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『終末時計』が『人類最後の日』まで最短となった意味を考える その2
[日本の政治]
2023年1月27日 23時50分の記事

昨日の本ブログ『『終末時計』が『人類最後の日』まで最短となった意味を考える その1』(2023年1月26日)の続きです。

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このエマニュエル・トッドの見解は、彼だけのものではなく、世界的な投資家であるジム・ロジャースも同趣旨のことを指摘しています。本ブログ『現在の日本の対ウクライナ政策はアベ政権の『積極的平和主義、自由と繁栄の弧』の一環にすぎない その1』(2022年3月17日)では以下のように書きました。


それでは、本題に入っていきましょう。世界的な投資家として有名なジム・ロジャースさんが、今回のロシア・ウクライナ情勢について、その原因はアメリカ側にあるとはっきりと以下のように述べています。これが常識的な見方と考えます。投資家というのは情報に通じていてさらに現実的ではないと損をしますから、世界的な投資家の見解というのは、当然、とても現実的で正確なのです。そう言う意味でも以下のジム・ロジャースの見解はとても常識的なものと考えます。
原文は英語ですが、その原文の上に簡単な日本語訳を載せておきます。


ロジャーズは、現在の地政学的危機は、米国国務省がキエフでクーデターを引き起こした2014年からのものと主張しています。米国の選ばれた指導者たちは、彼らの行動が重大な代償を払うのを目の当たりにしており、「今、私たちは皆、そのために莫大な代償を払っている」と彼は言うのです。
ロジャーズは、ジョージアとウクライナがNATOに加盟する見通しが高まっていることがロシアを激怒させた理由と、数年後のロシアの観点から寛容の限界がいかに破られたかについて、詳しく説明しています。

Rogers argues that the current geopolitical crisis stems from 2014, when the U.S. State Department instigated a coup in Kiev. U.S. elected leaders are seeing their actions be paid for gravely, “now we’re all paying a gigantic price for it,” he says.
Rogers details his argument on why the increasing prospects of Georgia and Ukraine joining NATO aggravated Russia… and how the threshold of tolerance was breached from Russia’s point of view years later.

「Jim Rogers: “The Ukraine War Should Not Be Happening, It’s Absolute Madness”」(2022年3月11日 Moneycentra)






エマニュエル・トッドとジム・ロジャースの見解は世界的には常識的なことです。専門家でこのような見解に至らないのは、単なるバカか、英米を中心とするNATO側でプロパガンダをしているかのどちらかです。
私自身でさえ、2014年時点で、ロシアに対するNATOの東方拡大は良くないとNATOに対して言っている人のお話しを聞いています。ただ、その方が私にいったことの真意は、その当時、非才な私にはまったくわかりませんでした。しかし、今から考えれば、その方がいかに優秀であったかは、まったく明らかなことです。実際、予測通りになっているのですから。8年以上も前に、ことの本質を見抜き、的確な行動をしているのですから、優秀と評価するのは当たり前です。


○ なぜ、朝日はしっかりと報道しないのか?
上掲したトッドの言葉を載せていた『パンデミック以後――米中激突と日本の最終選択』は、2021年に朝日新書が出したものです。内容は、トッドが朝日新聞、AERA、論座などの朝日新聞系列の媒体に掲載されたものをまとめたものです。謂わば、朝日新聞系列でトッドの言葉を世に送り出し、それをまとめた本であるわけです。
この本の表紙には『現代最高の知性が緊急提言!』とまで書かれていて、本が出版されたのは2021年2月です。そして、上掲したトッドの言葉だけでも、この評価は間違っていないと考えます。
であるのにこの本が発売された1年後、このトッドの指摘とまったく同じことをプーチン大統領が述べてウクライナへの特別軍事作戦を開始したのに、朝日新聞系列のこれらの媒体の論調は、しっかりと事実と現実を踏まえたものであったのでしょうか? 私はすべての記事をチェックしていませんが、少なくともそうはなってはいなかったと考えます。少なくともその論調は『現代最高の知性の緊急提言!』に沿ったものではなかったでしょう。
そこには明らかなギャップと欺瞞があると考えます。
そのようになった理由は、色々とあるのかもしれませんが、その主要要因は政府から言論統制をされているからと考えます。そして、その日本政府の言論統制は、NATOというより、英米・ネオコン大本営からの情報統制と言った方が正確と考えます。
上掲したトッドのロシア・ウクライナ情勢についての言葉と、その後の朝日新聞系列でのロシア・ウクライナ情勢についての論調とのギャップに、実は現在の日本のマスコミが置かれている状況を観ることができると考えます。これが民主主義、言論の自由、表現の自由を誇らしげにいう西側の実態なのです。


『『終末時計』が『人類最後の日』まで最短となった意味を考える その3』(2023年1月28日)へ続く。

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○ 『餓死した英霊たち』

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先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

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◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐勇治(政治評論家) さん
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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