第2話かなぁ | |
[novels☆] | |
2008年5月7日 22時39分の記事 | |
あらすじ ある日突然目の前に現れ、 「君の記憶が植え付けられたものではないといいね」 と言い残して風のように消えてしまった男に会った僕。 その次の日、人気の少ない駅前で違和感たっぷりの若い男の人の集団を見つけて、彼らに何をしているのかと質問すると・・・?
「未来から来たんだ。僕らがいるこの空間は、通常の空間からは隔離されているんだよ。ここには、この時代の人は入ってこれないし、中の音も聞こえない。存在自体に気づかないんだ。リストっていうのは、僕らの存在を感知できる人を事前に調査して、名簿にしたものなんだ。君はリストに載っていなかった。予想外だからみんな驚いているんだよ。」 嫌な予感は的中した。ちょっと変わった人達どころか、未来人と出会ってしまうなんて。同時に興味が湧いた。もっと深く知りたいと思った。すると、僕の思いを見透かしたかのようなタイミングで、また違う、低い声がした。 「君も、僕らの仲間に入ってみたいかい?」 声の主は、長身で、茶髪のくせっ毛が特徴的な、男の僕から見てもカッコいい男性。答えにちょっと迷った。何も知らないから、当然不安だし、本当に未来人なのかもわからない。珍しいタイプの観光客にからかわれているだけかもしれない。でも僕は答えてしまった。 「はい。仲間に入れてください」 それじゃあ、と言って彼は、僕に一つずつネックレスとイヤーカーフを手渡した。 「それ、つけといて。俺らの仲間っていう、証。この時代の人には見えないから、学校につけていっても平気だよ」 もしそれは何なの、って尋ねてくる奴がいたら、その子は僕らの仲間さ、と彼は付け加えた。 ありふれていそうなネックレス。プレートの真ん中に小さな十字架が刻印されている。裏にはなにやら文字があるが、僕には意味がわからない。よく見ると、プレートは深い深い青。陽にかざすとほんの少し青く見える。もっとよく見ると、ふにゃふにゃっと模様がついていて、しかも驚くことに動いている。まるで水の中から太陽を見ているようだ。イヤーカーフにも、表の見えそうで見えないところに十字架の刻印。それ以外は、ネックレスと同じ。 「ありがとうございます」 僕は頭を下げた。 「僕らはそろそろ次の時代へ行かなきゃいけないから、この辺でお別れとしよう」 彼らはそういって、僕の目の前からフッと姿を消した。 | |
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