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ジャーナリスト失格――都合良く論点を隠す
[日本の政治]
2022年6月28日 22時49分の記事

ウクライナのクレメンチュクの商業施設がミサイル攻撃を受けたことについて、以下のニッポン放送の記事のように辛坊治郎氏がコメントを述べています。

・ 『辛坊治郎「全ての責任はロシアにある」 ウクライナ商業施設にミサイル攻撃』(2022年6月28日 ニッポン放送)

・ 『ロシアのミサイル攻撃、死者20人 ウクライナの商業施設―捜索続く、各地で犠牲者』(2022年6月28日 時事通信)

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このミサイル攻撃ついて、同氏は「全ての責任はロシアにある」と述べていますが、その根拠はこのニッポン放送の記事の以下の部分でしょう。


先進7カ国(G7)の首脳は、ウクライナ中部のショッピングセンターへのミサイル攻撃を罪のない市民に対する無差別攻撃だと非難した。G7はウクライナ支援継続の声明も発表している。



これまで何度も申し上げてきたように、今回のロシア・ウクライナ情勢において最大のポイントは、これまで何年も続けられてきたNATOの東方拡大によってロシアが圧迫されてきたことです。そのNATOの東方拡大というアクションがあってのロシアのリアクションなのであって、NATOの東方拡大というものがなければ、ロシアのリアクション、すなわちウクライナへの軍事進攻もなかったのです。あくまでもNATOにその責任があるのです。つまり、NATOの東方拡大によって、ウクライナが戦場と化したのです。
ですので、トランプ政権が続いていれば、このようなNATOの動きとはならなかったので、当然、ロシアのリアクション、すなわちウクライナへの軍事進攻もなかったのです。
ヒラリー・クリントンが6月17日のFTで、『"If Trump had won in 2020 he would have pulled out of NATO—I have no doubt about that," Clinton said.』(『2020年の大統領選挙でトランプが勝っていれば、トランプはNATOから離脱していた――私は疑いなくそう考える』とクリントンは述べた)ということが以下のニューズウィークで報じられています。

・ 『Hillary Clinton Warns Trump Could Help Putin Path to Victory in Ukraine』(2022年6月17日 ニューズウィーク)

・ 『Hillary Clinton: ‘We are standing on the precipice of losing our democracy’』(2022年6月17日 FT)

このトランプの政策的な方向性は4年以上前から分析しているとおりなのですが、世界平和のためにはトランプ政権が続かなければならなかったのです。
しかし、人類にとって不幸にも戦争屋バイデン(ハリス)になってしまった。バイデン(ヌーランド)はまさにウクライナでのNATOの東方拡大をオバマ政権時代から続けてきた張本人ですし、そのオバマ政権で国務長官をつとめていたのは、何を隠そうこのヒラリーなのです。それなら、現在のロシア・ウクライナ情勢、世界が戦争の危機に見舞われている張本人の一人はこのヒラリーであるわけです。
これが現在のロシア・ウクライナ情勢の本当の実相なのです。
それなら、日本以外はすべてNATO加盟国であり、ウクライナでのNATOの東方拡大の張本人であるバイデンを頂点とする(本当はイギリスが頂点だが)G7会議開催中に、ウクライナのショッピングセンターへのミサイル攻撃が起きて、それをロシアが行なった『罪のない市民に対する無差別攻撃』と非難して、さらにウクライナへの介入を深めると言うことは、偶然とは思えないという考えるのが、まともな感覚というものです。
こういうことがあるから、米国でのバイデンの支持率は、バイデン政権が反ロシアの方向性を加速しても、支持率はどんどん下降していくのです。この辺りは日本とはまったく逆で、戦争と言うことについてシビヤな疑いの眼をしっかりと持っているのです。簡単に戦争の煽動報道に欺されるということがないのです。そこは、『平和ボケ』の日本とは逆で、辛坊氏のようにすぐに政府の発表を鵜呑みにしてしまうナイーブさはそこにないわけです。このことは、昨日の取り上げた池上彰氏も同じです。
その辛坊氏は、このウクライナでのショッピングセンターへのミサイル攻撃ついて以下のように述べています。


辛坊)ミサイルが着弾したショッピングセンターの映像を見ましたよ。ショッピングセンターで普通に買い物しているところにミサイル飛んできて、たくさんの人が死ぬなんて…。ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアは世界最大のテロ国家になった」と言っています。その通りだと思います。一方、ロシア側は「我々がミサイルを発射したのは軍事拠点で、それを迎撃するためのウクライナのミサイルが間違ってショッピングセンターに着弾した」といった趣旨の主張をしています。
私は、ロシアの主張を信じませんが、5億歩くらい譲ってロシアの主張が仮に一部正しいところがあったとしても、ロシアがミサイルを撃っていなければ、迎撃ミサイルを発射する必要はなかったわけです。ですから、どちらに転んでも全ての責任はロシアにあるわけです。私は、そう断定したいと思います。



そして、以下のように主張を続けます。


デマは、こういうときに飛ぶんですよ。「あれはウクライナの自作自演だ」とか言い出す輩が必ず出てくるんです。でも、ちょっと考えてみましょうよ。そもそも、ロシアが侵攻していなければ、こういうことは起きていないわけだし、ロシアがミサイルを撃っていなければ、迎撃ミサイルも発射されていないわけです。どちらが悪いか、それだけで分かるでしょう。ところが、そういう判断をできない人がごく一部にいるので、困ってしまうんですよね。



公正な見方をするのなら、現在は戦時なので、どちらの主張が正しいか判断できないと正直なジャーナリストなら言うべきでしょう。実際、戦場での出来事は、何が本当かはわかりません。
であるのに、辛坊氏はロシアが悪いと断定しているわけです。これはいかがなものかと思います。だから、私は当初から平和国家日本は中立を守るべきと述べているのです。
そして、さらに問題なのは、NATOの東方拡大というポイントを完全に無視して、都合の良いように論を展開していることです。私からしたらこのような手前勝手な論は単なるプロパガンダ以外の何ものでもないとしか言えません。
実際、フジサンケイ系列での報道で、木村太郎さんが以下の2月14日の記事でNATOの東方拡大について述べています。これはいずれにせよ、慧眼です。この時点でこのNATOの東方拡大を指摘しているのは、日本では非常に数が少なかったと考えます。

・ 『「ウクライナ危機」プーチンが引かない理由 アメリカとの“1インチ”の約束』(2022年2月14日 FNN)

ロシア・ウクライナ情勢についての分析で、このNATOの東方拡大を最大のポイントとして言わないのは、専門家としてモグリか、NATO側でプロパガンダの発言をしているものと申し上げてきましたが、このことは辛坊氏にもあてはまると考えます。
さて、件の木村太郎さんは、この2月14日までのコラムはとても良かったと考えますが、その後はまったくダメになってしまったなと考えます。とても残念です。辛坊氏と同じく、フジサンケイ系列は基本的にウクライナ一色ですから、その方向性になってしまったと考えます。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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