柏尾川のミズキンバイのルーツについて〜そのルーツは名瀬川にあった!〜 | |
[★柏尾川のミズキンバイ] | |
2013年8月6日 18時18分の記事 | |
柏尾川のミズキンバイ(水金梅)が希少と見聞きはしていたのですが、花の写真は本格的に撮らないのであまり興味がありませんでした。でも、せっかく近くに住んでいるのだからと、行って写真を撮ってきました。
絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)に分類されているミズキンバイの自然での生育地で確認されているのが、日本で4県(千葉県・神奈川県・高知県・宮崎県)だけであり、その中でも都市河川で生育しているのは神奈川県の柏尾川だけだそうですね。いわば柏尾川は4県の中で最も絶滅する危険性が高い生育地だということ。 こりゃ、一度じっくりと見て写真も撮っておかなければと、名瀬川、阿久和川、柏尾川沿いを徒歩で下って、戸塚の桜堤防から河川敷に降りて、黄色の小さな花を咲かせるというミズキンバイを探す…までもなくすぐにみつかりました。さっそく写真を撮りながら川下の方へミズキンバイ生育分布を確かめるために辿って行きました。 現在の柏尾川のミズキンバイは川の治水工事のために一度金井遊水地に仮移植されたのを人口の生育基盤を使って川に戻されたものだそうですが、葉に覆われて隠れているので目では確認はできません。抽水性の植物なので、根や茎が流されて別の場所で生育している可能性もありますから。 柏尾川のミズキンバイ 川面を入れて撮るとこんな感じ 暑いので金井公園の清涼飲料水の自動販売機が最終目的地みたいになってしまったのですが、その辺りまでミズキンバイの生育を所々に確認できました。 さて、本題はここからです。(←長い前置きだな) 柏尾川でミズキンバイが確認されているのなら、どこからか種なり根なりが流れて来て柏尾川に定着したのではないか、と考えたわけです。柏尾川は戸塚駅鉄橋より上流では平戸永谷川・阿久和川・舞岡川の支流が流れ込んでいるので、そうした支流でもミズキンバイは生育しているんじゃね?と思い、支流の1つの阿久和川を遡って堂山橋まで見に行って来ました。阿久和川はまだ上流まで続くので断言はできませんが、少なくとも堂山橋までを川沿いの歩道から目視して確認した限りでは、まったく見当たりませんでした。 実は、阿久和川の支流の名瀬川沿いは時々歩く道なのですが、その名瀬川の下流域にミズキンバイが生育しているのです。川沿いの道路は狭いわりに頻繁に車が通るのでいつもは川を覗きながら歩くことはなかったので気付かなかったのですが、黄色い小花を付けた水草が細い川辺に茂っているので河川敷に降りて確認したら、柏尾川に生育していたのと同じミズキンバイでした。 名瀬川のミズキンバイの群生 名瀬川のミズキンバイ 上のものと同じ植物でしょ? ネットで調べていたら外来種のオオバナミズキンバイというのが琵琶湖あたりで繁殖して駆除している云々とあったので、これもそのオオバナミズキンバイではないかと疑ったのですが、どうやらオオバナミズキンバイは誰かが故意に捨てたのが繁殖したものらしく、今のところ関西だけで関東では繁殖していないようで、オオバナミズキンバイである可能性は考えなくて良さそうです。ならば、これは間違いなくミズキンバイです。花も小さいし葉や茎に毛も生えていなくてツルツルです。 というわけで、柏尾川のミズキンバイのルーツは名瀬川のミズキンバイである可能性があります。今度は名瀬川の上流で生育しているかどうか、また、平戸永谷川と舞岡川での生育の有無も確認してみたいと思っています。 | |
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1. 中島秋男 2017年10月8日 13時14分 [返信する] ミズキンバイは、今年も名瀬川に咲いていましたか。阿久和川との合流付近のどのあたりでしょうか。
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