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パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その4
[日本の政治]
2023年10月22日 19時3分の記事

本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その3』(2023年10月21日)の続きです。

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10月17日、ガザの病院が爆破され、莫大な数の死傷者が出ています。大変な問題です。イスラエルと戦争屋バイデン(ハリス)はパレスチナ側の誤射という主張をしています。一方、中東諸国などでは、そうではないと考えているわけです。以下の朝日新聞では『国際社会から非難の声が相次いだ。情報が交錯するなか、イスラエル軍による攻撃との見方が広がり、中東の国々では抗議行動が発生した』と書かれています。

・ 『ガザ病院爆発、国際社会から非難次々 ヨルダンは「戦争犯罪」と声明 』(2023年10月18日 朝日新聞)

・ 『ガザ病院爆発で数百人死亡、責任巡り非難の応酬 西岸などでデモ 』(2023年10月18日 ロイター)

・ 『バイデン大統領 病院爆発「ガザのテロ集団が誤射」 』(2023年10月19日 テレビ朝日)


本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その2』(2023年10月19日)に掲載したサウジアラビアのアラブニュースの記事一覧の中で、7月20日の記事には『イスラエル軍による攻撃激化、パレスチナの医療従事者に防弾チョッキを提供 』として、イスラエル軍による『医療従事者を標的とした実弾やゴム弾での攻撃もある』とあります。10月7日前にすでに、イスラエルによるパレスチナの『医療』を狙った行為が明らかに存在しているのです。
戦地である現地から遠く離れた日本にいては、10月17日のガザの病院爆破の真相を確認する術はありませんが、このアラブニュースの7月20日の報道を考えれば、その攻撃はイスラエルの可能性が非常に高いと考えられます。そして、戦争屋バイデン(ハリス)がこの状況で病院爆破はパレスチナ側の誤射ということを言っても、それは事態の沈静化ではなく、むしろ火に油を注ぐだけの行為と考えます。
現状では事態のエスカレーションが戦争屋バイデン(ハリス)の本当の目的と考えます。何年も前から指摘してるようにバイデンはあくまでも『戦争屋』なのです。

・ 『イスラエル軍による攻撃激化、パレスチナの医療従事者に防弾チョッキを提供 』(2023年7月20日)


このように観てくると、以下のブルームバーグが報じている戦争屋バイデン(ハリス)が言っている『ハマスの攻撃はイスラエルとサウジの関係緩和妨害が狙い』というのも、やはり実にあやしいわけです。

・ 『バイデン氏、ハマスの攻撃はイスラエルとサウジの関係緩和妨害が狙い 』(2023年10月21日 ブルームバーグ)


そもそも10月7日のパレスチナのハマスによる攻撃開始以来、その理由としてこのことが言われていることに私が違和感をもって、本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか』(2023年10月12日)で以下のように書き、パレスチナ・イスラエル情勢について書き始めたわけです。


実はいまだパレスチナの行動についての納得のいく説明が、日本では報道されていない。
現状、日本において、その理由は、イスラエルがサウジアラビアなどのアラブ諸国との関係正常化を進めていることについて、パレスチナ側が『アラブ諸国から見捨てられる』という焦りを感じていたためというようなことが言われています。本当にそうなのか? これが本当に主要因なのか? 主要因としてはにわかには信じがたいものです。




これまで上掲してきたイランのParsTodayやサウジアラビアのアラブニュースにおける、10月7日以前の数ヶ月間でのパレスチナ・イスラエルに関する記事を観てみても、ハマスの攻撃が『イスラエルとサウジの関係緩和妨害が狙い』ということで行なわれているわけではないのは一目瞭然です。イスラエル側がパレスチナに対してほぼ一方的と言えるほどの攻撃をし、虐殺をしていることに対するハマスのリアクションに過ぎないと考えるのが明らかに自然なのです。
10月7日前にパレスチナ・イスラエルにおいて、すでに戦争は始まっていた。そして、5月13日にエジプトの仲介によりパレスチナ側とイスラエルが停戦に合意しているにも関わらず、その後もイスラエル側がパレスチナにほぼ一方的と言えるほどの攻撃・虐殺をしているのですから、その戦争をはじめたのはイスラエルと言うことなのです。
ですので、10月7日前の数ヶ月間におけるアラブニュースの記事を観ると、以下のようにすでに中東諸国もイスラエルの行為に対しては批判的になっていることがわかります。そして、同時にサウジやGCCがパレスチナ国家樹立への支持を表明しています。このことは非常にポイントと考えます。
※ GCC=湾岸協力理事会(サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、オマーン、カタール、クウェート)
※ OIC=イスラム協力機構(エジプト、サウジアラビア、イラン、イラク、パレスチナ、ヨルダン、アラブ首長国連邦、オマーン、パキスタン、カタール、タジキスタン、トルコ、トルクメニスタン、ウズベキスタン、イエメン、アフガニスタン、バーレーン、バングラデシュ、ブルネイ、インドネシア、カザフスタン、クェート、キルギスタン、レバノン、マレーシアなど)


・ 『サウジ外相、中東和平にはパレスチナ独立国家樹立が不可欠と発言 』(2023年9月19日)

・ 『GCC、パレスチナ国家樹立への支持を表明、イスラエルのアル・アクサモスクへの侵入を非難 』(2023年9月8日)

・ 『エルシーシ大統領、パレスチナ人を支援するエジプトの揺るぎない姿勢を改めて表明 』(2023年8月1日)

・ 『OIC事務局長、イスラエルによるパレスチナ人への犯罪行為を非難 』(2023年5月26日)

・ 『パレスチナ人が完全な権利を手にした時に初めて、中東に平和が訪れる=アッバース大統領 』(2023年9月22日)


上記のアラブニュースにおけるパレスチナ・イスラエルについての記事を観れば、中東諸国は10月7日前の段階において、すでにイスラエルに対して批判的になっていて、さらにパレスチナ国家の樹立を言っていることがはっきりとわかります。
パレスチナ国家の樹立と言うことを中東諸国、イスラム諸国が主張しているにもかかわらず、イスラエルの姿勢は、『ネタニヤフ首相、パレスチナ国家建国阻止を呼びかけ、怒りと非難を巻き起こす 』と以下のアラブニュースの記事が伝えるように明らかなのです。イスラエルはパレスチナ国家は絶対に認めないと言うことです。このことが、現在のパレスチナ及び中東諸国とイスラエルの完全な相違点であり、争点なのです。

・ 『ネタニヤフ首相、パレスチナ国家建国阻止を呼びかけ、怒りと非難を巻き起こす 』(2023年6月27日 アラブニュース)


考えてもみてください。現在、イスラエルがガザを包囲し、地上侵攻をするという中で、ガザの住民に避難勧告をするということは、ガザはいずれ廃墟となり、ガザの住民には帰る家がなくなると言うことです。ネタニヤフがパレスチナ国家を絶対に認めないという宣言でもそれは明らかです。このネタニヤフの言葉を観るとイスラエルはパレスチナを消滅させても良いと考えていると考えます。

・ 『イスラエル「総攻撃は近い」、ガザ地上作戦を準備…死者は計2255人 』(2023年10月12日 読売新聞)


何度も言いますが、パレスチナとイスラエルの力の差は、イスラエルが圧倒的に強いのです。パレスチナはイスラエルに対して何も持っていないに等しい。であるのに、10月7日以前の数ヶ月だけを観ても、イスラエルがパレスチナにほぼ一方的に攻撃、虐殺を繰り返しているのです。パレスチナ・イスラエル情勢の問題の根源は、イスラエルにあるのは明々白々なのです。


『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その5』(2023年10月23日)へ続く。

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐勇治(政治評論家) さん
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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