森氏は女性蔑視発言、小池氏は民主主義否定発言 | |
[日本の政治] | |
2021年2月5日 23時59分の記事 | |
五輪組織委員会会長の森氏の問題発言。森氏については、首相時代から問題発言などで問題視されてきた人物。そもそも五輪を取り仕切る大役には相応しくないのは、当初から多くの人々が考えていたことで、それが今、噴出したにすぎません。そして、その森氏とその発言について、都知事の小池氏が2月5日の定例記者会見でいかに反応するかに焦点が集まりました。結果は、何度も、記者にその森氏発言の問題点について問われましたが、小池氏は不問に付しました。 「小池都知事定例記者会見(令和3年2月5日)」(2021年2月5日) (※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)
この森氏発言については、この小池氏の記者会見の前に、以下の記事のようにIOCのバッハ会長が不問に付し、政府は進退に関わる問題視はしないと報じられているので、小池氏が不問に付したのは、単に政治的に日和って保身に走ったからなのは明らかと考えます。小池氏が女性への侮辱発言に対して、はっきりとノーと言わないのは、ご自分の政治的な立場の問題と言うことと考えます。小池氏は別に女性のことを考えているわけではないのは、こういう経緯を観れば一目瞭然です。自分のことは良く考えていると考えます。 「バッハ会長『森氏謝罪を理解』 政府は進退求めず―女性蔑視発言」(2021年2月5日 時事通信) そう思って、この小池氏の記者会見を観ていたら、以下のように、社会全体が悪いと言い始めたわけです。記者からの質問で森氏発言の問題点について小池氏が見解を問われているのに、小池氏はそのことには一切、答えていないにも関わらずにです。要するに、森氏はまったく問題ないが、社会は間違っていて、修正する必要があると言い始めたわけです。上記のように小池氏が森氏発言を不問に付す理由はわかりやすいと考えますが、それを不問にして社会が悪いと言い始めるのは、ものすごく悪辣な論理のすり替えです。 この記者会見を観ていて、私自身は森氏のような女性蔑視発言をしているわけではないのに、小池氏から自分が罪人のように言われていると率直に感じました。小池氏が森氏発言を不問に付すことを誤魔化すための子どもレベルの幼稚な論理展開・論理のすり替えなのですが、そのようなことをテレビで小池氏が述べている姿を観ていて、現実なのか信じられないという気持でした。言語道断な幼稚な発言ですが、明らかな社会への挑戦です。 この小池発言は、記者会見での質問の時間の最初になされています。以下のようなやり取りです(34分32秒頃)。 記者: それでは幹事社から3点お伺いします。 まず1点目は、オリンピック・パラリンピックの関係で、組織委員会の森会長の発言の関係なんですけれども、森会長は昨日、発言を撤回して謝罪するというふうに表明されました。ですが、なお国内外での反発が非常に大きくて、ボランティアの辞退などの動きも出てきています。 今月にはIOCのバッハ会長、それから森会長、橋本五輪担当大臣、そして小池知事による4者会談も予定されていますけれども、問題となった発言が女性が多い会議は時間がかかると言う内容だったことをふまえますと、この4者会談もですね、本質的な内容とはまったく別の観点でですね、注目を集めてしまいかねない、というふうに危惧されるんですけれども、こういった点も踏まえて、改めて森会長の発言の問題点について、知事のご見解をお伺いします。 小池: さきほど、森会長からお電話頂きました。本当に申し訳ないと、その発言については心底撤回をするという話がございました。 橋本さん、橋本大臣、そして私、同じ想いで受け止めたところもあろうかと思いますが、世界にしっかりと日本における女性の活動活躍などについても伝えていきたいというふうに思っております。 それから、私、昨日もぶら下がりで申し上げたんだけれど、今、予算委員会やってますよね。ずっと画面で予算委員会の模様が出てますけれども、他の国でこれほど多くの背広で黒々としているあの会議体って、あまりないです。 そして、私は是非、今回の事についてはですね、改めて全体見直すべきじゃないかということを強く申し上げたいです。 都の都議会の方、東京都の都議会についても、私が最初に知事に時も、あの男性が多かったんですが、今、あの全国一位で3割女性議員ですよね。これは都民の皆さんが選ばれることなんですが、あのー、改めて見直してみて、予算委員会の模様を見ていて、みんな何を感じておられるのか? 何も感じておられないのか、私はそれは日本全体の問題ではないかとつくづく思っております。 都としてできることをしっかりやっていって、一つの見本になればと思っておりますし、今は都の審議会の女性はですね、今32%ぐらいですか、これ、是非35から40、本当は50%で半々で、人口比で行くとそれぐらいを当たり前にしていきたいと思いますし、こういうまだ数値目標を持ちながらやってるって言うのが日本の実態がありますし、それに到底届かないような状況のところでも山ほどありますので、それぞれがそういったことを、改めて皆さんの会社だってそうですよね、改めて見てください。 そして女性も、チャンスを作って、そしてつかみ取って、努力もしていかないと、世界のさまざまな競争にですね、コンペティションに勝ち抜けない、そう言う想いです。今回、色んな事が、あのオンラインもなかなか日本は出来てませんでしたとかですね、色んな問題がこう発露してきていますが、そのうちの一つではないかと思います。 いずれにしましても、オリンピック・パラリンピックについては、東京都としてできること、まずコロナ対策、これなどもしてしっかりしていきたと、いうふうに考えております。 「小池都知事定例記者会見(令和3年2月5日)」(2021年2月5日) 小池氏の民主主義否定発言 記者に森氏発言の問題点について小池氏の見解を問われているのに、そのことには一切答えていません。それは会見最後まで変わりません。そして、森氏の問題の代わりに国会の予算委員会は男性ばかりで問題だと言っているわけです。森氏は問題ないが、社会全体が間違っていると。基本的にこの論理展開は頭がおかしいと言うことなのですが、いくらなんでも論理のすり替えのやり過ぎです。そこまでして、森氏の機嫌を取りたいのでしょうか? 国会の予算委員会。この委員会にいる議員たちは、曲がりなりにも主権者が選んだ人たちです。その主権者の選択を問題があると言っているのが、小池氏であるわけです。これは驚くべき完全な民意の否定なのです。 この予算委員会の人々が独裁者によって選出されたというのなら、それは問題と思いますが、そうではなく、曲がりなりにも男女の主権者・有権者によって選ばれた議員です。その選出された人々がおかしいというのは、主権者・有権者の選択と民意を完全に否定すると言うことなのです。これは完全なる民主主義の否定です。間違いなく民主主義国の為政者として極めて問題がある発言であり、即刻辞任に相当することと考えます。どうして、この発言を、あの場にいた記者は問題にしなかったのでしょうか? 不思議でなりません。 小池氏は自分に都合が良ければ森氏は問題なしと言い、自分が気に食わなければ主権者の選択と民意を完全に否定するというのは、小池氏はまさに独裁者、人治主義者ということを示していると考えます。森氏が小池氏に謝罪の電話をかけてきたということを、会見の質問に応える最初に持ち出すこと自体が、人治主義者、独裁者の感覚でしょう。森氏が小池氏に謝ったから問題ないということなのです。そこには社会的、公共的な視点はなく、極めて人格的に問題があります。 そして当たり前のように言われる逆差別発言 また、この会見で、小池氏が森氏発言は問題にせず、社会全体・男性全体が悪い、男性が多いだけで悪いとしている発言を観ていて、「オレ、何も女性蔑視のことを言っていないのに、オレが悪いの?」と率直に思いました。私は男性であるだけで罪人なのか、と。男性の中にはしっかりと女性のことを考えて、言動をしている方は本当に沢山います。しかし、小池氏はそういう男性たちを無視して、その人たちが悪いと言い出したわけです。これにはさすがに驚きました。 小池氏は民主主義を完全に否定するだけでは飽き足らず、小池氏が男性の存在を糾弾しはじめるのを聞いて、いわれのないことを言われていると感じる男性は多くいると思います。それも女性蔑視発言をしている森氏を不問に付してです。この差別はどこから生まれるのか? とにかく、この小池氏の子どものような論理展開には驚くばかりですが、この発言の背景には、すべての男性は問題があるという前提に立っているわけです。 これは基本的にバブルの時からの論理展開と考えますが、本質的には男性蔑視、逆差別の視点に立っているのです。そして、都知事は男女を問わず、都民の利益を考えなくてはならない存在ですから、その地位にまったく相応しくない発言であるのはいうまでもありません。小池氏のように人口における男女比に沿った政治責任者と言うことなら、一人しかいない知事というのは、その性別がどちらであっても、そもそも、その存在そのものが間違っているということになります。それなら知事は二人で男女それぞれ一人ずつとしなければならないわけです。小池氏はこのような自己の存在を否定する非常にバカげた発言をしているわけです。 さらに小池氏の論に従うのなら、女性知事である小池氏は、そもそも男性を重視しなければならないのです。なぜなら、女性である小池氏が知事の東京都政には男性の意志が反映されていないということだからです。そう小池氏は言っているわけです。そして、小池氏はそのようにしてきたかと言えば、まったくしてきたわけではありません。今回の発言自体、それを示していますが、このように考えれば、小池氏は、そもそも自己矛盾する無責任な論を吐いているわけです。むしろ、小池氏は女性の地位に甘え、すべて都合良く好き勝手言っているに過ぎません。そういう一環に森氏を不問に付すとういこともあるのです。まさにバブルの時代の感覚で言っているわけで、30年前の感覚から何の成長もないのが小池氏の稚拙な論理の本質と考えます。 小池氏の思想・考えには、そもそも男女平等と男女和合の感覚がまったく欠けています。単に社会を分断するだけの考えです。こういうのことも分断統治の一種と考えます。 五輪組織委員会会長は女性蔑視、五輪ホスト都市の知事は民主主義を完全否定し、逆差別発言を平気でするわけです。このような体制が五輪開催において相応しいのかは甚だ疑問です。両名とも即刻辞任すべきでしょう。 それでいて、今度は森氏が辞任したら、次期会長にアベ氏が浮上していると以下のように報じられています。アベ氏は戦前の軍国主義復古主義の右翼で、嘘つきで有名であるわけで、まったく日本の顔、五輪に相応しくないでしょう。いい加減、ウソばかりつく右翼はごめんなのです。 そして、小池氏も森氏も右翼ですが。 「森会長は辞任拒むも…安倍前首相が次期『組織委会長』に急浮上の仰天」(2021年2月5日 日刊ゲンダイ) 「愛知県知事リコール、83%に不正の疑い 大村知事『民主主義に対する挑戦だ』」(2021年2月1日 東京新聞) | |
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