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パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その15
[日本の政治]
2023年11月4日 23時37分の記事

本ブログ『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その14』(2023年11月3日)の続きです。

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・ 『イスラエル支持の機運後退、ガザ空爆激化への怒り強まる 』(2023年10月26日 ブルームバーグ)

○イスラエルの目的はパレスチナ人の根絶ではないのか? 現在はイスラエルのユダヤ人がホロコーストを肯定する危険な状況になっている
さて、10月26日のブルームバーグの記事では、上記のグデレス国連事務総長の発言に対して、イスラエルは辞任を要求したことを報じ、そのことに対するドイツの姿勢を以下のように報じています。


ドイツは10月7日以来、イスラエル支持を早くから打ち出していた国の1つだ。そのドイツも、国連事務総長の辞任を求める声は否定。「国連事務総長はもちろんドイツ政府の信頼を得ている」と政府報道官がベルリンで語った。




イスラエルに行って見えてきたことですが、かつてホロコーストでユダヤ人大虐殺をしたドイツは、第二次世界大戦後、イスラエルに対してその過去に対する償いの政策を様々に行なってきています。そのドイツが今回はこのような示したと言うことがポイントなのです。
そして、このブルームバーグの記事は以下のように続けます。この内容には本当に驚きました。


イスラエルは、甚大な被害を受けた10月7日の攻撃には背景があることを認めている。しかし同国にとって、その背景とはパレスチナ人に対する不当な扱いではない。ハマスによる攻撃は何世紀にもわたる反ユダヤ主義的な攻撃の延長線上にあるとイスラエルは考えている。
エルサレムのホロコースト記念館はグテレス氏の発言を受けて声明を発表。10月7日の攻撃とホロコーストが違うのは「ユダヤ人が今は国家と軍隊を持っており、無防備で他人のなすがままになっている訳ではない」ことだとした上で、ここを訪れて「二度と繰り返さない」と誓う世界の指導者らの誠意が試されていると指摘した。




確かにナチス・ドイツによるホロコースト(大虐殺)のときのユダヤ人とは違い、現在のイスラエルのユダヤ人は強力な軍事力を有しています。しかし、相手は圧倒的に弱者であり、ほぼ無防備のパレスチナ人で、半世紀以上、アパルトヘイトなど、イスラエルのなすがままになっていて、そのパレスチナ人に対してイスラエルの強力な軍事力が現在、行使されているのです。そして、だからこそ、現在のイスラエルのユダヤ人は、国連をはじめ諸外国にパレスチナ人を大量虐殺し、その民族浄化の方向性、アパルトヘイト・屋外刑務所をやめろと非難されているわけです。私はその非難は普通に正しいと考えています。
上掲したように、国連特別報告者であるフランチェスカ・アルバニーズ(アルバネーゼ)さんは、その報告で、世界136ヵ国が国家として承認しているパレスチナについて、『パレスチナ人が何十年もの間、集団的に受けてきた大量の恣意的な自由の剥奪は、イスラエルによるパレスチナ領土の併合を守ることを目的としており、これは、非合法な手段で非合法な目的を追求する計画です』と言っているわけです。これ、明らかに『力による現状変更』です。否、現状においてはすでに『力による現状変更』をはるかに超えて『人道に対する罪』という状況と考えています。
そのことを示すのが以下のテレビ朝日の11月2日の記事です。記事にはイスラエルの高官がアメリカ側に『アメリカは勝つために原爆投下』といったとニューヨークタイムズが報じたと報じられています。原爆投下は、無差別攻撃であり、何よりも一瞬で人々を根絶します。
イスラエルの高官のこの発言は、要するに勝つためにアメリカが日本に対して原爆を投下しをしたように、イスラエルはパレスチナに対して勝つために、パレスチナの民間人も含めて無差別攻撃をし、パレスチナ人を『根絶やし』にしてもかまわないとイスラエル側が言っているというこです。この発想は普通にホロコースト(大量虐殺)であり、民族浄化、民族根絶です。イスラエルはそういうことをやろうとしていて、だから国連をはじめ世界中で非難されているわけです。当たり前です。イスラエルへの非難は、反ユダヤ主義でもなんでもないのです。単にイスラエルが人道的ではないと言うだけなのです。
今回のイスラエルのパレスチナへの行動で、ユダヤ人はナチス・ドイツによるホロコーストの犠牲者として特別視されていた地位を失ったと考えています。むしろ、ナチス・ドイツと同じ地位に立つことになってしまったと考えます。
イスラエルによるパレスチナの難民キャンプへの攻撃とその攻撃による民間人の犠牲者の規模を考えれば、イスラエルの真の目的は、ハマス幹部の排除ではなく、パラスチナ人への無差別攻撃・虐殺ではないかと考えていますが、イスラエルの高官のこの発言はそれを裏づけるものと考えます。

・ 『「アメリカは勝つために原爆投下」民間人の犠牲を容認か…イスラエル軍地上作戦を拡大 』(2023年11月2日 テレビ朝日)


このことを報じたニューヨークタイムズの記事は以下のものです。

・ 『Biden’s Support for Israel Now Comes With Words of Caution 』(2023年10月30日 New York Times)


記事には以下のように書かれています。


It became evident to U.S. officials that Israeli leaders believed mass civilian casualties were an acceptable price in the military campaign. In private conversations with American counterparts, Israeli officials referred to how the United States and other allied powers resorted to devastating bombings in Germany and Japan during World War II — including the dropping of the two atomic warheads in Hiroshima and Nagasaki — to try to defeat those countries.

イスラエルの指導者たちが、民間人の大量死傷は軍事作戦の代償として容認できるものだと考えていたことは、アメリカ政府関係者にも明らかになった。アメリカ側との私的な会話の中で、イスラエルの高官たちは、第二次世界大戦中、アメリカや他の連合国がドイツや日本を打ち負かそうと、広島と長崎に2発の原爆を投下するなど、壊滅的な爆撃を行ったことに言及した。

(飜訳は『DeepL』による)




このようなパレスチナに対するイスラエルの現在の言動を観れば、上記エルサレムのホロコースト記念館の発言は、ユダヤ人は国家と軍隊をもてばホロコーストと同じことをすると告白しているに等しいものです。それはまた、国家となれば国家にはホロコースト(大量虐殺)をする権利があるということになりますし、それならナチス・ドイツによるホロコーストは当然の国家における権利と言うことになります。要するにユダヤ人がナチス・ドイツによるホロコーストを肯定することになるのです。これはユダヤ人にとって致命的なのです。これではまたユダヤ人がホロコーストの対象になりかねません。そう言う状況が出現してることは、ユダヤ人にとって大変な危険な状況になっているということなのです。
何度も繰り返しますが、私は、かつてナチス・ドイツによってユダヤ人がホロコースト(大量虐殺)の犠牲になったことを良しとはしていません。しかし同時に、現在、ユダヤ人がパレスチナ人にホロコースト(大量虐殺)を行なうことも良しとはしません。当たり前のことです。


○中東諸国、イスラム諸国の反応
冒頭から取り上げている10月26日にブルームバーグ記事には、各国の反応としてトルコのエルドアン大統領の発言を以下のように報じています。


トルコのエルドアン大統領は25日、「ハマスはテロ組織ではなく、領土と市民を守るために戦う聖戦士の集団だ。子どもたちを殺すことは決して許されない」とアンカラで発言。年内に予定していたイスラエル訪問をキャンセルした。
ハマスは解放者の集団、テロ組織ではない−トルコ大統領




この発言は、日本にいるとエルドアン大統領が『テロリスト』を擁護している、と思ってしまいますが、このあとご紹介する7月11日のアラブニュースの記事をみると、むしろエルドアン大統領の見解の方が、正しいと思えてくるのです。以下の7月11日のアラブニュースの記事を観ると、すでに10月7日以前に、イスラエルの非道に対して非常に強い非難が巻き起こっていることがわかります。国連特別報告者であるフランチェスカ・アルバニーズ(アルバネーゼ)さんの報告も7月に報じられているものです。ただ、パレスチナ・イスラエルの実態を私たちが知らなかっただけなのです。

・ 『世界は来たるべきパレスチナの動乱に向き合うことになる 』(2023年7月11日 アラブニュース)


このエルドアン大統領の発言は地政学的には、今後、大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、10月26日のブルームバーグの記事は、マレーシアのアンワル首相の発言を以下のように伝えています。


イスラム教を国教とするマレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、ガザでの出来事が簡単に解決すると思っているイスラム指導者はいないと発言。「イスラエルは米国と欧州の支援を受けて、あまりにも傲慢になっている」とし、「人々が虐殺され、赤ん坊が殺され、病院が爆撃され、学校が破壊されるのを許すのは狂気の沙汰だ。この世界における野蛮の極みだ」と語った。




アンワル首相の言葉には大変な『怒り』を感じます。同首相の『この世界における野蛮の極みだ』という言葉は当然と考えます。パレスチナにおけるイスラエルの行動は完全に人類の生命の方向とは逆行しているのです。それは、もしかしたら、これはイスラエルの自殺行為なのかもしれません。


『パレスチナ・イスラエル情勢についていかに考えるか その16』(2023年11月5日)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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