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現状を把握するための必読の一書
[日本の政治]
2021年3月28日 23時36分の記事

2011年9月10日に出版された以下の『原発と権力』は、福島第一原子力発電所事故というトンデモナイ、あってはならない事故を著者が目の当たりにして、世に問うた秀作です。そして、著者が後書きで、福一の事故というのは戦後の日本を象徴する「昭和モデル」と書いていますが、まさに福一の事故は政(自民)・財・官が融合した55年体制の本質を示す象徴と言えるのです。だからこそ、この『原発と権力』は現在を知り、未来を考える上で極めて重要な一書になるのです。

「原発と権力: 戦後から辿る支配者の系譜」(2011年 ちくま新書 山岡 淳一郎〔著〕)



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同書は日本中心の天動説的な見方に陥ることなく、また一人物に焦点を当てすぎて全体像がまったくに分析できていない駄作になることもなく、良く書けた一書です。同書のポイントを書くならかなりの量になりますが、ここではひとつだけ。終章の216頁以降には、民主党政権時の原発推進政策がまとめられています。カン(菅)政権ではベトナムとの原発輸出がまとまったり、連合の議員が原発推進に深く関わっていることが、非常にわかりやすく書かれています。
カン政権では驚くほどに原発輸出、原発推進を行っていますが、それを基本的にその後のアベ政権で引き継いでいるわけです。そして、このような原発推進策が55年体制、核兵器保有などの問題と関わっていくわけです。
言うまでもなく、この部分を読むと、現在の立憲民主党の体たらくの原因がはっきりします。原発と連合。この組み合わせが、立憲民主党の方向性を55年体制に縛り付け、そして、未来をまったく感じさせない遺物にしているわけです。連合と原発という枠組みによって、連合と連合関係者は完全に原発と55年体制の既得権益を守るための存在となっているわけで、だからこそ、すでに連合という存在そのものが、時代の趨勢にまっちしない遺物になっているわけです。マルクス的にいうのなら、単なる資本家の代弁者というレベルに過ぎないわけです。それが労働組合では、それは日本のほとんどの労働者が救われるはずはないのです。
だからこそ、日本に必要なのは時代にマッチした新しい労働組合であり、そのような存在が非正規労働者の問題も解決していくでしょうし、富の再分配、貧富の格差解消など日本人のほとんどの幸福を実現する中心点となっていくことでしょう。むしろ、このような存在がないことが、現在の日本の低迷の本質的な主要因でしょう。つまり、時代遅れの労働組合が、日本の足を引っ張っている一翼を担っていると言うことなのです。それはそうでしょう。福一の事故というあれだけの事故が生じているのに、いまだに原発にこだわる労働組合なのですから、それは時代にマッチしているわけがないのです。その本質は、まずもって、自分たちの既得権を守る存在でしかない、自分のことしか考えていないということなのであり、それはまさに社会においては賞味期限切れと言うことなのです。立憲民主党はそういう存在と心中をするのか、それとも共産党などとともに新たな地平を開いていくのか? それが問われているわけです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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