民政策か?」(2020年2月10日)を書いた2月10日には、基本政策ができていておかしくない状況です。なぜなら2月6日のNHKの記事「“疑い”ぬぐえぬ患者 対応苦慮」(2020年2月6日 NHK)にあるように、すでに市中において感染が拡大していることが明らかだからです。ただ、そのような疑わしき患者を調べようとしなかっただけです。
政府ならもっと早い時期に様々な情報が入っているでしょうから、2月4日には基本方針ができあがっていて当たり前なのです。それを三週間も遅れているわけで、はっきり言って底なしの無能としか言いようがないでしょう。
テレビによく出演している白鴎大学の岡田晴恵特任教授のコメントをずっと見てきましたが、岡田さんの指摘は非常に的確でタイムリーなものばかりでした。彼女の指摘通り行っていれば、政府・行政の対応は今よりはるかに迅速かつ的確でかなり評価されていたと考えますが、今頃、基本方針を出しますと言っているのですから、話しになりません。岡田さんは事細かく、方針をその都度、口にされていました。安倍政権は事態を故意に悪化させる方向で動いているのではないかと思えるほどの無能さです。
安倍政権のように無能な政権があっても、私たちの社会、日本の得がたいところは、岡田さんや神戸大学教授の岩田健太郎さんのような有能で心ある方々いることです。上述の前川さんもその一人であるのは間違いありません。問題なのは、そのような人々がしかるべきポジションにいて、しっかりと指揮を執っていないことでしょう。ただ、今の政府・政権ではそのような人々が中にいたら邪魔され、潰されてしまうことでしょう。
いずれにせよ、そのような有能で心ある方々が日本の社会にいると言うことは、必ず日本の社会が良い方向に社会が変わっていくということを示しています。そのことを今の日本人は忘れるべきではありませんし、そこに私たちの希望があるのです。

安倍政権がつくり出すパニック
安倍政権・厚労省は、この新型コロナについて二つの意味でパニックの素地をつくり出しています。
一つはあきらかに杜撰な対応をし、やる気も見えなく、国民への真摯な態度がまったく見えないことから、国民の不安を明らかに増幅させていることです。
もう一つは、その杜撰でやる気が見えない対応が、実際の状況を非常に悪くしていることで、このことによって大きな心理的パニック、経済的パニックの状況を完全に作り出していることです。
これまで日本では、罹患者の検査をしないようにしていて、また検査態勢を拡充しようともしていきませんでしたので、実態がわからないようになってきました。中国では一日数千人規模で感染者が公表されてきましたが、これはそれだけの検査能力があることを示しています。しかし、日本ではクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客・乗員全員の検査は、いつまでも完了しませんでした。たった四千人弱の数です。それだけ日本の検査能力は低く、そして、何よりも政府はその能力をあげようともしてこなかったわけです。
以下のリテラの記事では、検査数が韓国のたった5%であることが書かれています。そして、実際、上述のNHKの記事のように罹患の可能性がある怪しい人でも、武漢などからの帰国者でない人は、そもそも検査対象にならなかったという時期がかなりの期間あるわけです。それなら、検査も少ないし、罹患者も少ないわけで、しかし、そのようにしていても現実が変わるわけではないのです。本当に馬鹿らしい限りです。ひどい政治の典型です。

「クルーズ船の厚労省職員を『感染者が増えるのは嫌』と検査せず…国内感染者増加を隠蔽する安倍政権、検査数は韓国の20分の1」(2020年2月23日 リテラ)

はっきり言えば、検査をしないで実態をわからないようにしてきただけで、それで実態が変わるわけではないので、いずれはその現実を国民が目の当たりにしていくわけです。このような政権・政府の態度には国民への真摯な態度は微塵も見えませんし(単に責任逃れだけに血道を上げている)、そのことによって国民は不安になり、同時に現実は悪化するだけなので、経済パニックも含めてそのような状況、パニックの素地がちゃくちゃくと醸成されていくわけです。そのような状態を明らかに安倍政権・日本政府は完全につくり出しています。
そして、このような状況では、パニック対策だからという言い訳が出てきて、政府の失態を隠すと同時に、事態を悪化させていくのは世の常です。戦前なら、戦況がまったくひどくなっているのに、お前は愛国心が足りないという言い訳で、現実を隠し、破滅へと突き進んだわけです。

現実に働きかける政治・政府の必要性
安倍政権の手法というのは、常に現実・実態にではなく、人々の認識に働きかけることに力点を置くものであり、そうこれまでやってきました。だから、経済は悪いと指摘されても、指標の算定基準を変えたり、本質的ではないことをいって誤魔化してきたわけです。森友・加計問題では公文書の不正までして、問題がないと言ってきたわけです。桜を見る会問題でも、基本は同じです。すべて、人の認識に働きかけて、現実には蓋をしてきたわけです。そして、政権の擁護者がデタラメなことを大声で言いまくって拍車をかけてきたわけです。
しかし、人々の認識に働きかけて、現実や実態を見えないようにしているだけで、現実や実態を改善・変化させてきたわけではないので、いずれ、それは破綻するわけです。それが、この新型コロナであり、経済問題も間違いなくそうでしょう。
良く考えれば、このような現実ではなく、人の認識に働きかけて破綻させるのは、右翼や日本政府のお家芸です。先の大戦中は、B−29が頭上を飛んで、焼夷弾が街を焼き尽くしても、連戦連勝と言い続けて、最終的に国を滅ぼしたわけです。このことが日本の歴史において最低最悪のことでしょうが、いまだにそのようになったのはその人たちのせいではなく、むしろもっとその人たちを賛美しなくてはならず、その時代に戻そうと言っているのが右翼であり安倍政権であるわけです。
そして、そのような安倍政権の本質が、この新型コロナ対策にも、子どもの貧困などに対してもありありと出ているわけです。

私たちの日本に必要なのは、新型コロナのような問題について、国民を基点において、人を大切にし、事態を的確に評価分析できて、迅速に真摯に現実に対して対応する政治家と政府です。これはもちろん、子どもの貧困問題や経済問題、外交などすべてにおいて共通にいえることです。

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○ 『餓死した英霊たち』

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先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

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◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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