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ただただ優柔不断 その2
[日本の政治]
2021年2月21日 23時54分の記事

本ブログ「ただただ優柔不断」(2021年2月20日)で取り上げた、2月18日のアエラの記事「菅首相“推し”も処遇、文春砲で最後まで渋った橋本聖子”新会長”『議員辞職はしなくていい』と説得」の内容の一部が少し違うのではないかと考えます。皆さんはどうお考えになるでしょうか?

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まず、以下の部分です。小池氏が森氏に引導を渡したという部分です。世間一般でこのように言われていますが、明らかにそれは違うでしょう。


森氏の失言後、組織委員会の会長問題で脚光を浴びていたのは、東京都の小池百合子知事だった。森氏や橋本氏、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長との「4者会談」の欠席を表明。森氏に“引導”を渡す格好となった。次期会長人事でも小池知事は会長候補にシンクロナイズドスイミングのメダリスト、小谷実可子氏を推していたという。


結論から先に言えば、森氏に引導を渡したのはIOCです。それは以下の二つの記事から明らかです。
上の記事は、森氏の発言について、当初は不問に付していたIOCが態度を一転、発言を不適切と声明を出したことを報じるもので、2月9日午後8時22分に配信されています。
下の方の記事は、小池氏が五輪4者会談に出席しないと発言したことを報じるものですが、10日午前11時33分に配信されています。もちろん、小池氏の発言も10日です。上記、アエラの記事ではこの小池氏の4者会談欠席発言が森氏に引導を渡すものであったと言っているわけです。

「IOC『森会長発言は不適切』 批判収まらず改めて声明」(2021年2月9日 朝日新聞)

「小池知事『私は出席しない』 五輪4者会談、森氏発言で」(2021年2月10日 朝日新聞)

しかし、引導を渡しているのは時系列で観ればIOCであるのは明らかです。IOCが森発言が不適切という声明を出せば、それはまさにトドメ、引導を渡すことになるわけです。そして、このIOCの声明を見て、小池氏が4者会談に出ないと言っているに過ぎないのは、明らかです。どうして、アエラが上記のように小池氏をわざわざ持ち上げるような書き方をしているのか、非常に疑問です。実は記事では「森氏に“引導”を渡す格好」と格好という言葉で事実は違うと言っているのですが、この文面の字面を読めば、普通は小池氏が引導を渡したと見えてしまいます。明らかに印象操作の記事と考えます。
そして、その『引導を渡したはずの小池氏』は、その後、実は森氏が後継指名して大きな問題になった川淵人事についてすんなり認めているのです。本ブログ「キーワードは差別主義?」(2021年2月17日)でこのことは取り上げていますが、そこで引用したリテラ記事には、川淵人事についての小池氏の態度について以下のように書かれています。


実際、川淵氏は11日にメディアの取材に応じた際、「外堀が埋まっていて断るような状況じゃなかった」とし、こう語っていた。
「もう、森さん『とにかく後を任せるには川淵さんしかいない』と。で、まあ、たとえば小池さんと話して、菅総理やら安倍さんとか、あと誰だっけ、みんな話して……あと武藤(敏郎)事務総長。『川淵さんならぜひいい』というふうなことで。菅さんあたりは『もうちょっと若い人はいないか』とか、当然の話だよね、それは。そういうことを言わないとおかしいと思うんだけど、『女性がいないか』って話はあったって聞いている」
「手落ちなくいろんな人の意見を聞いて『川淵でいこう』ということを言っていただいたんでね」
 
「密室談合の川淵三郎後任人事は森会長だけの問題ではない 菅首相も安倍前首相も小池百合子都知事も全員が認めていた」(2021年2月13日 リテラ)


小池氏が森氏に引導を渡していないから、このようなことになるわけです。このリテラの記事を観ると、IOCが森氏に引導を渡した後は、小池氏も含めて森氏、スガ氏、アベ氏が森氏の進める川淵人事でスクラムを組んでいることがよくわかります。
そして、この川淵人事を潰したのもまたIOCなのです。IOCは当然のことをしています。それを以下のように2月14日のアエラが報じています。

「女性蔑視発言の森喜朗元首相『川淵後継』を止めたのはIOCだった」(2021年2月14日 アエラ)

小池氏も含めて日本側の森氏、スガ氏は、女性蔑視発言の森氏の責任について明確にはせず、実はすべての筋を通したのはIOCなのです。自分では何もできない日本人。そう感じてしまいます。いつものごとく、我が身だけを考えるから、公の理・筋道がまったくなくなってしまい、迷走する日本ということです。
どうして、冒頭で取り上げたアエラがあのような小池提灯記事を書くのか、本当に理解に苦しみます。
また、この冒頭で取り上げたアエラの記事では、橋本聖子氏の人事についてことさらに『スガ対小池』という構図を言っていますが、上述したように森氏が進めた川淵人事を小池氏も含めて日本側の森氏、スガ氏というスクラムを組んでいるのですから、森氏の秘蔵っ子の橋本氏の人事についてもまったく構図は同じと考えます。ですので、この記事の最後に以下のように書かれています。記事での「小池氏に電話で根回しして橋本会長にこぎつけた」というのは、上記、川淵氏が小池氏に電話をかけて小池氏が川淵人事にOKを出したのとまったく同じです。実際のところ、スガ氏と小池氏は対立していないと言うことなのです。


「菅首相は本音では小池さんが大嫌い。これを機に政治的立場を有利にしようという小池氏の魂胆に反撃したいとの思いがあった。菅首相は低迷する支持率を、アップさせるためにはなんとしてもオリンピックを実現したい。その勢いで解散総選挙に打って出る構想を描いている。小池氏がこれ以上、目立つと、自身の立場が危うい。今回は菅首相が小池氏に電話で根回しして橋本会長にこぎつけた」(前出の自民党幹部)

「菅首相“推し”も処遇、文春砲で最後まで渋った橋本聖子”新会長”『議員辞職はしなくていい』と説得」(2021年2月18日 アエラ)


小池氏も含めて日本側の森氏、スガ氏というスクラムに日本の本当の構造的な問題があるのです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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