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ネオコンとしてのフランシス・フクヤマ
[日本の政治]
2022年3月25日 23時58分の記事

以下のクーリエ・ジャポンの記事では、「歴史の終わり」を著した米政治学者、フランシス・フクヤマが、『プーチンは完敗する』と『楽観的』な見通しを語っていることが報じられています。

「『プーチンは完敗する』政治学者フランシス・フクヤマが楽観的なワケ」(2022年3月25日 クーリエ・ジャポン)

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このフランシス・フクヤマが語っている内容は、基本的に現在の日本のメディアが大合唱している内容とまったく同じです。フランシス・フクヤマがどれだけの学者か知りませんが、誰が言っても同じという程度の内容です。
その内容は、戦前の『鬼畜米英、暴支膺懲(暴虐な中国を懲らしめろ)』と同じ扇動で、言ってみれば『鬼畜プーチン・ロシア、暴ロ膺懲(暴虐なロシアを懲らしめろ)』で、その上に『誤算が続き、弱いプーチン・ロシア』という情報がつくということに尽きます。
要するに、『鬼畜プーチン・ロシアは、誤算続き、全く弱いから、そのプーチン・ロシアを懲らしめ、成敗しろ』ということです。これを日本では朝から晩までテレビで流しているわけです。すべての情報がそうなっているのは、必然、それが戦争プロパガンダであることを意味します。
本ウェブページの右にリンクをはってある「戦争プロパガンダ10の法則」(2015年 アンヌ・モレリ〔著〕 永田千奈〔訳〕 草思社 )。この本については、丁度1年前からご紹介しています。
この本のことを本ブログ「戦争屋バイデン(ハリス)の時代 その1 (1)」(2021年3月26日)で書きましたが、この時にはすでに戦争を予期していたので、『戦争プロパガンダ』についての本をご紹介したのです。ちゃんと『戦争屋バイデン(ハリス)の時代』とかいてあるでしょ。
本ブログ「2014年、バイデンが大統領府でウクライナ政策を担当していたということの意味」(2022年3月19日)では、現状のロシア・ウクライナ情勢は『戦争屋バイデン(ハリス)の戦争』と申し上げ、そのバイデンの動きは2013・14年から続いていると申し上げました。
そして、昨年3月26日の上記ブログ「戦争屋バイデン(ハリス)の時代 その1 (1)」(2021年3月26日)では以下のように書きました。1年前の記事です。


バイデン米大統領が、ロシアのプーチン大統領を人殺しと発言したことが報じられています。本ウェブページの右上にリンクをはってある「戦争プロパガンダ10の法則」(2015年 アンヌ・モレリ〔著〕 永田千奈〔訳〕 草思社 )は大変良い本なのですが、この本で典型的な戦争プロパガンダの一つとして「敵の指導者(リーダー)は悪魔のような人間だ」という印象操作をし、情報を流布するというものがあります。まさに、プーチン大統領についてのバイデン氏の発言は、この典型的な戦争プロパガンダに合致するわけです。バイデン氏は政権についてまだ3ヶ月も経っていませんが、この発言はまさに戦争屋バイデン(ハリス)の真骨頂と言えるものなのです。

「『プーチン大統領は人殺し?』バイデン大統領『そう思う』 ナバリヌイ氏の毒殺未遂事件を念頭か」(2021年3月18日 東京新聞)

「プーチン氏、バイデン氏の『人殺し』発言に反論 『そっちこそ』」(2021年3月19日 BBC)

プーチン氏はロシアの国家元首です。それを人殺しと発言することはどんなことがあっても許されるものではありません。その発言は明らかに一線を越え、戦争が前提となる発言になるのです。それに、プーチン氏は曲がりなりにもロシア国民の選挙で選ばれた元首です。それをこのような言い方をしては、ただ、ロシア国民の敵対心をかき立てるだけなのです。それで、何か益があるのでしょうか? まったくないと考えます。それなら、バイデン氏の発言は、ロシアとの戦争を始めるためのものということになるわけです。



バイデンは昨年の大統領就任早々、既にロシア・ウクライナで2013・14年から続けている『戦争屋バイデン(ハリス)の戦争』を始めているのです。そして、現状にいたっているのです。これ以外ではないのです。
トランプでは絶対にこのようなことはなかったのです。だから、彼はその発言とは真逆にものすごく平和な指導者だったのです。いまだにこのことを理解できる人はとても少ない。そして、だからこそ、当時、トランプを批判していた人がバイデンを支持し、ロシア・ウクライナの戦争にのめり込み、もっと戦争をしろとウクライナに支援をするわけです。もちろん、このようになるように昨年からずっと戦争プロパガンダは続けられているのです。そのようなことにほとんどの人は気がついていませんが、そのことを上記の昨年3月26日のブログ記事で指摘したのです。
そして、このブログ記事のもう一つの重要なメッセージは言うまでもなくとにかく『戦争プロパガンダ』に気をつけろです。このようなことは1年前からわかりきったことなのですから。
このアンヌ・モレリさんの「戦争プロパガンダ10の法則」にはどのようなことが書いたあるか? その『10の法則』を下に書き出しておきます。


1  われわれは戦争をしたくない
2  しかし敵側が一方的に戦争を望んだ
3  敵の指導者(リーダー)は悪魔のよう人間だ
4  われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う
5  われわれも意図せざる犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる
6  敵は卑劣な兵器や戦略を用いている
7  われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大
8  芸術家や知識人も正義の戦いを支持している
9  われわれの大義は神聖なものである
10 この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である

「戦争プロパガンダ10の法則」(2015年 アンヌ・モレリ〔著〕 永田千奈〔訳〕 草思社 )



もちろん、今の日本でロシア・ウクライナ情勢についての情報を観れば上記にあてはまることはほとんど全てです。特に3、5、6、7、8、10などはあるでしょう。それはそうです。日本での情報は『戦争プロパガンダ』なのですから。

◎ ネオコンとしてのフランシス・フクヤマ
冒頭ご紹介したフランシス・フクヤマの記事でのポイントは以下のところと考えます。


その通りだと思います。封じ込めてきた理想主義がたまってきているのです。眠っていた1989年の精神が、今再び目覚めるところなのです。人々が、正当な理由のために戦うという思想に好感を寄せているのは、間違いないと思います。それに実質上この30年間は、大量消費主義と見境のない中流階級的追求くらいしかなかったわけです。
ついでながら右翼ポピュリズムのほうも、多くは同じ倦怠に駆られているものと思われます。

「『プーチンは完敗する』政治学者フランシス・フクヤマが楽観的なワケ」(2022年3月25日 クーリエ・ジャポン)



フランシス・フクヤマ自体は知識人なので、この記事は上記戦争プロパガンダの8『芸術家や知識人も正義の戦いを支持している』に該当し、記事の基本論調は7『われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大』が骨子になっています。そして、この記事のポイントである上記は9『われわれの大義は神聖なものである』で、『「理想主義」、正当な理由のために戦うことが今のトレンドだ』と言って、『神聖な大義』のために戦えとフランシス・フクヤマは扇動しているのです。それが、この記事のポイントです。戦争扇動。
でも、本ブログ「驚きの世論調査結果、そして日本経済の限界と戦時統制経済」(2022年3月24日)でご紹介したようにバイデンの米国での支持率は40%。1ヶ月前の世論調査では米国民の半数以上の53%がウクライナへの関与を望んでいないとなっています。明らかにフランシス・フクヤマの言っていることとは反対になっているのです。フランシス・フクヤマの話しはかなりいい加減な話しです。

「バイデン米大統領、支持率40%と最低更新=ロイター/イプソス調査」(2022年3月23日 ロイター)

「戦争に疲れたアメリカ世論 53%がウクライナへ関与望まず」(2022年2月24日 朝日新聞)

フランシス・フクヤマの歴史認識は、基本的にアメリカのチャイニーズ・レストランで出てくる『フォーチュンクッキー(おみくじクッキー)』レベルだと考えています。いつも、結局、何をいっているのかさっぱりわからないけど『なんとなく神秘的で知的で、ちょっとあたっている感じ』がするというレベルです。要するに中身がほとんど無い。
そんなフランシス・フクヤマはいかなる人物なのか?
そのことが以下の『ネオコン』についてのウィキペディアのページに書かれています。


フランシス・フクヤマ - 政治学者でネオコンのイデオローグの一人とされた、日系アメリカ人

(ウィキペディアより)



今回のロシア・ウクライナ情勢での戦争を作ったのは、この米国のネオコンと言われています。その筆頭が国務次官のビクトリア・ヌーランドですが、もちろん、このウィキペディアのリストに夫婦共々入っています。このネオコン、言うまでもなく戦争屋ですが、それが『戦争屋バイデン(ハリス)の戦争』をつくっているのです。
だからこそ、フランシス・フクヤマの記事がこのような内容で出てくるのです。普通に戦争プロパガンダの一環としか考えられないものなのです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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