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キシダ政権支持率29%が意味すること その6
[日本の政治]
2022年9月21日 11時6分の記事

昨日の本ブログ「キシダ政権支持率29%が意味すること その5」(2022年9月21日)の続きです。


「キシダ政権支持率29%が意味すること その1」(2022年9月20日)

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自民党の村上誠一郎さんが、安倍晋三さんの所謂『国葬』には欠席を表明、安倍晋三さんを「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と評していることが以下のように報じられています。これが当たり前のまともな評価というものです。


安倍晋三元首相の国葬について「最初から反対だし、出るつもりもない」と述べ、欠席する考えを明らかにした。安倍氏の政権運営が「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判した。

・ 『安倍氏国葬を欠席へ 自民・村上氏』(2022年9月20日 時事通信)




私でさえも安倍晋三さんを『国賊』なんて呼べなかったのに、まったくさすがです。本当にまともな感覚をされています。村上誠一郎さんには、国民新党に私がいたときに一度か二度お会いしたことがあるように思うのですが、村上さんは、確か『村上水軍』の末裔だったはずです。やはりやるときは、きっちりちゃんとおやりになる方です。


○ 安倍晋三さんは日本の労働者のためには全く何もやっていない
以下のOECD調査の2021年の各国の平均賃金の統計では、日本は25位、韓国は20位です。以下の2番目の記事のように、2020年の統計で日本が平均賃金で韓国に抜かれていることが話題になりましたが、その時の日本の順位は22位で、韓国は19位です。2021年、韓国は前年の順位を一つ下げていますが、日本は3位下げているのです。日本はまったく話にならない。これが韓国のカルト団体とズブズブで『国賊』と呼ばれている安倍晋三さんのアベノミクスの結果なのです。

・ 『平均賃金 (Average wage)』(2021年 OECD)

・ 『韓国に抜かれた日本の平均賃金 上がらぬ理由は生産性かそれとも…』(2022年10月20日 朝日新聞)


私はこれまで韓国の文在寅前政権の賃金上昇・再分配政策を評価してきました。同時にアベ政治で労働者の賃金上昇をまったく行なわないことを、とにかく何度も何度も再三批判してきました。もう10年になります。そして、この10年の日韓の真逆のトレンドが、上記のOECDの統計にはっきりと現れたと考えています。当然の結果なのです。そして、このことが購買力平価での一人あたりGDPで韓国が日本よりも高いということになるわけです。
2020年4月26日の本ブログ『鮮明な明と暗 とにかく日本立て直しの最大の障害は安倍政権?』では以下のように書きました。


韓国のもう一つの強みと最重要ポイント
文在寅政権の強みは、今回の新型コロナウイルス対策や危機対応だけでは実はありません。その最大の強みはこれまで指摘してきた再分配政策にあると考えます。それがこれから大きな意味を持ってきます。経済規模は確かに小さいのですが、様々なポテンシャルとともにこの再分配政策は大きな意味と成果を必ず韓国にもたらすでしょう。
もちろん、日本でもこの再分配政策は必要なのです。ですので、消費税の減税から廃止、法人税の引き上げ、賃金の上昇と可処分所得の増加が確実に必要になってきます。これは間違いありません。コロナ問題の間、そしてコロナ後の経済・社会においてこの再分配政策は極めて大きな意味を持ちます。もうこれまでとは違う世界に私たちはいるのです。




そして、以下のように書きました。


そして、朝鮮半島には、まだ日本の人々が考えてもいない巨大なポテンシャルがいくつもあります。そういういものが、このお金の動きに現われていると考えます。
ですので、早ければ8年から10年後には、安倍政権で日韓は逆転したと確実に言われるようになると考えます。20年後では、間違いくそう言われているでしょう。したがって、安倍政権は日本をどん底に落とした政権と必ずいわれるでしょうし、ネトウヨというのがいてその輩は日本をおとしめる言説を振りまいた穀潰しだと必ず言われることでしょう。一部ではこれらの輩は朝鮮半島から派遣されて日本を貶めるための手先ではないかとまで言われると予測します(実際すでにそう言われています)。




『安倍政権で日韓は逆転した』と言われるようになったのは、このブログ記事から8年もかからず2年でなりました。安倍晋三さんが『お前が国難』と言われるだけのことはあります。そして、このままアベ政治を踏襲すれば、さらにひどい状況に日本は確実になります。
また『これらの輩は朝鮮半島から派遣されて日本を貶めるための手先』というのは、当然、安倍晋三さんのことも含めて、今の韓国のカルト団体のことを考えればよくわかります。ネトウヨというのはそういう存在なのであると考えます。とにかく、ネトウヨとみたら『穀潰し』と言い、その背景については韓国のカルト団体を考えなくてはなりません。
ただ、このブログ記事では、日本の凋落の原因について、以下のように書きました。



もちろん、原因は日本人である自分たちにあり、思考力を失った日本人そのものにその原因があるのです。私も含めて日本人の責任です。しかし、立て直すことは可能ですし、立て直していかないといけないのです。そして、その立て直しに最も障害となっているのが、安倍政権であり、ネトウヨなのです。そう心から考えます。まず、その障害を取り除くことが、復活への第一歩なのです。




私たち日本人の思考力が落ちているから『穀潰しのネトウヨ』をはびこらせてしまったのです。このことは真摯に反省しなければなりません。
そして、何より今こそ『アベ政治』から徹底して脱却しないと日本はさらに落ち込んでいきます。今は、日本がこれからの本当のどん底を経験しないですむ最後の分岐点と考えます。もう待ったなしなのです。
私は10年前から安倍政権に対して『最低賃金の上昇を含めた労働環境の充実、可処分所得の増加』を言っています。本ブログ『韓国の実勢と日本の実相』(2018年8月15日)では以下のように申し上げました。


私はマクロ政策を支持していますから、バラマキを完全には否定しません。むしろ第二次安倍政権発足と同じくして保守論壇でマクロ政策の必要性を誰よりも唱えています。そうしたのは、それがそもそも国民新党の経済政策であったからです。しかし、そのような政策をするのなら最低賃金の上昇を含めた労働環境の充実、可処分所得の増加をしなければ、バラまかれた国民のお金は国民に流れることはなく、外のものの懐に入り、当然、経済・社会のパイは縮小し、景気は足踏みになるわけです。このことはすでに第二次安倍政権の5年間で証明されました。
そして、このような経済の足踏み・停滞状態の上に国の借金だけが残るわけです。つまり、安倍政権がしてきたことは、お金をばらまいたが、国民に流れる政策を実行しないで、そのお金が全く別のところに流れ、経済は停滞、国民の借金だけが膨れ上がったというだけなのです。国民の借金の債権者にお金が安倍政権によってバラまかれるようなことが生じていないことを祈るのみです。このことは今後の重要検証ポイントの一つでしょう。




2012年12月16日の総選挙で安倍自民党が勝利して、民主党から政権交代しました。その日、私は『チャンネル桜』の選挙特番に出演して、バンザイをしていました。
そう、その時は私も『アベ応援団』だったのです。しかし、それでも、翌日の12月17日のチャンネル桜・井尻先生の番組に出演したときに、上記の『最低賃金の上昇を含めた労働環境の充実、可処分所得の増加』を最大のポイントとして申し上げました。確か、当時、井尻先生もそのようなお考えをもっていたと思います。
しかし、安倍晋三さんは、一向に賃金上昇の政策を実行しませんでした。私は何度も何度もそのことを批判してきましたが、結局、何もなされず、今にいたって日本の賃金は上がらず、韓国に抜かれたと指摘されるレベルについになったのです。
正直、この10年前の私の見立ては正しかったと思っています。ですから、2022年の現時点で、本当にアベ政治から脱却できなければ、日本はさらに沈んでいくと確信をもって断言できるのです。このことは待ったなしです。
そのアベ政治を安倍晋三さんと二人三脚で徹底的に擁護・推進してきた産経新聞(フジテレビ)は、当然、日本国民の賃金が上がることに否定的、後ろ向きでした。本ブログ『韓国の実勢と日本の実相』(2018年8月15日)では、産経新聞が『行き詰まる韓国・文在寅大統領の「ポピュリズム経済政策」 先にあるのは自壊ではないか』(2018年7月31日日)という記事で、当時の韓国の文在寅政権の賃上げ政策と再分配政策を否定していたので、私はそれを批判し、以下のように書きました。


以下の(ロ)の産経新聞の記事でも最低賃金を取り上げて、見出しではポピュリズム経済政策とレッテルを貼り、韓国は行き詰まっていると書かれています。

(中略)

この(ロ)の産経新聞の記事ではポピュリズム経済として、以下のように批判しています。


というのも、最低賃金引き上げの副作用による雇用不安などをカバーするため、文政権が持ち出したのが、税金を投入し低所得層や高齢者の所得を補うバラマキ政策の強化なのだ。(2018年7月31日 産経新聞)




ここが何より産経新聞の言いたいところなのだと考えます。韓国で文政権によって行われているポピュリズム政策は韓国は壊すと言っているわけですが、実際は韓国を批判して、日本でも同じようなことが起こらないようにすることが目的と考えます。文末では同じ理屈でトランプ大統領も批判しているわけです。要するに産経新聞は国民一般にお金が行き渡るのは、経済が壊れると言っていると考えますが、それはいかにも暴論でしょう。国民の敵なのですが、購買力がなくなった社会が持続するはずがありません。

訂正:『ポピュリズム政策は韓国は壊すと』⇒『ポピュリズム政策は韓国を壊すと』




安倍晋三さんや産経新聞をはじめとするアベ応援団は、日本国民の賃金が上がることなどの『最低賃金の上昇を含めた労働環境の充実、可処分所得の増加』を徹底して否定してきたのです。彼らは日本国民を愛していない。これは連合『ヨシノ』も同じでしょう。だから、連合『ヨシノ』は『親』安倍晋三さんの行動をして批判されてきたわけです。
かく言う、私も、かつてはアベ応援団であったわけです。その不明、改めて心からお詫びします。はっきり言って、10年前のその当時は、安倍晋三さんという人物の本質をまったく理解していませんでした。言うまでもなく私の勉強不足、見識不足です。私の仕事である評論活動は、みな様に考えるための視点や価値観を提示し、平和と人々の安寧に少しでも寄与することです。その力量が不足していたのです。今もまったくの力量不足かもしれませんが、当時はさらにひどかったわけです。
2012年当時、アベ応援団であった私は、その後、TPPに当初消極姿勢・反対を示していた安倍晋三さんが、一転、TPP推進になって、安倍晋三さんへの応援は完全にやめました。TPPに賛成する人間を応援できるはずはない。そこに政治家の思考のすべてがあるからです。
そして、それからの約9年は一貫してアベ政治批判を行なってきました。そのことは、本ブログやザ・フナイの連載をご覧頂ければご理解して頂けると考えております。

私の連載を47回も続けさせてくださった『ザ・フナイ』の主幹の舩井勝仁さんは、お父様の舩井幸雄さんが『未来への言霊: この世の答えはすでにある! 』(2014年 徳間書店)などで安倍晋三さんの批判を強くしていたこととは違い、とても安倍晋三さんに近いお考えであったと考えています。しかし、私はそういうことを一切忖度しませんでしたし、主幹の舩井勝仁さんも、私にまったく自由に連載記事を47回も書かせてくださいました。このことは念のために申し上げておきます。


「キシダ政権支持率29%が意味すること その7」(2022年9月21日)へ続く。

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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