2022年4月22日 9時24分 |
バースデーケーキ |
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ひとりっきりじゃ戦えないよ。 孤独が武器なら触るもの全部傷つけて。 運命にあっかんべーをするのは、虚しくて儚くて。 何ひとつ手に入れられない、ショーケースを眺めているだけじゃ。 バースデーケーキにローソクを立てていつか分かれてゆく道に、 あなたが欲しいと泣き叫んだ。 天の罰を受け入れて、心に焼き付ける烙印。 受け入れるものと受け入れられないものにどんな違いがあるの。 覆面の観客が石を投げる、おひねりをぶつけるように。 世界線が違っても必ず出会える、見慣れた景色の中で。 喫茶店のコーヒーに浮かぶクリームは渦を描いて、世界を呑み込んでゆく。 ラストオーダーはあなたの心、焼きもちを焼いて食べるのはにがい恋の味。 お祭り騒ぎが始まる。 みんなが一斉に卒倒する劇的な流行に、屁理屈は要らない。 いつか終わってしまう恋に保険はかけれないから。 街に明かりがつかない夜には、秘密の歌が聴こえてくる。 傷つけ合うのは似た者同士だね、井戸の中で泳ぐアメンボだから。 |
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2022年4月21日 14時48分 |
優しさの黎明期 |
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あばよ、お前なんか幸せになっちまえ。 いいか、幸せにならなかったらぶっ殺すぞ。 さよならは再び逢うまでの約束。 だったら、とびっきりの笑顔が約束なのだ。 さよなら私の大好きな人。 一緒に笑って一緒にふざけたあの日々は、もう帰ってこないけど。 眼を閉じればいつだってあなたはここにいる。 お前の匂いはいい匂いだな、 ご飯のおかずにもっと嗅がせろ。 メシが進むぜ〜。 誰かさんを傷つけてしまった優しい嘘は、最高裁で裁かれた。 罪状、被告人○○は魚の死んだような目で、 この腐った世界と同化しようとした。 どこまで同じ地獄に落ちてアホたちを説得しようとした。 ハンケチを言い渡す。 被告人に接吻を命じる、愛をもって熱き抱擁を良しとせよ。 ○○さん、何か言い残すことはありますか。 今なら牛丼2割引きです。 |
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2022年4月19日 23時47分 |
キノコ雲に唄えば |
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木陰でビールを呑みながら、 あなたと語ろう。 世界の果てにいるミジンコの大将。 独裁者の恥ずかしい秘密。 この世の終わりの日に誰とデートする。 みんなは毎日汗水流して働いて、 お金を有難いと思ってる。 預金通帳を見てニヤニヤしてる。 銀行で刷ってるだけの紙っキレのために人を殺す。 誘拐犯がたった1億円ぽっちの金を要求する。 宝くじに金を払い当選した夢を買う。 世の中って、一部の人たちのために出来てるんじゃないかな。 誰にも見られてないところでほくそ笑んでモニターしてるのかな。 人外の存在に見られてるのにね。 核の脅威から自衛するために核武装するって話、アホみたいだな。 あの世にいっちまえば、みんな同じなのに。 どうしてこうも先を急ぐの。 狂ってるのは僕じゃなくて、世界の全てなのかな。 重力のゆりかごで揺られてる大きな赤ちゃん。 おむつプレイで遊ぶ大きな赤ちゃん。 おしゃぶりを咥えて乱れ撃ち。 馬鹿な真似はやめなさい、 その赤いボタンを押すんじゃない。 |
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2022年4月19日 23時30分 |
世界は狂気だ |
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狂ってるのは僕じゃなく、世界かもしれない。 横断歩道の向こうから人間の大群が押し寄せて来る。 行き交う人々がスマホと睨めっこして、知らない人とぶつかる。 道端で小鳥が餌をついばむ横で、高級車が暴走している。 キャバクラの呼び込みにむりやり店内に連れ込まれて、 法外な料金を請求される。 痴漢の冤罪で一生がパーになるサラリーマン。 僕ちゃん詐欺のうけこを確保する捜査員。 免許証と戸籍を売るホームレス。 政府が返さなくていい借金して国家予算を決める。 この国は平和らしい。 あの子にプレゼントしたくて、UFOキャッチャーで小遣い無くなる僕。 アイドルのチケット買うために学校休む僕。 ガチャがしたくて携帯の料金が膨れ上がる僕。 僕は普通の子らしい。 狂ってるのは世界じゃなく、僕かもしれない。 いや多分どっちも。 カネや怨恨のために人を殺す人もいれば、軍隊に入って人を殺す人もいる。 罪として裁かれるのには、都合と事情が関係する。 同じ人間が人間を裁き、罪状を言い渡す。 同じ人間を神としてあがめ、同じ人間に石を投げる。 食べ物が余って捨ててるのに、飢えて死んでる人がいる。 北の赤貧国に核を持つなと説教する人は、恥ずかしい核コレクター。 世界は狂気だ。 こんなイカれた世界で僕はよく生きてるな。 |
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2022年4月18日 7時45分 |
故郷にニシキヘビ |
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その心意気買ったあ! 三億円でどうだ、現ナマがいいか。 カネは港の倉庫に取りに来い。 もしも心配ならクリーニング屋のおやじにタレこめ。 おもちゃ銀行のカネじゃねーぞ。 おめーさんも、そーと―ヤバい橋渡って来たんだな。 一丁目のキャバクラのアユから伝言だ。 ブツは大仏様が持ってる。 なんかワケわからんが、チゲ&飛鳥のレコードらしい。 サツにはバレないようにしろ。 指名手配の爆弾魔のヒデがきなこもちを喰ったらしい。 換気扇のスイッチは切っとけ。 チャカはお前は初めてだったな。 ゲンちゃんチャコちゃんじゃねーぞ。 それはそうと、駅前のカトちゃんラーメンのタンメンに替え玉はない。 誤解すんな。 俺はおめーの妹には手を出してない。 ほれ、沖縄みやげのアーカンソーフライドチキンだ。 ヤンバルクイナの肉を使ってるらしい。 まーがんばれや。 故郷に鯉のぼり上げられたらいいな。 ニシキヘビの蒲焼は俺も喰ったことはねー。 風俗嬢のサクラがよろしく言ってたぜ。 おっといけねえ。 夕焼けキャンキャンの始まる時間だ。 じゃまたな。 |
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2022年4月17日 13時58分 |
うさぎのしっぽ |
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満月の夜は天体観測できないよ。 素直過ぎて誤解されてもいいのさ。 綺麗ごとで愛されるよりも、本当の告白で裁かれたいから。 吐息が弾む、悲しみを悟られないように。 想いが届くのなら、この世の全ての夢を。 嘘つきたちと居るくらいなら、ひとりでお茶するよ。 運命のメニューに未来の花嫁。 全ては導かれる、回る歯車のように。 暑い日差しに喉が渇く、冷たいビールが恋しくて。 窓の外では焼き芋売りの拡声器。 月を見るたび何かを感じるのは前世の記憶なのかな。 産まれ変わっても一緒になろうねって約束したのに。 月のうさぎが餅ついて踊ってるよ。 君が弾くピアノは猫ふんじゃった。 コンビニの肉まんが好物で、嫌いなものはニンジン。 人の心を支配するものは何、お金なの愛情なの。 どっちも必要だよと君は言う。 どっちが欠けても幸せには成れない。 この世界はカタチあるもの、なんの為に肉体はあるの。 欲望は決してネガティブなだけじゃなく、生きる為に必要なスパイス。 カネが欲しいよ、愛情が欲しいよ。 信じるものがあれば怖いものなんてないから。 思いっきり泣いて心に栄養を与えたら、さあ歩き出そう。 うさぎの赤い眼と耳としっぽがものを言う。 ふかふかのモフモフは無敵の武器なんだぞって。 肉球に踏まれて窒息死、葬式には神輿を出してね。 アホが運営する世界は、やっぱりアホの泣き笑い。 |
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2022年4月17日 8時59分 |
ケサンの夢 |
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空爆が鳴りやまない、憎しみの黒い雨。 生きることは贖罪。 激しく心を掻きむしる銃弾。 血と肉が躍る、病んでいる全ての為に。 青い目をしたお客さんが来る。 あの日、花を摘んだ私は野の花を銃に持ち替える。 純血を守る為に死んで逝く魂は、気高い虚しさ。 全ては居なくなってしまう。 償いの日々を生きるには、人間は強欲だから。 弾痕が描く黙示録。 生きてゆく為に何でも売る、魂すらも。 悲しいのは身体だけだ、心は許さない。 死んで逝ったものは天国を、残されたものには地獄を。 メコン川で泳いだ幼い日、牛と父と母が笑っていた。 どんなに絶望が訪れても、神様を信じている。 同胞の笑い声が聞こえる。 決まって激しいスコールの日にやって来る行商。 足りないものは全部だよ、傷んだ心を補給しておくれ。 |
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2022年4月17日 8時25分 |
矛盾不純な感情 |
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僕の悲しみは知らなくていいから、 綺麗な夕暮れを見に行こう。 陽が沈んで悲しむ人がいるのに、僕は嬉しくてはしゃいでいる。 大好きなアニメが終わってしまった。 誰かにネタバラシがしたくて自己嫌悪に落ちる。 運命のテロリストがやって来る、みんなが褒め称える英雄を殺すために。 カネで買えるものは何? 名誉と栄光は苦労して手に入れるもの。 ペットボトルコーヒーをがぶ飲みしながら、アクセス数を気にしている。 生きることに資格が必要なら、僕はとっくに絞首刑だ。 間違いは世界じゃなく僕かもしれない。 想像で君に乱暴している僕は性犯罪者。 矛盾不純な感情。 疑い出したらキリがないから、全部OKのサイン! 問題はピザ屋のトッピングのオーダー。 この世に存在するすべての問題はドサクサに紛れて成就する。 臆することなんてないさ。 希望を高らかに謡うピエロに憧れるのは、宴会のハラ踊り。 ゴミ屋敷は成り金趣味で、倒錯の世界が盗作の世界。 狂気の凶器製造の秘密スマホ工場。 やけくそで焼き肉焼いてクーポン使えますか。 死に急いでも誰も泣いてくれない、救急車の乗り心地は酷く悪酔いするから。 みすぼらしい畑を耕して楽園を作ろう。 夢の芽に虹がかかるよ、夢泥棒に警察は動かないから。 飛べない鳥は大空に憧れる、 何もかもが羨ましくて化けて出てやる。 勝利宣言が敗北宣言にすり替えられて、子供が見てるでしょ。 街は巨大なサーカス、聖人なんかにゃなれないよ。 パレードを信じている大人だから。 |
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