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戦争の犬ども
[サンチャイルド(戦記小説)]
2020年9月20日 2時28分の記事

サンチャイルド12話です。

久しぶりの続きを書きました。

もっとペースを上げないと・・・



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「ねえ」

「・・・」

「ねえ父ちゃん」
「何を考えてるの」

「・・・」
「人間が」

「人間が?」

「人間がいっぱい死んで逝く」

「うん?」

小舟に乗った、麦藁帽に薄汚れたランニング、すすだらけの半ズボンの男の子供が釣り糸を垂れている。隣で青い野球帽をかぶったひどく痩せた父親の男が膝をつき水面を眺めている。
テーガ河のほとりで、黄色く濁った水の上、酷く老朽化した小舟が揺れている。周りには、緑草と白い小屋が点在している。
ゆっくりとカメラは遠ざかって行って、やがて大気圏外まで到達する。
軍事衛星が望遠カメラを起動する。ズームしていって地表の戦場を映す。


バルバルバルッ!!

ドッド――ン!

重歩兵のサブマシンガンが火を吹く。数十機の重歩兵が交戦中。
湿地帯の最前線アーカンタレ、テーガ軍とマルス軍の一大攻勢。
戦車の機甲部隊と戦闘ヘリが混じっている。
待機場の中、補給のため戻ったレジスタンスのおさげ頭のサダコ・コオロギがHP(重歩兵)のコックピットハッチから降りる。足場が悪い。

「あっ」

足を滑らせてしまう。

ドスン!

サダコがおしりから派手に地面にずり落ちた。

「コオロギ女史!」

「無事です」
「この作戦の成功がかかっています」
「テーガ正規軍のHPに後れを取ってはなりません」

着ている綿の作業ツナギのでんぶが泥まみれになった。
サダコの顔が赤くなった。

空色がピンク色に染まる。ピンクから紫色へ。
前方の灰色の湿地の中、テーガ軍のHP部隊が散開している。湿地帯で地面がぬかるんでいるため、HPはホバリング走行をする。一機が背中のウィングを広げた。

タン

一気に上空へ跳躍する。地上でマルス軍のHP部隊3機が対空射撃を始める。
上空から滑空しながらガトリングガンで射撃する。右肩のマルチミサイルポットが火を吹く。ミサイル数発が目標に向かってカーブを描き飛んで行く。
コックピットの疑似モニター上では、透明デジタルマーカーが狂ったように踊っている。
搭乗員が無線で交信する。

「ポイントDで敵と交戦中」
「重歩兵一機撃破した」
「第1師団の増援はまだか」

「中隊の指揮官機が撃破された」
「貴官が戦闘指揮官を務めよ」

「了解」

「40セグ後に航空支援が到達」
「800メルチ後方へ後退せよ」

「了解」

テーガ軍の前線が800メルチ後方へ下がる。航空支援が来た。金属音を奏でながら急降下爆撃が始まる。4機編隊の攻撃機が対地攻撃を開始。一斉に爆弾を落としてゆく。
テーガ軍の重歩兵の搭乗員の1人がヘルメットバイザーを下す。遮光の為だ。

キィイン

ドムドムドム!!

巨大な閃光と爆音が作られる。強い振動とともに黒煙が上がる。

「地上観測班から報告」
「敵機甲部隊2小隊が壊滅」
「敵重歩兵部隊3小隊壊滅」
「これによりミリタリーバランスがこちらに有利になりました」



ピザ区域。
テーガ軍の基地がある。サン・チャイが前回の戦闘から帰還して3日が過ぎた。
上層部では、サンの機体TT300に改修を施すと命じた。
メインノズルの出力を上げ、長時間の飛翔を可能にする。左腕装備のヒートソード。左肩装備のシールド装甲。戦闘コンピュータバージョンアップ。
昨日、ホルス・テル―少尉が配属される。

「ホルスさん!」

「坊主!」
「久しぶりだな」
「まさかお前が火薬の神に愛されてるなんてな」
「ジャム中尉の言ったことが当たったな」

ホルスと握手をするサン。ジャム中尉が後ろで見守る。

「マテルカ大尉がカンカンだよホルス」
「転属の挨拶しなかっただろ」

「基地司令に挨拶するのでは?」

サンが不思議そうに言う。

「今はこの基地はマテルカのもんだあね」
「裏の実権を握ってるからね」
「あの女下着姿で詰め所にいるからね」

「うひょー」

「えきしゅっ!」

マテルカ大尉が下着姿で詰め所にいる。白とピンクのブラジャーに白のフリル付きパンツ。
パンツにはゾウさんのプリント。
部下のウダンダ中尉が目のやり場に困っている。
マテルカの胸が大きいからだ。腰が締まっていてヒップが大きい。
ブラジャーから胸の肉がはみ出している。

「風邪でも引いたかな」

「マテルカ大尉殿」
「なんと言いますか」
「たとえ詰め所といえども、勤務中は軍服を着用してほしいのですが」

「あー」
「はいはい」

右の唇を引きつらせながら、左目でバチっとウインクをする。
真っ赤なルージュが艶めかしい。
金毛の眉毛は太い。金髪のポニーテールを振りながら、腰をひねる。
うっふんと言うように、身体をのけぞらせるマテルカ。
いちいち色っぽいなこの女は、とかウダンダ中尉は考える。

「サンの機体の改修はどれだけ進んでいるか」

「ほぼ完了しました」
「それよりも、第二世代のワズマンのバランス調整のほうが深刻です」


その日の夜、基地に従軍慰問団が訪れた。
搭乗員のブリーフィングルームで。
きわどい水着を着た女の子達が搭乗員の隊員達に抱き着いている。
サンが目をぱちくりさせて見ている。

「サン殿!!」

一人の女の子がサンに抱き着いてきた。

「うっぷ」

唇を奪う。

「サダコさん!」

舌を絡めてきた。

「サダコさん!」
「なんですか、そのみだらな水着は!」

水色の面積が小さなビキニ姿のサダコは、ブラがはだけている。ヒモが取れているようだ。
小ぶりな大きさの乳房と、綺麗な桜色の大きな乳首が見えている。

「会いたかったですよ」
「私のサン殿」

サダコが軍服のズボンのチャックを下す。

「さあ」
「じらされた分、たっぷり犯してもらいますよ」
「従軍慰問団にワイロを贈って無理やり参加させてもらいました」
「あなたの子種をもらいに来ました」
「今夜は初夜ですね」
「さあ」
「あそこの個室で愛し合いましょう」

「ままっま待ってください」
「いきなりそんなことを言われても」
「あなたの気持ちは嬉しいですが」
「まだお互いのことを何も知らないのに」
「子作りなんて」

据え膳だと思っていたサダコを本当に抱けるなんてと、サンの息子はみなぎっている。
蛍光灯に明るく照らされるおさげ髪のサダコのあどけない顔が、かわいくてみだらで、抱きしめたくなる。

「サダコはサン殿のことを何でも知っています」
「今夜のサダコはいつもと違いますよ」
「景気づけに一杯やってますから」
「もちろん媚薬もね♡」

バチッとウィンクをした。
他の隊員達と女の子達は個室に行ってしまった。お楽しみに口を出す者はいない。

「マテルカ大尉殿〜」
「風紀が乱れてますよお」

マテルカ大尉が下着姿でパイプ椅子に座り、ワインの瓶をラッパ飲みしている。

「ブレーコーだ!」
「コオロギ女史は魅力的なメスだぞ」
「女びでりの軍隊では滅多にないチャンスだ」
「やればできる!」


その夜、サンとサダコは初めて結ばれた。サンは童貞を卒業した。サダコは?初めてではないようだ。
サンを導いてタップリかわいがった。
朝方の慰問団の帰りのトラックの荷台の中、私服に着替えたサダコは安堵のため息をついている。
安らかな顔でうつむいてお腹をさすり、何かをつぶやいている。

「サン殿」
「この星の子供は痛みの向こうで生きていますよ」


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