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国家権力・政権党との繋がりが最大の問題点
[日本の政治]
2022年10月15日 23時55分の記事

以下の記事のように、キシダ政権が統一教会についての解散命令請求は『慎重にすべき』と閣議決定したことに批判が噴出しています。それはそうでしょう。キシダ政権は統一教会と関係を切ることはまったく考えていないと考えます。本当に関係を断ち切ると考えているのなら、村上誠一郎さんよりも萩生田やヤマギワをまず更迭するでしょう。キシダ政権、キシダ自民党体制の本音はこの一件で明らかと考え、だからこそこのような『閣議決定』をするのです。

・ 『紀藤正樹弁護士「最終判断は裁判所」旧統一教会の解散命令請求は「慎重にすべき」との政府答弁書に私見』(2022年10月14日 中日スポーツ)

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まず最初に、以下の記事が報じている弁護士団体が統一協会の解散命令請求を国に申し入れたことへの支持を表明します。

・ 『「旧統一教会への解散命令請求を」…弁護士団体が国に申し入れ書』(2022年10月11日 読売新聞)


さて、本題に入りますが、この統一協会問題の本質は、人権とその根本である個人と国家の関係にあると考えます。そのことをご説明しますが、まず簡単に人権についておさらいします。
人権とは、国家権力によって侵されない基本的な諸権利のことであり、その諸権利とは人間の生存にとって欠かすことのできない権利及び自由のことです。この人権は、根本的に個人と国家権力という関係においてのもので、このことが最も大事なポイントです。立憲主義も個人の国家権力に対するもので、そこでも関係性は同じです。わが国の政治はこの人権や立憲主義に根ざしているわけで、西側の先進国と言われる民主主義国家は、このような理念で基本的に成り立っています。
そして、信教の自由とは、その国家権力が個人の内心や良心、思想、表現の自由を侵してはならないということと同じで、国家権力によって信教について制約されないと言うことです。当然、そこにも根本的に個人と国家権力という関係性があるのです。
そして、この統一教会問題の核心は、まさにここにあると考えます。安倍晋三さんの射殺事件から明らかになったことは、安倍晋三さんご本人を筆頭に、政権与党で統一教会と関係があるものすごい数の政治家が明らかになったことです。それが、国民に数多の被害者を出し続けてきた統一教会との政権与党の政治家との関係ですから、大変な問題ですし、問題視され続けてきた統一教会が、現在も存在していることの本質的な理由もここにあると考える人が非常に多く存在するわけです。
そして、ここで非常に大きなポイントが浮上するのです。それはこの統一教会は『信教の自由』で語られるものよりもはるかに以前に、すでに統一教会は国家権力との癒着がポイントになり、国民の人権にとって国家権力と同じ位置づけで考えられなければならないということです。つまり、統一教会は政権与党の非常に多くの政治家との関係性だけで、国家権力側として国民の人権について根本的なポイントなるということなのです。
そして、政権与党と密接に関係する統一教会によって被害を訴えるものが続出してきたわが国の状況は、統一教会と関係性が深い政権与党が、その統一教会を目こぼしして、温存したことが主原因ということに必然的になります。これは、結果として政権与党・国家権力によって統一教会が国民に対する抑圧装置、暴力装置、つまり国民の人権を侵害する存在となっていると言うことなのです。
政権与党と密接な関係の統一協会問題は、統一教会の信教の自由よりも、統一教会が国民の信教の自由及び内心や良心、思想、表現の自由を侵す存在になっているといポイントの方がはるかに大きくなっているのです。
ですから、以下の信教の自由に関する日本国憲法20条に、統一教会は抵触していると考えます。


日本国憲法第20条
第1項
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。




統一教会のポイントは『いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない』というところにあると考えます。このポイントがなくなるときは、政権与党において統一教会と関係ある政治家が一掃されたときです。しかし、現状では、まったくそうなっていません。
安倍晋三さん射殺事件で極めて多くの国民が驚いたことは、非常に多くの国民の生活や人権を蹂躙し、数多の被害者を出し続けてきた統一協会と政権与党が深く関わる事例が多数明らかとなり、何よりもその問題ある統一教会が未だに温存され、存在していたということです。そして、そのように統一教会が温存されたことによって、山神容疑者の家族はズタズタにされ、統一教会と関連すると山神容疑者が考えた安倍晋三さんを、山神容疑者が復讐のために射殺したという前代未聞の出来事が発生したわけです。
この安倍晋三さん射殺事件は、まさに統一協会と政権党との深い関わりの深刻さを端的に示しているに過ぎないと考えます。山神容疑者は、この統一教会と政権党との癒着関係によって生み出された被害者の側面があり、そして、そのことが、安倍晋三さん射殺事件に繋がったということなのです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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